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【ガルシア=マルケス】いやぁ、文学って本当にいいもんですね
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G・ガルシア=マルケス「出会いはいつも八月」読了。
晩年、認知症で書けなくなった著者の、最終的にOKにはならなかった「未完」とされる遺作。
アナ・マグダレーナ・バッハ、四十六歳。
飽きることなく求めあう指揮者の夫との間に、子どもが二人。
満ち足りた暮らしにもかかわらず、アナは毎年八月の母親の命日に訪れるカリブ海の島で、一夜限りの男を探さずにはいられない。
ひとくちで言ってしまえば人妻不倫ものだろうが、ひとくちで言うのが目的で小説を読むわけではないのだ勿論。
例えばこんな文章が私は好きだ。
二杯めになると彼女はブランデーが心の中のどこかでジンとぶつかっているのを感じ、酔わないように意識を集中しなければならなかった。
人生で一度も、夢の中ですら思いついたことのない一歩を踏み出せる強さを自分の中に感じ、その一歩を謎めかせることなく踏み出した
話としてはラストまでいっているものの、後半部分はまだ完成形ではないので、やはり完成作品というよりは小説の成り立ち方の研究として読める(と訳者あとがきにもある)。
実際のところ4人の男性との接近遭遇が語られているが、3人目4人目の語られ方の密度は低い。
それでもガルシア=マルケスの詩情は堪能できる。
ガルシア=マルケスで今までに読んだのは「コレラの時代の愛」1冊のみで、面白かったのだが1冊でお腹いっぱいという感じだった。
「百年の孤独」の文庫化が話題となっている今年、他の著作も読んでみようかなという気になっている。
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