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#129【雑感】徒然草第189段「今日はそのことをなさんと思へど」

今日もお読みくださってありがとうございます!
久しぶりに休職話です。

今日のタイトル画像は久々の生成AIです。「日本の鎌倉時代末期の僧侶。枯れた色調で。」としました。なんか不気味な絵に仕上がりました。水墨画みたいなタッチが導入されたらいいのにな。

開運!なんでも鑑定団

先日の『開運!なんでも鑑定団』で登場した掛け軸で、徒然草第189段「今日はそのことをなさんと思へど」が紹介されていました。

https://www.tv-tokyo.co.jp/kantei/smp/kaiun_db/otakara/20240521/03.html

なんでも、この掛け軸に書かれているのが、件の徒然草第189段だとか。
本当は、この日記の189日目にこの段を取り上げてもいいかなと思ったのですが、ちょっと先過ぎるので忘れそうだからもう今日書く。

なお、くらたはくずし字の授業で寝過ぎて教授に「もう授業に来なくていい」と怒られて以降、くずし字は読めません。日本文学やるうえでくずし字読めないとか致命的……。
でも先生のお声がね、α波出てましたね。

こう言ったら怒られそうだけど、もう来なくていいって二人の教授から言われたけど(くずし字の先生と近世文学の先生)、他人に「もう来なくていい」とか言える商売って大学の先生と議員くらいしか思いつかない。

徒然草第189段「今日はそのことをなさんと思へど」

今日はその事をなさんと思へど、あらぬ急ぎ先づ出で来て紛れ暮し、待つ人は障りありて、頼めぬ人は来たり。頼みたる方の事は違ひて、思ひ寄らぬ道ばかりは叶ひぬ。煩はしかりつる事はことなくて、易かるべき事はいと心苦し。日々に過ぎ行くさま、予て思ひつるには似ず。一年の中もかくの如し。一生の間もしかなり。

予てのあらまし、皆違ひ行くかと思ふに、おのづから、違はぬ事もあれば、いよいよ、物は定め難し。不定ふぢやうと心得ぬるのみ、実にて違はず。

とにかく予想はつかないから、「不定」って思っておくことだけが間違いないよね☆……って、さすが兼好先生、諦観のレベルが違います。

それにしても、

今日はあれやろうと思ってたのに急ぎの用事が出来てまぎれちゃうし、待ってた人は来ず来んなって奴が来る(原文はそこまでは言っていない)。あてにしていたことは実現しないのに思ってもみないことが実現して、カンタンだと思っていたことは超大変だった

……って、まんま休職前のくらたの日常じゃないか。

ちなみに、「煩はしかりつる事はことなくて=大変そうと思っていたことはそうでもなくて」ということはあまり起きませんでした。大変そうと思っていたことも大変だけど、カンタンだと思っていたことは超大変だった。
大変。

『徒然草』の成立は鎌倉時代末期ごろとは言われているものの、成立時期や成立過程がいまだ明確ではないそうです。
14世紀から700年近くも、「今日はあれやろうと思ってたのに急ぎの用事が出来てまぎれちゃうし、待ってた人は来ず来んなって奴が来る」みたいなことに煩わされているのか人間は。
くらたの「今日はあれやろうと思ってたのに急ぎの用事が出来て」はたいてい、バカな管理職からもたらされるんですが、その悲劇が700年もの間生まれ続けているということは、もうくらたごときが何をどうしたってこれを恒久的に回避することは不可能。

なんかどうにかならんのですかね。

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