坂東太郎

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『「みんなの意見」は案外正しい』ジェームズ・スロウィッキー著、角川文庫、2009

著者がジャーナリストということもあって、内容が取っ散らかっている印象…それをまとめ上げるのが腕の見せ所…まあ、そんな腕があれば、の話ですが… 0. はじめに0-1. フランシス・ゴールトンのプリマス食肉用家畜家禽見本市分析 専門家以外の人が結構入っていても、全体の平均値が実際の雄牛の重さに収束する現象 ダーウィンの従兄弟。 0-2. 集団の知恵(集合知)と、それでも「専門家を追いかける」傾向 「専門家を追いかける」 0-3. 集団の狂気を信じる人々 0-4. 認

    • 『「みんなの意見」は案外正しい』ジェームズ・スロウィッキー著、2009

      0. はじめに0-1. フランシス・ゴールトンのプリマス食肉用家畜家禽見本市分析 時は一九〇六年秋。イギリス人科学者フランシス・ゴールトンは、プリマスの町にある自宅を出て、近所で開かれている市に向かった。そのときゴールトンはすでに八五歳。自分の老いをイヤでも意識し始める年頃だが、それでも彼に名声と悪名の両方をもたらした好奇心はあふれんばかりだった。彼の名を世に知らしめたのは数々の統計データと遺伝に関する研究、優生学の研究である。 その日彼が向かった先は毎年恒例のイングラ

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      • 『母の力』徳田虎雄著、1992

        まとめ特にこんな詳細な話を、自分か誰かに母や祖母に聞き取り調査させたのだろうか? 第1章 母から母へのバトン (1)祖父の死 豆腐をつくって売る いやもう、完全に今のアフリカの世界じゃないですか… (2)学校を一年休んで働く 一日中紬織り とにかく、「勤勉革命」という言葉が浮かんできた。 完全に「おしん」の世界ですね。おしん、見たことないけど…(笑)

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        • 『徳田虎雄 病院王外伝 国内最大病院を巡る闘いの舞台裏』大平誠著、2018

          感想5章のコンゴのミランガや、オスマン・サンコンの話、6章の体操競技への貢献が目新しいところ。 はじめに名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実一つ 故郷の岸を 離れて 汝はそも 波に幾月 明治の文豪、島崎藤村が親友の柳田國男から聞いた体験談をもとに書いたとされる詩にメロディーをつけ、1936年に発表された歌曲『椰子の実』の歌い出しを聞くと、誰もが郷愁にとらわれる。都会で心をすり減らして暮らす地方出身者ならなおのこと、椰子の実を間近に見て育った南国の離島出身者であれば

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        『「みんなの意見」は案外正しい』ジェームズ・スロウィッキー著、角川文庫、2009

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        • 政治哲学
          4本
        • 社会科学
          110本
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          7本

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          『カイロ大学:"闘争と平和"の混沌』浅川芳裕著、ベスト新書、2017

          感想全体 著者の観点からは重要ではないのかもしれないが、エジプトのキリスト教徒(コプト)の話は少し出てくるが、シーア派の話は全然出てこないのが不思議。 1章 小池百合子の嘘くさい存在が、カイロ・エジプトというレンズを通してみると、それはそれでありかな、と思わせてくれる話(笑) 逆に言うと、そんな日本とは真逆の外国風味をダイレクトに日本人の顔をして持ち込まれると困ります…(笑) 7章 なるほど はじめに世界最強の大学 カイロ大学は世界史を揺るがす大物を多数、生

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          『カイロ大学:"闘争と平和"の混沌』浅川芳裕著、ベスト新書、2017

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          『徳洲会はいかにして日本最大の医療法人となったのか:創設者徳田虎雄に迫る』石井一二著、アチーブメント出版、2009

          感想所詮は関係者のヨイショ本だという印象はぬぐえない…内部情報が多少あるのが唯一の存在意義という本。 山岡(2017)ではほとんど書かれていなかったこと多くの事は上記の本と重なることが多かった。それは、上記の本が優れているとか、この本が劣っているということではなく、徳洲会とか徳田虎雄の話としては定番のモノが多いという事だと思う。以下は、上記の本に記述が無かった、あるいは少なかった部分を抜粋している 第3章 徳田虎雄、その生きざまとその人となり ・【事例2】日本体操協会

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          『徳洲会はいかにして日本最大の医療法人となったのか:創設者徳田虎雄に迫る』石井一二著、アチーブメント出版、2009

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          『誰も書けなかった東京都政の真実』鈴木哲夫著、2017

          感想全体 はじめに 第1章 劇場化した東京都知事選の全真相 松添がクビになった背景や、自公与党、野党民進の動きなど。 ・小池百合子氏が出馬について相談した意外な相手(pp. 52-54) これは下村なのだが、このあたりも森の覚えがめでたくなくなったことに繋がったのかもしれない。 第2章 都庁官僚と都議会のカラクリ 石原時代、小池時代の説明も。 小池時代は、都議、都職員と対決姿勢だったことが分かる。 ・「本当の闘い」はこれから始まる よく「伏魔殿」という言

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          『誰も書けなかった東京都政の真実』鈴木哲夫著、2017

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          『神になりたかった男 徳田虎雄:医療革命の軌跡を追う』山岡淳一郎著、平凡社、2017

          感想話は徳田虎雄が最初の病院を作った1970年代前半から、徳洲会事件を経て徳田一族が徳洲会の経営から去り、大体の事件のあらましが明らかになった2010年代半ばまでと、40年以上にも及ぶ。 ただ、話の本筋である徳洲会の拡大自体は、様々な産業が日本の高度経済成長期に起こした話とよく似ている。 しかし、徳田虎雄が政治にそこそこ関与していたこと、奄美大島などの独特の選挙、その背景にある暴力団込みの興味深い社会・風習、バブル期とその崩壊時の日本と外国の金融機関など、周りの話はえげ

