『天使の翼』第13章(14)~吟遊詩人デイテのネバーエンディング・アドベンチャー~
その場の空気、音の世界にそぐわない不協和音が、ようやくわたしの意識の壁を突き破ってきた時、わたしはハッとしてそちらへ、音のくる方向へと顔を向けた。
わたしのただならぬ様子、顔の表情の変化を敏感に感じ取った子供らが、一斉にわたしの顔の方向を顧みる。ついで、拍手喝采していた観衆、おとなたちも、次々とそちらを振り返った。
不穏なものの接近には二つのパターンがある。雷のように、まず稲妻が、光が視覚に入ってきて、雷鳴が、音が後からやってくる場合。そして、まず音が接近して来て、次に