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THE BARR BROTHERS
「ねえ、もうちょっとだけやっていい?」
タバコが吸えるバーの様な、喫茶店の様な店で彼女はそう言った。
バールブラザーズというその奇妙な店名のバーで彼女はしばらくボール・ソリティアをしている。
木製の台には碁盤の目の様に穴が空いていて、そこにびっしりとガラスの玉が並んでいる。空いているポイントにボールを動かしては、飛び越したボールを捨て、それを繰り返しボールが残り一つになればクリアという古典的
欲望の翼/脚のない鳥類について
ウォンカーウァイ監督の「欲望の翼」という映画を観た。
母の愛、或いは女性性がもつその母愛に飢えるヨディは何かと地獄のオルフェウスの一片を語る。
僕の人生は振り返るとヨディに似ている。ヨディほどハンサムではないが。
僕にはかなり躁鬱のきらいがあって、今は落ち込んでいる状態だ。人に会う気力も、音楽を作る体力も無くなり、ひたすらに塞ぎ込んでしまう時期が定期的に訪れる。それまではあらゆる万能感に包ま
その「美しき時」を閉じ込めた瓶の流れ行く先に
父と母は離婚した。
僕らは長年住んだ家から離れ、散り散りになって生活をしている。とにかく、僕たち家族の形は「間違っていた」という烙印を押され、終了したのだ。
そんな父から今日、仕事終わりに電話が掛かってきた。新たに自分の店を出すのに、その物件が決まった事や、店名が決まった事、新たに始めるコースの内容など、嬉々として喋っている。
そうして、病気のせいで強力な睡眠薬を飲まないと寝れない父は段々と
トカゲ人間と呪術、またはその狂想詩
偶然、久しぶりにとある友人に出会った。
性懲りも無く、馴染みの喫茶店で。
少し疲れた表情で気怠げにドアを開け、水を飲み干した彼女は言う。
「ねえ、レプティリアンって知ってる?」
僕は豆鉄砲を食らった事も無ければ、鳩でも無い。
だがそう形容してもらっても構わない位に、脳内のクエスチョン•マークの数は多かったであろう。そんな顔をしていたはずだ。
話を聞けば、彼女に好意を寄せている男性と今日は遊
どん底と絶望、或いはタンガフリーク
さあ、どうしようか。一旦笑うしかないな。
現在の私のお財布事情からお話しよう。
まず次回の給料から研修給が終わる。蓋を開けてみれば研修中は時給1000円であった。
家賃は65000円
携帯の分割や通信費が10000円
借金の返済 30000円
水道光熱費 25000円
交通費 10000円
食費 頂き物のカップ麺を一日一個
その他支払い 20000円程
計16万円程
今の手持ち:2857円
Once upon a time in 【××××】
時計は深夜1時44分、かつて一緒に暮らしていた元恋人から一本の電話がかかってきた。
知人から勧められた、全裸でお見合いする外国のバラエティショーをエロ動画サイトで見ようとしたらウイルス詐欺のポップアップが出てきて、普段それを見ない彼女は驚いて僕に電話をしたそうだ。
「ダメだよ、人間らしい生活をしなきゃ」
僕は途中まで見ていたタランティーノ映画を止め、彼女と話していた。
そう言われるのも無理