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福祉

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記事一覧

『徳洲会はいかにして日本最大の医療法人となったのか:創設者徳田虎雄に迫る』石井一二著、アチーブメント出版、2009


感想所詮は関係者のヨイショ本だという印象はぬぐえない…内部情報が多少あるのが唯一の存在意義という本。

山岡(2017)ではほとんど書かれていなかったこと多くの事は上記の本と重なることが多かった。それは、上記の本が優れているとか、この本が劣っているということではなく、徳洲会とか徳田虎雄の話としては定番のモノが多いという事だと思う。以下は、上記の本に記述が無かった、あるいは少なかった部分を抜粋して

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『政治はどこまで社会保障を変えられるのか:政権交代でわかった政策決定の舞台裏』山井和則著、ミネルヴァ書房,、2014


感想全体・まとめ

構成がちゃんとしていないので、「資料」とかの番号指定のミスが目立つ。

この本は山井和則という人間・政治家を知る上で非常に参考になったし、一般論としても勉強になった。

下の部分でも書いたが、彼は独善性が強いと思う。また、彼が正しいことを主張し、それを実行しようとしているとしても、その経過(プロセス)においては周りの人を巻き込み、説得し、受け入れてもらう(あるいは、敢えて反対

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『最貧困シングルマザー』鈴木大介著、朝日新聞出版、2015


プロローグ2009年ほどメディア上でシングルマザーの経済的窮状が報じられたことはなかったように思う。4月に自公政権下で廃止された生活保護の「母子加算」。これを復活させるかの論議に加え、緊急経済支援であった「子育て応援特別手当」の執行停止も論議を呼んだ(母子加算は09年12月に復活)。だがそんなニュースを、僕は寒々とした思いで聞いていた。

僕の前著は、親元や児童養護施設などを長期間にわたって飛び

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『福祉資本主義の三つの世界』イエスタ・エスピン=アンデルセン著、1990. 引用参考文献

引用参考文献*()つき数字は邦訳あり。 また、本書公刊時に近刊が予告されており、その後出版年度、タイトルに変更があったものは、改めてある。 255、256頁参照

Aaron, H. and Burtless, G. (eds) 1984: Retirement and Economic Behavior, Washington, DC: The Brookings Institute.

Alb

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『福祉資本主義の三つの世界』イエスタ・エスピン=アンデルセン著、1990


日本語版への序文日本型福祉国家の特殊性

本書を英語で出版して以降、多くの批判を受けてきた。最も手厳しかったのは、(本書があまりにもジェンダーについて無知であるとする)フェミニストからのものと(特定の福祉国家を分類する方法について異議を表明する)各国研究の専門家からのものであった。これらは正当な批判であり、私は、分析基準を再考したり、分析枠組みに必ずしもうまく当てはまらない国についてはより慎重に

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『福祉国家と平等 : 公共支出の構造的・イデオロギー的起源』ハロルド・L・ウィレンスキー著、1975


感想全体

1段落が長すぎる…

番号付き箇条書きを使い過ぎで、重要度の順番付けが分からない…

日本語版への序文

全体的に日本の情報に通じてないように感じる。日本なんかは非西欧国で非常に興味深い事例だと思うのだが…

確かに日本の産業化はドイツ・スウェーデンに比べたら遅いが、年金制度の開始のように50年かそれ以上離れていることはない。

日本の場合は、従来は親との同居が多かったが、戦後の都市

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『社会福祉学』平岡公一/杉野昭博/所道彦/鎮目真人著、有斐閣、2011

社会福祉学とは何か第1部 ソーシャルワークの展開第2部 福祉国家の形成と展開5章 福祉国家の形成社会福祉制度はきわめて複雑で巨大な国家システムの一部を形成している。「福祉国家」という語を聞いたことのある人も多いであろう。しかし、このシステムは、突然整備されたわけではなく、社会的・経済的背景から構築されてきたものである。この章では、イギリスの例を中心に、国による個人の生活ニードを充足するための役割が

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『地域福祉援助技術論』高森敬久・高田眞治・加納恵子・平野隆之著. 2003

これはテキストなんだろうか?

◆目次

第1部 入門―地域福祉援助技術
第1節  コミュニティワーク・イメージ―その「わかりにくさ」と「おもしろさ」
 1.「社協」実習風景から
 2.社協実習の日替りメニュー
 3.「わかりにくい」から「おもしろい」へ
 4.「わかりにくい」の整理

第2節  直接援助技術からコミュニティワークへ
 1.事例紹介「私の問題」から「私たちの問題」へ
 [事例1]昔

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『地域福祉計画:理論と方法』全国社会福祉協議会. 1984

ここでの「地域福祉計画」は、この本によって全国社会福祉協議会によって策定が提唱されたもの。2000年の社会福祉法第107条の市町村地域福祉計画、108条の都道府県地域福祉支援計画の原型になったものである。2000年の社会福祉法以降も市町村地域福祉計画・都道府県地域福祉支援計画は義務化されたものではなかったが、努力目標ではあった。しかし、それまでの社協が制定したこの地域福祉計画は、あくまで社協独自の

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