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推し、燃ゆ|宇佐見りん あらすじと感想「大学生とは思えない表現力に富んだ作品」

こんにちは!
読書大好き社会人2年目のYasuです。
普段は就活や総合商社業界のニュースについて記事を書いています。

最近、宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』を読みましたので、あらすじと感想を書こうと思います。

芥川賞に選ばれてから、書店やAmazonでなかなか入荷がなく、ようやく先週手に入りました。
レビューが出来てとても嬉しく思います!

前提として話しておきますと、私は大の「芥川賞ファン」です。
芥川賞受賞作だけで10作品以上読んできました。

芥川賞=難しいというイメージもあるかと思いますが、難しくない文体の作品も実は多いです。
今回の『推し、燃ゆ』も然りです。

個人的な芥川賞おすすめランキングは以下にまとまっているので、興味のある方はぜひ読んでみて下さい。

では早速レビューに入っていきます。
ネタバレはしませんので、これから読む方もご安心を!

筆者ってどんな人?
2019年卒で、総合商社にて勤務しております。
出身大学はMARCHレベル。
就活時は幅広く業界を見ており、40社にエントリー。面接も70回以上受け、結果的に外資金融、外資コンサル、大手食品メーカー、広告代理店を含む6社から内定をいただきました。
noteでは、就活のコツや総合商社業界に関する記事を中心に書いています。
profile:https://note.com/bookbility/n/nfd1539ae83ba

『推し、燃ゆ』の著者、宇佐見りんさんとは?

まずは『推し、燃ゆ』の著者の宇佐見りんさんについて紹介したいと思います。

宇佐見さんは、現在大学2年生の21歳です。

2019年、初著書の『かか』で、第33回三島由紀夫生を史上最年少にて受賞。そして今回、2作品目の『推し燃ゆ』で今回芥川賞受賞となりました。

「蹴りたい背中」で19歳にて受賞した綿矢りささん、「蛇にピアス」で20歳の時に受賞した金原ひとみさんに次いで3番目に若い受賞者となりました。

逆にこんなに多くの10代、20代の女性作家さんが芥川賞に選ばれていることに驚きです。
若き才能は恐ろしいですね!

受賞が決まった翌日の1月21日には本屋大賞にノミネートされ、注文が殺到したようです。


知らない方のために補足すると、芥川賞が「純文学を代表する作品」だとすると、本屋大賞は「一般の人が選ぶ面白い本」という位置づけでしょうか。
比較的読みやすく、理解しやすい本が多い印象です。

1月29日時点で既に20万部を達成し、勢いが衰えない作品ですね。

本作はアイドルを推す女子高生を描いていますが、宇佐見さん自身も舞台に足を運ぶ「推し」がいらっしゃるようです。

あらすじ

ネタバレは避けたいので、さらっとあらすじを書いてみます。

主人公は16歳の高校生、あかり。
あかりには以前から「推し」がいる。
アイドルグループの青担当、上野真幸
あかりは推しのプロフィールから、好きな食べ物まで事細かにノートにメモし、CDは観賞用、保存用、貸出用の3セット買う。
「推し」は自分の背骨のようなもの。
彼女の目的は「推し」を解釈し、彼の視点で世界を見ていくことだった。

ある日、推しがファンを殴ったとの噂からSNSで炎上してしまう。

推しのために情熱を注ぎ続けた女子高生の日々と苦悩を描写した作品。

感想

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この物語は女子高校生が「推し」のために人生を捧げる物語。
みなさんには「推し」いますでしょうか?

私が中学生の頃はAKBが流行っており、ドハマりしている友達は握手券を求めて10枚くらいCDを買っていましたが、私自身は生まれてから一度も
「推し」がいたことはなかったです。

そのため、本作に100%共感というよりは
「こんな世界もあるのか」
「こんな方もいらっしゃるのか」

という視点で読みました。

自分の知らない世界に連れていってくれるのが、小説の魅力の一つだと思っているので、私は共感できなくても楽しめるタイプです。

物語の主人公「あかり」を見ていて思いましたが、推しを持つことで、毎日楽しく過ごせそうですね。
一方でモチベーションにするのは良いですが、同時に誰かに依存してしまうことは危険かもしれません。

世間には、友達とか恋人とか知り合いとか家族とか関係性がたくさんあって、それらは互いに作用しながら日々微細に動いていく。
常に平等で相互的な関係を目指している人たちは、そのバランスが崩れた一方的な関係性を不健康だと思う。

★本からの抜粋ですが、この表現が沁みました。
世間は無意識に平等な関係性を求めていますし、それが正常とされているかと思います。
関係性が一方的になってしまうと、「不健康」とみなされがちですよね

でも、お互いがその関係性に満足しているのであれば、「健康」と言えるのではないかと、人間関係について深く考えさせられました。

★宇佐見さんのボキャブラリー力、表現力の高さにも感動しました。
「…のように」の例え表現や情景描写の細かさが素晴らしく、やはり受賞者の貫禄があります。
年齢で判断するのはタブーだと理解したうえで言いますが、
大学生がこの小説を書いたのかと思うと、凄まじいですね。

まとめ

今回は宇佐見りんさんの『推し燃ゆ』を紹介させていただきました。
これぞ芥川賞と言える、面白い設定と圧倒的な描写力が魅力的でした。
「推し」がいる方は私よりも刺さるかもしれませんね!

今後もゆったりとしたペースで本紹介やっていきますので、宜しくお願いします。

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