- 運営しているクリエイター
#書評
「トランスジェンダーになりたい少女たち」レビュー
非常に読みやすい本である。
たくさんの事例が出て来るが、著者の主張は極めてシンプルだと思う。
著者は真正の「性的違和(#性同一性障害)」は否定していない。ただしそうした子供は2-4歳で自分の身体への違和を感じている。しかし昨今の「トランスジェンダー」になりたい少女たちは思春期に生じる第二次性徴・・・乳房が大きくなったり、生理が始まったり・・・への困惑と身体的不快(そしてそこに男性から性的な好奇
「こころの科学」特集号「心理臨床と政治」について
まず、#東畑開人 氏の緒論、「心と政治 ーーー善く生きることへのふたつのまなざし」だが、よくもまあここまでクレパーに日本の心理臨床史を巨視的に総括したという印象。
ただしロジャーズ 派については 単純化されすぎている嫌いもあると、インサイダーとしての私は感じる。
更に言えば、#下山晴彦 先生(私の先輩である)のお書きの部分、先生、公然たる #佐治守男 門下だと思うのだが、ロジャーズ的な「カウン
アン・ワイザー・コーネル 著 :「すべてあるがままに -フォーカシング・ライフを生きる-」("Radical Acceptance of Everything")
まず最初に申し上げれば、著者のアン・ワイザー・コーネルさんは、私の海外の師匠です。(上はカナダで開催された国際フォーカシング会議での写真)
アメリカのフォーカシングの名教師、アン・ワイザー、コーネル女史による本書の原題は"Radical Acceptance of Everything"である。この"Radical"という言葉の含蓄と、邦題の「すべてあるがままに」という語感には著しいギャップがあ
マックス・ウェーバー「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」の超解説
「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(岩波文庫)の訳者の大塚久雄先生の詳しく長い解題を読んでみたのですが、わかりやすく、かなり流れが掴めた感じです。
利潤を否定する禁欲的ピューリタニズムのエートス(「倫理(ethics)」というより、社会が共有する「倫理的雰囲気」、というのに納得)が、利益追求のヨーロッパ型「近代」資本主義を生み出したという「逆説」的問題提起こそこのウエーバーの著作のキ