武田敦

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武田敦

個人投資家。自然の写真(インスタグラムhttps://www.instagram.com/angelwingsessay2015/)、そして、映画鑑賞と読書、特にSFが好きです。

マガジン

  • 『天使の翼』第13章~吟遊詩人デイテの冒険~

    マウンテンデビルの背にまたがって『空白地帯』の村や町に降り立つ『風のデイテ』となったデイテの次の一手とは?

  • VチューバーATSUSHIさんの動画紹介コーナー

    このコーナー(マガジン)は、最近デビューしたVチューバ―ATSUSHIさんのシリーズ番組『新バンパイア類ATSUSHIの人間観察』とのコラボレーションです。ATSUSHIさんの新作公開の都度、当コーナーにもリンクと簡単な紹介文を投稿していきます。わたくし武田は、日経新聞電子版の熱烈読者なので、そこで得た知見などをATSUSHIさんと共有していく予定です。 新バンパイア類の視点から見た人間界の観察リポート、乞うご期待です!

  • 『天使の翼』第12章~吟遊詩人デイテの冒険~

    サンス大公国の秘密警察機関SSIPのデビルハンター捜査に巻き込まれたデイテ、シャルル、ローラの一行は、指揮官クラレンス少佐の計らいでハイアンコーナまでパトロールエアカーに同乗させてもらえることになったのだが、その途上、デビルハンター族の思いもかけない急襲、逆襲に遭い、エアカーは墜落、そして……

  • 『天使の翼』第11章~吟遊詩人デイテの冒険~

    惑星植民関連法の改悪で不穏な情勢がくすぶるラプラスで、地元住民と大公国政府の板挟みとなったラプラス星庁トップのフランク長官、そしてそんな長官の悪友で密輸業者のミラーの巻き起こした騒動に巻き込まれたデイテとシャルルは、うまく脱出を成功させて、いよいよサンス大公国の首都惑星グラン・サンスから10光年の星アンコーナへと辿り着く。その地では更なる冒険が二人を待っていた……

  • 予約投稿を使わないnote連続投稿  500日の軌跡

    『予約投稿を使わないnote連続投稿500日の軌跡』では、その投稿のメソッドと気付き等を整理して紹介しています。

最近の記事

  • 固定された記事

宇宙SF『天使の翼』の読者の皆様へ~デイテのキャラクターを初公開!!~

 いつも『天使の翼』をご愛読いただきありがとうございます。  当サイトにて『天使の翼』の連載が始まってから、早いもので1年と9か月余りが経ちました。いつも読んでいただいている読者の皆様には、それぞれに主人公デイテのイメージがあろうかと思いますが、この度、一念発起してデイテのキャラクターを公開する運びとなりました。  きりっとした中に、強さと優しさ、繊細さが同居し、そしてエキゾチックな個性が垣間見える、そんなデイテになっていれば、と願います。  なお、女性ファンには気になるシャ

    • 『天使の翼』第13章(11)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

       エリザの利き足である左前脚の爪先まで戻ったわたしは、ギターをケースから取り出し、エリザの顔を見上げた。  「エリザ、行くわよ!」  『よっしゃ!』  エリザがまるでスロープのように左前脚をそっと持ち上げ、わたしは、そこを勢いよく駆け上がった。エリザの左肩の上にカッコよく(?)足を広げて立ったわたしは、改めて周囲に集ったハイアンコーナの人々を見渡した。さまざまな色とスタイルの民族衣装が目に飛び込んでくる。ハイアンコーナは宇宙的規模の国際観光都市だ……  エリザの左肩に乗って歌

      • 『AIとの会話』新バンパイア類ATSUSHIの人間観察 第26話

         最近デビューしたVチューバ―ATSUSHIさんのシリーズ番組「新バンパイア類ATSUSHIの人間観察」第26話『AIとの会話』を紹介します(紹介投稿はマガジン『VチューバーATSUSHIさんの動画紹介コーナー』に収録していきます)。  あなたは、AIと会話したこと、ありますか?実際に役立ち、また興味深いその体験とは?  人間の血をあまり吸わなくても良く、また、血を吸われた人間がバンパイアに変身してしまうこともない、進化したバンパイアATSUSHIが、人間界を観察して得た知見

        • 『コンビニの切実な課題』新バンパイア類ATSUSHIの人間観察 第25話

           最近デビューしたVチューバ―ATSUSHIさんのシリーズ番組「新バンパイア類ATSUSHIの人間観察」第25話『コンビニの切実な課題』を紹介します(紹介投稿はマガジン『VチューバーATSUSHIさんの動画紹介コーナー』に収録していきます)。  人流も回復し一見好調に見えるコンビニだが、競合との熾烈なパイの奪い合いは激化し、 大きな壁、課題に直面しているのではなかろうか?  人間の血をあまり吸わなくても良く、また、血を吸われた人間がバンパイアに変身してしまうこともない、進化

