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落合陽一「現代の魔法使い」
「これからの世界をつくる仲間たちへ」
落合陽一
2016年4月初版発行
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約8年前の本である。
落合氏の本は書かれてから数年後に読むくらいが一般人には丁度良いかもしれない。そんなことを思っていたら、noteに同じことを言っている人がいた。
この本は、これから未来を作る若者に向けて書かれたものだ。コンピュータが浸透した世界で「魔法をかける人」になるか「魔法をかけられる人」のままになるか。
当然「魔法をかける人」になれと、そのためにはどうすればいいか?という話である。
コンピュータになくて人間にあるのは、「モチベーション」です。
何かに対する強いモチベーションのない人間は、コンピュータに「使われる」側にしか立てません。
今の小中学生が将来「コンピュータに駆逐されない自立的な仕事」をできるようになるには、何でも水準以上にこなせるジェネラリストではなく、専門性を持つスペシャリストになることが必要です。
誰も気づかなかった問題がそこにあることを発見するところから始まります。
新しい問題を発見して解決するのは、「勉強」ではなく「研究」です。
今の若い人が、生まれたときからパソコンもインターネットもスマホもある「デジタル・ネイティブ」であることは、「昔は何ができなかったのか」を理解しにくくしていて、それがわからないと先のことも想像できない、という。
確かに、今こうして8年前どうだったかを読むことで、完全に「魔法をかけられる人」側の私にも生成AI前夜がどうだったから今こうなってその先は、と見えてくるものがある。
「デジタル・ネイティヴ」という言葉に対して落合氏は「デジタル・ネイチャー」という言葉を使う。
デジタル・ネイチャーは、概念としては私にはつかみどころがないが、風景として夢想するのはアトランティスのような感じだろうか?と思ったりする。
すべて科学でできている魔法世界だ。
思考体力や言語能力(ロジックの正しさ)の大切さについても説いている。
私も以前「言語技術」についての本を読んだとき、これは義務教育でやるべきと思った。(日本以外はやってる)
あと、この本の中にこんな予言があった。
グーグルやフェイスブックのようなネット上のサービスも同じこと。どれも人間が作っているので、その人の意思決定によっては、急におかしな仕様変更が実施されることもあるでしょう。人間が回しているからこそ、そういうことが起こるのです。
余談だが、落合氏が誕生した1987年、私はデザイン学校に通っていた。CGのクラスをとってみたのだが、教室に入ると壁にポスターカラーで手描きしたCGっぽいイラストが飾られていた。そうじゃない……と今なら突っ込める。CGっぽいイラストを描くのがCGではない。
(ちなみにまだMacもなくCGはBASICのプログラムを組んで描いた。正円を描くのは簡単だが楕円を描くには三角関数が必要で私には無理だった。課題は直線だけで描ける折り鶴をモチーフにした。)
これからの未来は、コンピュータがホワイトカラーを駆逐し、ギフテッドの最強チームが世界を魔法にかけていくのかもしれない。(すでにかかっている)
色々な固定観念が外れていくタイミングで、魔法を享受する側も能動的なモチベーションを保ちつつしあわせな生き方を希求していきたいものだ。
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