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ノベル 野獣魂 【有料エリア】

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世界55ヶ国を旅して来たBEAST SOULと言うミュージシャンです。身体に障害があり、初めの3年は車椅子で色んな国を旅していました。 事故を負ってから海外の体験や海外でのミュ…
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記事一覧

15. 退院

15. 退院

自分専用の車椅子がやってきた。全てカーボンファイバーで組まれた固定式で自分の身体に合わせた、ブルーの軽い車椅子。

これから障害者として乗らなければならないのに、ネガティヴな考えがまるでない。

何?この気持ちの変わりよう。

車椅子バスケが自分に力や目的をくれている。

寧ろワクワクが止まらない。

14.気持ちの変化

14.気持ちの変化

沢山の車椅子バスケプレイヤーと会った。

皆んな輝いて見えた。

皆んな何らかの障害があるプレイヤーだった。

これが人生の分岐点なのかな。

あの死のうとした頃を考えると気持ちの変化はデカい。

13.車椅子バスケ

事故後、初めての外出だった。しかも泊まりでの外出許可。

約半年に近いと思う。

亀川は別府市からそんなに遠くない。そして別府市は温泉の街で大分県の観光地だ。

だから観光も兼ねて別府市でホテルを取った。

タクシーが大きな体育館の前に着いた。

病院の車椅子だが、心の足取りは少し軽い。

12.一筋の光

12.一筋の光

今日は作業療法士と約束していた車椅子業者との約束の日だ。

リハビリ前に少し早めに会う約束をしていた。

作業療法士も手慣れた物でしょっちゅうあるのだろうと思えた。

まあ、自分が手出しする事ないし、色々どーでも良かった。

11.生き苦しい日々

11.生き苦しい日々

前回の一件で看護師グループからの監視がつけられているのが分かった。

それは仕方ない。生き抜くための入院で、病以外で死人を出したらその病院は何はなくとも責められるだろう。

自分その時そこまでは考えていなかった。

10.安楽な方法

10.安楽な方法

死と言う言葉派マイナスな出来事に使われやすい言葉だ。

人間は基本的に死に方を選べない。

だが実際は死んだ後の事より、死ぬ間際の事を考える。

安楽な方法を考える。

自分にはもう失い物が無いとこの時考えた。

こんなに不自由になり、失った物が大きいなら、死んだ方がマシだと考えてた。

9.残された命

半年前に離婚して家族や子供達を失った。

そして、今、身体の機能を失った事が確定した。

自分は元々空手や柔道を長年やっていたアスリート。

それも、やれなくなった。行きたいところへ簡単に行けなくなった。

8.絶望の宣告

8.絶望の宣告

月曜日の朝。病院は慌ただしく人でごった返しているようだ。

何故かナースセンターも慌ただしい。自分のように日曜日に入ってきた人間の申し送りをしているようだった。

7.離婚のダメージ

7.離婚のダメージ

自分はこの事故の半年前に離婚をした。

子供は3人居るが、子供の幸せを考えたら元嫁と一緒にいた方が幸せと判断して争わずに無条件で親権を渡した。

相手がいる事だし、自分だけの理由を書く気はない。

6.不安の序曲

今まで一緒に話をしてきた内容かも知れない。

病院を二つも渡り歩いた事は話した事がなかった。

自分の中でも担当医や作業療法士、理学療法士の顔や名前すら思い出せない病院だ。

5.突然の転院

5.突然の転院

2010年3月

入院して3ヶ月目に入ろうとしていた。

日曜日以外は毎日検査や撮影そして理学療法と作業療法のリハビリだった。

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