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          『神になりたかった男 徳田虎雄:医療革命の軌跡を追う』山岡淳一郎著、平凡社、2017

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          『征服と文化の世界史:民族と文化変容(下)』トマス・ソーウェル著、2004

          感想第5章 新大陸のインディアン 単純に良く知られていない事実。 5-1. 地理的条件 これは、ジャレド・ダイアモンド『銃・病原菌・鉄』で有名な命題。この2つはほぼ同時期に出版されている。 第6章 総括 6-1. 富の創出における差異 なるほど、著者の出発点・起点がマルクス主義だとするなら、搾取理論云々を議論するのも当然だし、その代替案として人的資本とか自然環境をもってくるのも当然の議論の流れか。現代的な関心だと、マルクス主義の誤りが明らかなので、流れが分かり

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          『征服と文化の世界史:民族と文化変容(下)』トマス・ソーウェル著、2004

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          『征服と文化の世界史:民族と文化変容(中)』トマス・ソーウェル著、2004

          感想4章 スラブ人 4-4. ロシア帝国 外国人 現在、日本は中国の経済成長を手助けしたことを悔やむ時期に来ているが、同じことをアメリカが経験していたことは知らなかった…人間は本当に歴史に学ばないものである… 別の見方をすれば、上で挙げられているような、技術が確立されており、所謂「装置産業」というものは、社会主義・共産主義国でも比較的導入が容易であることも伺える。これまた、70年代以降の改革・開放時代の中国における日本企業との類似性を思い起こさせる。 ウクライナ

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          『征服と文化の世界史:民族と文化変容(中)』トマス・ソーウェル著、2004

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          『征服と文化の世界史:民族と文化変容(上)』トマス・ソーウェル著、2004

          感想2章は大体知っている話。多少、イギリス国内のウェールズとスコットランドの違いとかが興味深いぐらい。 序文本書は一九九四年のRace and Culture、続く一九九六年のMigrations and Culturesの三部作の完結編である。この三部作はすべて、一九八二年から書き始めた本来一つの膨大な原稿であった。九〇年代に入り、最初はそうしようと思ったものの、1冊の本とするにはあまりに大きくなりすぎた。オリジ ナル原稿の一部は、数年にわたって削除されることになった。

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          『征服と文化の世界史:民族と文化変容(上)』トマス・ソーウェル著、2004

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          『X集客の教科書:500フォロワーで稼げる人10万フォロワーで稼げない人』門口拓也著、KADOKAWA、2023

          感想合計の文字数は7万余り。非常に丁寧な説明。 プロローグXなら、どんな人でも稼げる 本書を手に取っている方は、こんなことを考えたことがあるかもしれません。 しかし実際には、Xで稼ぐ方法は再現性が高く、どんな人でも少ないフォロワーで、お小遣い程度から本業以上までのお金を稼ぐことが可能です。 X集客には、成功者しか知らない「勝ちパターン」があります。 そして自己流で失敗する人には、共通の「負けパターン」があります。 私はSNSマーケティングを教える会社を経営し、自ら

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          『X集客の教科書:500フォロワーで稼げる人10万フォロワーで稼げない人』門口拓也著、KADOKAWA、2023

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          『政治はどこまで社会保障を変えられるのか:政権交代でわかった政策決定の舞台裏』山井和則著、ミネルヴァ書房,、2014

          感想全体・まとめ 構成がちゃんとしていないので、「資料」とかの番号指定のミスが目立つ。 この本は山井和則という人間・政治家を知る上で非常に参考になったし、一般論としても勉強になった。 下の部分でも書いたが、彼は独善性が強いと思う。また、彼が正しいことを主張し、それを実行しようとしているとしても、その経過(プロセス)においては周りの人を巻き込み、説得し、受け入れてもらう(あるいは、敢えて反対はしない、程度になってもらう)必要が政治にはあるのだが、その部分が弱いという感想

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          『政治はどこまで社会保障を変えられるのか:政権交代でわかった政策決定の舞台裏』山井和則著、ミネルヴァ書房,、2014

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          『超巨大旅客機エアバス380』杉浦一機著、平凡社新書、2008

          はじめに国際長距離便の機内に乗り込むと、乗客は思い思いに長旅に備えた用意を始める。客室乗務員に毛布や枕を頼んだり、スーツの上着を脱いでラフなカーディガンを羽織ったり、ローションを塗るなどさまざまだ。 離陸して三〇分も経つと、機内サービスが始まる。料理が温まるまでのつなぎを兼ねて食前酒がふるまわれ、乗客はツマミを片手に好きなワインやビールを味わう。心地よい酔いが身体を包み始めるころに機内食が配膳されて、工夫を凝らした料理を楽しむことになる。近年では機内食にも趣向が凝らされて

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          『超巨大旅客機エアバス380』杉浦一機著、平凡社新書、2008

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          "Iron and steel in the Industrial Revolutionby" Thomas Southcliffe Ashton, MA, Lower Volume, 1924

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          "Iron and steel in the Industrial Revolutionby" Thomas Southcliffe Ashton, MA, Lower Volume, 1924

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          "Iron and steel in the Industrial Revolutionby" Thomas Southcliffe Ashton, MA, Upper Volumes

          感想基本的にはダービー親子とか、ワット、ヘンリー・コートたちの話の詳細。ただ、5章だけは毛色が違って、当時の政治・戦争と貿易政策の関係が論じられているが、これは珍しい気がする。

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          "Iron and steel in the Industrial Revolutionby" Thomas Southcliffe Ashton, MA, Upper Volumes

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