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私が読んだ本の記録です。
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#心理

キリスト教と個人主義の関係についてのとりあえずの考察

キリスト教と個人主義の関係についてのとりあえずの考察

キリスト教はユダヤ教を当然のごとく背景としている。

ユダヤ教の神ヤハウェは唯一神であり、多神教の神々のような意味での「身体性」を有しない。

その点からすると、「身体性」を持った「神の子」イエスを世に遣わしたとされた時点でとんでもないくらいの革命的な転換をしている。

そして325年の第1ニカイア公会議で「三位一体」の教義が採択され、「父、息子、聖霊、三つの位格。しかし、彼は一人の神である」とさ

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私の書いた「入門・フォーカシング」、「エヴァンゲリオンの深層心理」無料でお送りします。

私の「入門フォーカシング」と「 エヴァンゲリオンの深層心理」、手元に著者献呈本がまだかなりありますので、ご希望の方には無料でお送りします。
冊数明記の上、

kurumefocusing@mbr.nifty.com

までメールいただければと思います。

インタラクティヴ・フォーカシングについて

インタラクティヴ・フォーカシングについて

カウンセリングの学習においては、「傾聴」や「共感的理解」ということがひたすら強調される。そして、ロジャーズの来談者中心療法のオリエンテーションが強いロールプレイや事例検討会の場で、「それであなたは十分に相手に共感しているのか?」的な叱責がなされたり、「私は十分に相手に共感できない」ことに思い悩む、カウンセリングの初学者は未だに少なくないのではないかと思う。

正直に言って、カウンセラーの側は「理解

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アン・ワイザー・コーネル 著 :「すべてあるがままに -フォーカシング・ライフを生きる-」("Radical Acceptance of Everything")

アン・ワイザー・コーネル 著 :「すべてあるがままに -フォーカシング・ライフを生きる-」("Radical Acceptance of Everything")

まず最初に申し上げれば、著者のアン・ワイザー・コーネルさんは、私の海外の師匠です。(上はカナダで開催された国際フォーカシング会議での写真)

アメリカのフォーカシングの名教師、アン・ワイザー、コーネル女史による本書の原題は"Radical Acceptance of Everything"である。この"Radical"という言葉の含蓄と、邦題の「すべてあるがままに」という語感には著しいギャップがあ

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原田隆之 著:「サイコパスの真実」

原田隆之 著:「サイコパスの真実」

サイコパスと言うと、血も涙もない凶悪犯罪者というイメージがまず先立ち、興味本位の取り上げられ方が少なくなく、ネット上でも安易なレッテル貼りとしてよく使われる傾向があると思います。

少なからぬサイコパスは、その衝動性から、社会的にも成功しにくい。しかし、本書の著者、原田隆之氏は、社会的な適応水準の高い成功者の中にもサイコパスの人間が少なくないことを説く。

彼らは人当たりがよく、魅力的であり、人の

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