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社会科学

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2021年8月の記事一覧

『孤立の社会学 : 無縁社会の処方箋』石田光規著。2011

地域活動に関する参加の部分に注目しました。

はじめに

第I部 日本社会の人間関係

第一章 「無縁社会」が見せたもの、見せなかったもの
 1 流行現象としての「無縁社会」
 2 「無縁社会」の背後に潜む二つの言説
 3 「無縁社会」の諸問題

第二章 日本社会における中間集団の変容
 1 人間関係にまつわる二つの言説
 2 「解放」される人間関係と「剥奪」される人間関係

3 日本社会の人間関

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『現代地域福祉の課題と展望』岡崎祐司, 河合克義, 藤松素子編。2002

前半の地域分析が目新しかったか。あと、歴史を抑えてあるのも有難い。

◆第1章 地域政策の動向と住民生活

・はじめに

バブル崩壊後、延々と続く平成不況の出口が依然見出せないまま、日本社会は21世紀を迎えることとなった。この経済的混迷の中で開始された介護保険制度は、社会福祉基礎構造改革の幕開けとしての位置づけとともに、1970年代以降の福祉国家政策からの撤退、すなわち社会福祉制度「改革」の総決算

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『利他性の人間学 : 実験社会心理学からの回答』C.ダニエル・バトソン著。2012

ゴミ本。

利他性の人間学─目次

はじめに i
証拠をどこに求めるか ii
実験を用いる iii
読 者 v
謝 辞 vi

第I部 利他的動機づけの一理論
1 共感─利他性仮説
共感的配慮
利他的動機づけ
共感的配慮が利他的動機づけを作り出す
共感的配慮が利他的動機づけを作り出すのはなぜか
先行要因と結果

2 共感的配慮の先行要因
援助を必要としている者として他者を知覚すること
他者の福利を

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『人間行動に潜むジレンマ : 自分勝手はやめられない?』大浦宏邦著。2007

これまた知ってる話…

目次
序章 自分勝手とはなにか(世の中、自分勝手が多すぎる/本当に多すぎる?/自分勝手の過大評価/自分勝手への関心/自分勝手とはなにか/行動の四類型)

第1章 二種類の自分勝手の発見――囚人のジレンマとゲーム理論

一 どの戦略が最善か?(囚人のジレンマ/ゲーム理論/ゲームの三要素/ナッシュ均衡/強いナッシュ均衡/囚人のジレンマとパレート効率)

二 二つの自分勝手(自分

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『利他行動を支えるしくみ : 「情けは人のためならず」はいかにして成り立つか』真島理恵著。2010

これも大体知ってる話ばかりだった…

まえがき

序 章 利他行動の成立基盤

 第1節 本研究の概要

 第2節 心理学における利他行動研究とその限界

  2-1 心理学における利他行動研究
  2-2 心理学における利他行動研究の限界

 第3節 利他行動に対する適応論的アプローチ

  3-1 利他行動の適応論的基盤
  3-2 「後ろ向きの合理性」に基づく適応論的アプローチ
  3-3 

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『利他学』小田亮著。2011

全部知ってる話だった(笑)

目次
まえがき
第一章 なぜ人間はかくも利他的なのか
四つの「なぜ」/「しくみ」と「機能」の関係/自然淘汰と適応/複雑な器官は進化によってできるのか?/心や行動も進化する/進化的適応環境/なぜ自分に損な行動をするのか?/血縁個体への利他行動/血縁度とハミルトンの法則/赤の他人への利他行動/情けは人の為ならず/マルチレベル淘汰
第二章 何が利他行動を起こさせるのか
利他

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『住民と創る地域包括ケアシステム : 名張式自治とケアをつなぐ総合相談の展開』永田祐著。2013年

名張市の紹介。

序 章 ローカルな実践知の可能性
 1 本書が伝えたいこと
 2 ローカルな実践知の意味
 3 ローカルな実践知から新しいイノベーションを
 4 本書の目的、構成と方法
 5 本書の方法の特徴

