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「芥川賞&直木賞」に感じた不思議な縁

決まりましたね。

先月書いた↓の中で、小川哲さんの「地図と拳」が受賞すると予想しました。その前に読んだ「君のクイズ」が素晴らしかったので、この人ならという確信があったのです。

当たったのは素直に嬉しい。でもそれ以上に選ばれてくれて良かったと思いました。ぜひこれを機に多くの人に手に取ってほしい。もちろん私も買います。職場の入荷数が少ないので遠慮していましたが、きっと近日中にドカンと入ってくるはず。

同じく直木賞を「しろがねの葉」で受賞した千早茜さん。彼女のデビューは2008年の小説すばる新人賞。矢野隆さんとのダブル受賞でした。なぜ覚えているかというと、、、

実は同じ賞に私も応募していたのです。初めて最後まで書き上げた長編小説で。残念ながら三次選考で脱落しました(ちなみに翌年は二次選考で敗退。そのときの受賞者のひとりが「何者」や「正欲」で知られる朝井リョウさんです)。

自分に勝って甲子園に出たチームの選手がプロになり、さらにメジャーへ。それに近いかもしれない昂揚感にいま包まれています。

一方、芥川賞は井戸川射子さんの「この世の喜びよ」と、先日↓で紹介させていただいた現役書店員作家・佐藤厚志さんの「荒地の家族」が受賞しました。

強引で自分勝手な解釈かもしれない。でも言語化し難い部分で不思議な縁を感じる人たちが選ばれたことで、今回の芥川賞&直木賞はいつも以上に深く心へ刻み込まれました。100%他人事なのにどこかしら我が事というか。長年本を読み、小説を書き、なおかつ書店で働いているからこそ得られた何か。

本の神様がくれたちょっとしたプレゼント、ということにしておきましょうか。

いつか私の「ハードボイルド書店員日記」が書籍化し、本屋で偶然目にしたフォロワーさんが「あ、この人知ってる」となる日が来るのを楽しみにしています。

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