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#思い出

【詩】見ていたのは

【詩】見ていたのは

僕が見ていたのは

君の幻想で

もうこの腕に

抱けはしないよ

濡れたその瞳が

静かに僕を見据える

そんな情景さえ

記憶から浮かび上がって

苦しいんだ

ちょびっとの悲劇(64日目)

【詩】それだけでいい

【詩】それだけでいい

今まで見えなかったものはいずれ

少しずつ心に感じられるようになる

そこで始めて失くしたなんて

そんなことにしたくないんだ

君と居られる明日があまりに輝いて

築いてきた思い出さえくすむほどだから

僕らが囁く「いつか」がそれでもまだ

二人寄り添っていられる日々ならそれだけでいい

ちょびっとの悲劇(76日目)

【詩】なくしたくなんてないものを

【詩】なくしたくなんてないものを

なくしたくなんてないものを

僕は順番に失っていっている

まるで周りのすべてが消え去る

くらいに君が好きだったんだ

君との思い出が降る

一人ぼっちの夜

君のこぼした言葉や

くれた気持ちを思い出す

ちょびっとの悲劇(80日目)

【詩】ガラス玉

【詩】ガラス玉

君と交わした約束ひとつずつ

この胸の中から取り出して眺めた

その虹色輝くガラス玉は

今では夢みたいにキレイになっていて

叶えることは出来ないと知りながら

なお一層鮮やかに透き通るように

ガラス玉ひとつずつに詰まった

想いが瞳の奥に眩しく鈍く痛むんだ

ちょびっとの悲劇(84日目)

【詩】ひとつの物語

【詩】ひとつの物語

僕が居て君が居た

広くて小さなこの世界

二人出会えたあの瞬間は

僕にとって運命のかけらだった

僕が居て君が居た

積み重ねてきたこの記憶

二人過ごしていた日々は

僕にとって特別な時間だった

ドラマチックな話の前でだって色褪せない

僕にとってたったひとつの物語

ちょびっとの悲劇(87日目)