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        宇宙SF『天使の翼』の読者の皆様へ~デイテのキャラクターを初公開!!~

        • 『天使の翼』第13章(11)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

        • 『AIとの会話』新バンパイア類ATSUSHIの人間観察 第26話

        • 『コンビニの切実な課題』新バンパイア類ATSUSHIの人間観察 第25話

        マガジン

        • 『天使の翼』第13章~吟遊詩人デイテの冒険~
          11本
        • VチューバーATSUSHIさんの動画紹介コーナー
          24本
        • 『天使の翼』第12章~吟遊詩人デイテの冒険~
          98本
        • 『天使の翼』第11章~吟遊詩人デイテの冒険~
          112本
        • 予約投稿を使わないnote連続投稿  500日の軌跡
          1本
        • 『天使の翼』第10章~吟遊詩人デイテの冒険~
          132本

        記事

          『天使の翼』第13章(10)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           公園まではアッという間だった。ビルとビルの間をすり抜け、最後に大きく羽ばたいて、わたし達は湖畔の緑地に着地した。  これは後で知ったことだけど、ここハイアンコーナーの街は、死火山となったカルデラの真上にできた街で、湖はその中央にあり、その湖畔に公園はある。実に不思議なことに、あのわたし達が最初に訪れた鉱山町、そしてその他多くの高原地帯の村々での時と同じように、人々は、わたし達、わたしとエリザがどこに降り立つのか前もって予告されていたかのように、その公園に集まっていた――公園

          『天使の翼』第13章(10)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『天使の翼』第13章(9)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           マウンテンデビルは生来の飛行生物ではない。羽ばたいたってあの巨体が空に浮かび上がる訳ではない。どこか高所から飛び降りてグライダー飛行に移る必要があった。  『まさか殺しやしないでしょ。人間たちに稜線の縁まで運んでもらうわ』  確かにそうだが、相当に勇気のいる、覚悟の行動だ……エリザは、わたしのために最高のステージを用意しようとしている。  「エリザ!」  『泣かないでよ‼』  わたしは、エリザの逞しい首にギュッとしがみつくことでそれに答えた。

          『天使の翼』第13章(9)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『天使の翼』第13章(8)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           急降下の風圧に耐えて、エリザの鱗の隙間から何とか前方を確認したわたしは、エリザが盆地中央のタワービル群へ向け、徐々に水平飛行へと移っていくのを見た。速度が少し落ちついて滑空状態に入る……みるみる近付いてくる個性的で一つとして同じもののないタワービル群、その中央の湖……湖の畔に大きな公園がある!……でも、何かおかしい、わたしは違和感を覚え、すぐにその理由を悟った――  『ふふ、構やしないわ』  わたしが問いただすより先にエリザが語りかけてきた。  「エリザ、あそこに降りちゃっ

          『天使の翼』第13章(8)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『ITによる分断とITによる融和』 新バンパイア類ATSUSHIの人間観察 第24話

           最近デビューしたVチューバ―ATSUSHIさんのシリーズ番組「新バンパイア類ATSUSHIの人間観察」第24話『ITによる分断とITによる融和』を紹介します(紹介投稿はマガジン『VチューバーATSUSHIさんの動画紹介コーナー』に収録していきます)。  ビッグデータを有効活用して様々な社会課題を解決していくデジタル社会は不可逆の潮流だが、その一方でデジタル格差、デジタルデバイドを生み出してしまっている。有効な解決手段はあるのだろうか?  人間の血をあまり吸わなくても良く、ま

          『ITによる分断とITによる融和』 新バンパイア類ATSUSHIの人間観察 第24話

          『天使の翼』第13章(7)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           『そうね、遥か昔この盆地に私たちデビルが住んでいたとは、私も聞いたことがあるわ』   「……たぶんネット上に『ハイアンコーナに風のデイテ現る』って感じの投稿があふれ出しているに違いない……」  『どうする、風のデイテさん?』  「わたし達、そうと知らずいくつかの法律を……たぶん帝国法で言うならさしずめ惑星内航空機械管制法みたいなのを犯しちゃったと思うの……」  『SSIPって言ったかしら、警察の出番って訳ね』  「そう……それは望むところだけど……でも、やっぱり、わたし、捕