◆第1章 地域包括ケアと総合相談の理論

●1 地域包括ケアとは何か

●2 「地域の力」と「専門職の力」

●3 総合相談の内容と圏域

・(1)総合相談の内容

総合相談は、制度上、

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『地域ケアシステムとその変革主体 : 市民・当事者と地域ケア』太田貞司編集代表 ; 朝倉美江, 太田貞司編著。2010

なんか、最初から宗教臭い…とにかく事例の羅列。目次のみ。

◆序 章 地域ケアシステムづくりへの挑戦
◆第Ⅰ部 「市民・当事者発」地域ケアへの挑戦
●第1章 「市民力」でつくる地域ケアシステム

・第1節 杉並・老後をよくする会から社会福祉法人サンフレンズ設立まで

・第2節 杉並・老後を良くする会の「小規模多目的施設づくり」運動

 1⃣ 地域の高齢者の実態調査から始まった配食サービス

 2⃣

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『ヨーガと浄土』立川武蔵著

なんかやたらとウェーバーの議論を持ってきて比較するので面白いのかと思ったが、全くそんなことがない。それは当たり前で、ウェーバーは宗教の詳細に立ち入っても、それが「普通の人」や「社会」にどういう影響を与えたかを考えているのに対し、この本は結局はヨーガという宗教の中身の検討に終始している。そりゃ、話が合う訳はない。

目次
第1章 宗教的倫理における否定
第2章 空思想が否定するもの
第3章 ヨーガの

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『地域福祉論』川島ゆり子 [ほか] 著。2017

第17章 社会的企業の部分だけ。

◆目次

はじめに

序 章 地域福祉援助とは何か
 1 地域福祉の方法
 2 地域福祉援助の技術と専門職

 第Ⅰ部 地域福祉の概念

第1章 地域社会の現状と地域福祉
 1 個人化する社会
 2 住民と地域福祉の関係

第2章 地域福祉とは何か
 1 地域福祉の「内容」
 2 地域福祉の法的な位置づけ
 3 最後にあらためて「地域福祉とは何か」

第3章 地

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「「性的鑑賞物になりたくないならビキニを着るな」にモヤる理由」にモヤる理由

まあ、所詮は小島慶子ごときの文章なので、内容がぐちゃぐちゃなのはしょうがない。1つ1つ整理して考えていきましょう

◆性的鑑賞物になりたくないならビキニを着るな

「女性の体は性的な鑑賞物ではない」「何を着るかは本人の自由」そう言うと必ず「でも、性的な魅力をアピールしているではないか」「見られたくないなら目立つ服装をするな」という反論が飛んできます。さて、あなたはどうですか。海やプールで何を着るか

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『続・心理統計学の基礎』南風原朝和 著。2014

ベイズ統計の所を詳細に分析しているのが特徴かも。

◆目次

第1章 本書の構成と学習の進め方
第2章 分布間の関係と非心分布への拡張─検定力と信頼区間のために
第3章 効果量(1)─2変数データの分析において
第4章 効果量(2)─多変数データの分析において
第5章 対比分析
第6章 マルチレベル分析
第7章 メタ分析
第8章 ベイズ推測

『ヨーガの哲学』立川武蔵著

◆第一章 ある聖者の入定
◆第二章 ヨーガ哲学の本質

●ヨーガの世界観

・根本物質としての原質

さって、世界の実質的形成はもう1つの原理である原質によって行われる。サーンキャ哲学によれば、「原質」とよばれる根本物質が自らを変形、変質された結果が、この現象世界なのである。

・ヨーガ行者の世界

この「宇宙」は、天と地があり、陸や海に生物があり、人間もその一部であるというかたちで考えられた世界

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なぜ大学教育「だけ」が問題になるのか?

最近読んだ『専門知は、もういらないのか : 無知礼賛と民主主義』トム・ニコルズ著の第3章がかなりそのまま日本の大学にも当てはまることを見て、日本だけの問題ではないのだなと思いました。まあ、後で話しますが日米は共有している部分が大きいので、当然と言えば当然なのですが。

ベースとしては「「義務教育」をなんとかしましょう」という記事の反対側という感じになります。

タイトルの問題ですが、近年やたらと大

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