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「みどりいせき」を読んで
〇〇賞受賞作だから読むということは普段しないが、たまたまXで目にした著者の三島由紀夫賞受賞スピーチが魅力的だったので読んでみたくなった。
読み始めたらもう著者のことは忘れて作品の世界にのめり込んだ。
ジャンルでいえば青春小説になる。
私は青春小説が大好物なのだ。
古くはサリンジャーの『ライ麦畑でつかまえて』、ジャンディ・ネルソンの『君に太陽を』も大好きな小説だ。
青春小説といえば、周りとうまく
「荒野のおおかみ」を読んで
ヘルマン・ヘッセ
「荒野のおおかみ」
(Der Steppenwolf) 1927
狼好きなので、タイトルに惹かれて読んでみた。
動物の狼ではなく、「荒野のおおかみ」を自称するヘッセ自身を投影した五十歳男性の物語だった。
巻末訳者(高橋健二)解説によれば《小説としての構想もととのっていない》《当初は読者を失望させ、嘆かせた》《いろいろな点で波乱を巻き起こした問題の多い作品》ということで、かなり
「人間にとって科学とは何か」を読んで
湯川秀樹/梅棹忠夫「人間にとって科学とはなにか」を読んだ。
知の巨塔みたいな二人の対談は、意外にも「ようわからん」と言い合っているフワフワとしたものだった。1967年の対談なので古いといえば古い。しかしその中でも、未来を予見していたり、真理を探究していく道筋に驚きを感じる部分も多かった。
という問いから始まる。
今現在の私達にとって科学は、生まれた時から身近にあって、それがなんであるかなど考えた
落合陽一「日本再興戦略」を読んで
デジタル化した社会について、
このあたりを読んでいて連想したことは、ゲームのことです。
綾野つづみさんの記事に、ゲームでの経験が実際の経験に感じられることについて書かれていました。
私はゲーマーではありませんが、昔どうぶつの森にハマっていた頃は、そこらへんで見かけるパンジーやら雑草やら蝶にゲーム内と同じ感覚を抱いていたことがあり、それは他のプレイヤーも同様のことを言っていました。
私たちの脳は
【ガルシア=マルケス】いやぁ、文学って本当にいいもんですね
G・ガルシア=マルケス「出会いはいつも八月」読了。
晩年、認知症で書けなくなった著者の、最終的にOKにはならなかった「未完」とされる遺作。
ひとくちで言ってしまえば人妻不倫ものだろうが、ひとくちで言うのが目的で小説を読むわけではないのだ勿論。
例えばこんな文章が私は好きだ。
話としてはラストまでいっているものの、後半部分はまだ完成形ではないので、やはり完成作品というよりは小説の成り立ち方の研
「ライティングの哲学」を読んで
この本は山門文治さんのこちらの記事で知りました。
記事で一番目に紹介されているのと、表紙があらゐけいいちなのが決め手で購入しました。
私は文筆で身を立てている訳じゃなし、noteも本能の赴くまま書き散らかしているだけで、書けなくて困るということもありません。
だからこの本のメインテーマ部分は私にとってほぼ関係のないことです。
それなのに何故この本に引かれたのでしょうか。
この本の中で「書くこと
「宇宙思考」を読んで
Uniさんの読書記録で紹介されていた「宇宙思考」が面白そうだったので読んでみました。
量子
宇宙に漠然と興味はあるものの知識は小学生レベル(自分の)なので、天文物理学者である著者の説明文は難しかったです。
例えば、
という文章なら読めばどういうことかすんなり理解できますが、
という文章を読んでもすぐには飲みこめません。
これは、例えば画面にオシログラフ的な波形があってタッチペンで波形上の
言語技術って知ってますか?
「大学生・社会人のための言語技術トレーニング」という本を読みました。
Twitterで、論文を書く大学生にお勧めされてた本ですが、面白そうな匂いがしたので。
私は自分でも会話の受け答えが下手だなと思うことがよくあります。特に緊張する相手だと、質問が来るとそれが頭の中で半回転してしまい、口から出るのは明後日な方から来た言葉。
そいういう癖を治すヒントがあるかなと思って読みました。
驚いたことに、言
落合陽一「現代の魔法使い」
「これからの世界をつくる仲間たちへ」
落合陽一
2016年4月初版発行
約8年前の本である。
落合氏の本は書かれてから数年後に読むくらいが一般人には丁度良いかもしれない。そんなことを思っていたら、noteに同じことを言っている人がいた。
この本は、これから未来を作る若者に向けて書かれたものだ。コンピュータが浸透した世界で「魔法をかける人」になるか「魔法をかけられる人」のままになるか。
当然「魔