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芸術の部屋

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芸術・創作に関してのまとめです。 有名作家の作品から無名の方々の作品まで、その実績に関わらず心に響いた作品&作家さんを集めてみました。 絵画も立体造形もハンドメイド作品も、あくま…
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#美術展

京都国立博物館 特別展「雪舟伝説」ー「画聖」の誕生ー~展覧会#58~

京都国立博物館 特別展「雪舟伝説」ー「画聖」の誕生ー~展覧会#58~

「雪舟展」ではありません!友人に「雪舟展、観てきたよ」と話した。展覧会のリーフレットは、観終わったあとに持って帰っただけで、ついさっきまで中身を見てなかった。二つ折りの中央にこんな文字が書かれていた。なんと・・・・・・

この展覧会は、雪舟の作品を展示することだけが目的ではなかった。雪舟の没後もその作品は生き続け、狩野派をはじめとする諸派の多くの画家たちの手本となり、受容されてきた。雪舟をキーワー

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エミール・ガレ、自然への眼差し|北澤美術館

エミール・ガレ、自然への眼差し|北澤美術館

本年の課題「諏訪を巡る」、今回は諏訪湖畔にある北澤美術館を訪れました。

北澤美術館は、バルブメーカーKITZ(旧北澤バルブ)の創業者である北澤利男(1917‐1997)が、出身地である諏訪の地域文化振興と発展のためにと、自身が収集した美術品を公開する場として開館しました。

1000点を超えるガラス作品のコレクションで有名ですが、もともとは東山魁夷や山口華楊などの現代日本画の収集がはじまりだった

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兵庫県立美術館 特別展「生誕120年  安井仲治ー僕の大切な写真」~展覧会#48~

兵庫県立美術館 特別展「生誕120年 安井仲治ー僕の大切な写真」~展覧会#48~

安井仲治安井仲治(1903~1942)は、戦前に関西で活動したアマチュア写真家である。彼が大阪で産声をあげたのが1903年(明治36)の12月15日。それからちょうど120年を経過した2023年12月16日、兵庫県立美術館で安井仲治の写真展が始まった。いわば回顧展だ。

安井仲治という写真家については、何も知らなかった。彼が写真を撮り始めた1920年代は、時代でいえば大正である。記念写真や記録写真

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山種美術館を訪ねて vol.3

山種美術館を訪ねて vol.3

毎月の東京詣での寄り道先として、すっかり定番となった山種美術館。
はや3回目の訪問となりました。

この日東京は晴れたり曇ったりで、ひと月前の10分と外にいられない恐ろしい暑さはなく、吹く風も爽やかに感じられました。

とはいえ真夏日のなか長時間歩くのはつらいので、今回初めて渋谷駅からバスを利用。日頃路線バスに乗る機会がない田舎人ゆえドキドキしましたが、ちゃんと乗れました!☆祝☆都バスデビュー。

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国立国際美術館 「ピカソとその時代  ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」その1~展覧会#30~

国立国際美術館 「ピカソとその時代 ベルリン国立ベルクグリューン美術館展」その1~展覧会#30~

魅力的な展覧会が大阪にやって来ました。ピカソにクレーにマティス、そしてジャコメッティ! 日本初公開の作品が76点もあるといいます。これは見ないわけにはいきません。
ということで、平日の金曜日、中之島の国立国際美術館に行ってきました。

ベルリン国立ベルクグリューン美術館この美術館は、ドイツ生まれの美術商ハインツ・ベルクグリューン(1914~2007)のコレクションを収蔵展示する美術館として1996

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いくつになっても花は咲く~塔本シスコ展『シスコ・パラダイス』を観て~

いくつになっても花は咲く~塔本シスコ展『シスコ・パラダイス』を観て~

あれはいつだったか、先月の終わり頃だろうか。
ふと目にしたSNSの広告の絵。
そこには色鮮やかな植物と自然の生き物たちがいた。黄色と緑と様々な色。一見、南国の風景かと思うほど個性的な色彩の作品の横に、「塔本シスコ」というお名前があった。

塔本シスコさん?
名がカタカナ、もしかしたら外国籍の方かしら?
それとも海外にお住いの芸術家かな?
明るい色調と大胆な構図から、まだ若い先鋭のアーティストかなと

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