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ロボット、派遣します!?~人材派遣の比率が低下する時代~

 日経電子版の記事【人材各社、AI・ロボも提供 労働力減に備え スタートアップと組む】でリポートされているロボットの派遣ですが、さらに想像をふくらますなら、AI搭載の切れ者アンドロイドが会社にやってくるようで、まるでSF映画の一コマを彷彿とさせるようなシーンです。

 この機会に、人材業界で起きていることを考えてみることにしました。


 まず、今後の労働市場を展望してみると、何と言っても少子高齢化によって生産年齢人口が大幅に減少する見通しで、それに対する企業の仕事量が減らなければ、人手不足に陥って未充足求人は増加していくことになります。

 この傾向が進行すれば、今は活況を呈している人材業界自体が、人材を集められず、経営が苦しくなるようなケースが出てくる訳です。

 そして、そのような状況に加えて、さらに人材業界内部の変化が起きてくると考えられます。働き方の概念が変化していく中でのフリーランスの増加です。人材業界を大きく人材紹介人材派遣フリーランスのマッチングサービスという3類型に分けるなら、不足し縮小していく『人材』というパイの中で、フリーランスの比率は増えていくかも知れませんが、人材派遣の比率は下がっていく可能性があります。

▶人材業界をめぐる環境の変化

少子高齢化       
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生産年齢人口の大幅減少  企業の仕事量は減らない
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        未充足求人の増加
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         この傾向が加速        働き方の変化
            ⇩              ⇩ 
     人材業界自体が人材を集められない  フリーランスの増加
                  ⇩      ⇩
                 人材派遣の比率が低下



 このような状況で、人材業界が目指すべき活路はどこにあるのでしょうか?一つには、外国人材の活用という事がありますが、この記事でリポートされているのは、人材不足の解決を人的リソース以外に求めるものです。人が足りず、集めることも出来ないのだから、人がやっていたことをテクノロジーで代替(人材の派遣ではなく、テクノロジーを提供)しようという考え方です。テクノロジーによって省力化・省人化・少人化を達成する手法としては――

▶テクノロジーによる省力化・省人化・少人化

      深刻な人材不足を解決するには……
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人的リソースによるもの   テクノロジーの活用
    ⇩             ⇩
 外国人材の活用     AI・ロボット・HRテック・RPA
           AIマーケティング支援・AI文書読み取りなど 


 こうして見てくると、人手不足に悩む企業の側から見れば、イノベーションのための人材と、省力化・省人化・少人化のためのテクノロジーを最適化した組み合わせで提案してくれる企業が求められているのは明らかです。

 つまり、人材業界が目指すべきは、人材とテクノロジーを総合した人手不足対策のプラットフォームへとパラダイムシフトすることだと思われます。そのようなプラットフォームは、単なる人手不足対策というよりは、人的リソースをより創造的な部門へと再配置して、企業を活性化させる使命を担っている、そのポテンシャルがあると考えられます。



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