          『天使の翼』第13章(7)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『天使の翼』第13章(6)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           下ばかり見ていたわたしは、エリザの急激な方向転換、その急な遠心力にハッと我に返った。金属的な悲鳴にも似た音とともに黒々とした影がすれ違った。  「エアカー!」  どうやら、わたし達は、盆地の中央部に進むにつれ、エアカーやエアバスの誘導路に侵入してしまっていたようだ。  その後、立て続けに何台かのエアカー、エアバス、エアトラックとの正面衝突を回避して、エリザは、誘導路のある空域よりも高度の高い空間へと避難した。眼下を行き交うエアカーの乗客乗員らが、ルーフウインドウからあんぐり

          『天使の翼』第13章(6)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『天使の翼』第13章(5)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           盆地の中に、盆地の上空に入った瞬間、エリザの巨体がフッと軽くなり、わたし達は、風のない静かな世界を、文字通り軽やかに漂う、いや、滑空していた。  眼下に広がるのは、あのデビルの生息地のあった高山の盆地よりは小振りだったけど、大きな都市であることに変わりはなく、盆地中央の湖――カルデラ湖だろうか――を取り巻く高層ビル群と、その周囲に広がる大小様々、新旧様々な建物と緑地帯のパッチワークが美しい。その緑と人工物のパッチワークは、盆地を取り巻く山肌の稜線近くまで覆いつくしており、盆

          『天使の翼』第13章(5)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『天使の翼』第13章(4)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           わたしが、ゴーグルを上げて、顔に張り付いた無数の雨滴を手の甲でぬぐおうとした時だった。それは、いきなりわたし達の眼前に現れて、エリザの俊敏な反射神経がなかったなら、まともに衝突していたに違いない。  「電波塔⁈」  絶叫しながら振り返ったわたしは、ギザギザの危険な稜線と、その上に立つかなり大きな人工の構造物を見た……  そして、顔を前方へと戻したわたしは、眼前に直径10標準キロメートル程の、陽の光に晴れ渡った盆地と、それを取り巻く山々の上の方まで立ち並ぶ建物群――わたしは、

          『天使の翼』第13章(4)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『天使の翼』第13章(3)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           エリザによれば、ハイアンコーナへの飛行は気流の状態にもよるが標準時で2時間ほどの行程だろう、という。……これは蛇足だけど、エリザは、わたしと巡業の暮らしをするようになってから、人間界の時間感覚というもの、その概念をかなり正確に理解するようになっていた。むろん、マウンテンデビルにも時間の感覚はあるのだが、彼女は、それを人間のそれ、時間感覚といわば同時通訳できるまでになっていた。マウンテンデビルの知性、変化への対応能力には驚かされるばかりだ……  行程の半ばを過ぎたころから、雨

          『天使の翼』第13章(3)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『天使の翼』第13章(2)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           わたしは、高原地帯の村々をエリザの背に乗って旅しながら――エリザとのチャーター契約は、無期限で延長してあった。彼女は、わたしの寝ている間に、風を得て一度故郷に帰り、仲間や家族に状況を説明したようだ――、この降って湧いたようなわたしの新境地を存分に楽しみ、修練を積みながらも、心ひそかに、SSIPが逮捕にくる等々の状況の変化を待っていた。そこから、シャルルやローラの消息、そして、グランサンスへの道が見えてくるのではないか、と考えたのだ。わたしの今の本道は、使命の達成にある……

          『天使の翼』第13章(2)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『天使の翼』第13章(1)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           チャンスとは、偶然の中から、偶然という名の様々な出来事の中から、自分との関りを見付けだす、見つけ出せる眼力そのものに他ならない。 (銀河帝国第一王朝時代の国民的なアスリートが、インタビューで「いいチャンスでしたね」と聞かれ、憮然として答えた言葉とされる)  『風のデイテ』の噂は、瞬く間にアンコーナの高原地帯、ローラのいう所の『空白地帯』に広まっていった。  なにしろ、高原地帯に散在する村や町に、マウンテンデビルにまたがった見目麗しい(?)女性吟遊詩人が降り立つのである。文

          『天使の翼』第13章(1)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

          『天使の翼』第12章(99)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~

           エリザが、長い首を大きく曲げて、わたしの耳元、顔のすぐそばに、自分の大きな顔、大きな右目を寄せてきた。彼女の肌のぬくもりが感じられる……  『妙ね。これでお別れだと思ってたんだけど。私、デビルの背に乗って旅する吟遊詩人、風のデイテって絵柄の一部になっちゃったのかしら』  わたしは、幾分すまなそうな目で彼女を見上げていたと思う。  エリザが、大きな目をぱちくりさせた――ウインク⁈  『安心して。あと三、四回なら付き合ってあげる。ギャラは、一日二回の食事に特大の鶏肉10

          『天使の翼』第12章(99)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~