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1人になりたい衝動

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今だから書けること。 これを読んで、誰かがまた生きていけますように。
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6.9 一人になりたい衝動④

6.9 一人になりたい衝動④

「青春に吐きそうで トイレまで逃げたけど
 教室に居たほうがエアコンで快適で
 ポケットにぐしゃぐしゃの
 イアフォンで抱きしめて
 あたしだけのうた」

大森靖子の『コミュニケーション・バリア』という曲です。

この曲は、僕だけのうたなのです。

今日みたいにじめっとしたあの日のことです。

僕は高校2年生でした。
1学期の期末テストを控えた頃で、学校に行っても自習の時間ばかりでした。

あの日

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5.26 一人になりたい衝動③

僕の高校は大学みたいな単位制がありました。クラス単位で受ける授業とは別に、それぞれが自分で授業を選択して全クラスの生徒がごちゃ混ぜで受ける授業があったのです。

クラスの皆は仲良しの友達と同じ授業を選ぶけれど、僕はクラスに仲良しがそんなにいないので、真面目に興味のある授業を選択していました。

教室移動はひとりぼっちだから、皆に見られたくないなと思っていました。

けれども選択した授業には、僕みた

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5.25 一人になりたい衝動②

僕は憧れのJKになりました。

入って3日でスカートの裾を8cm切って、休み時間にはスマホで友達と写真撮ったり、放課後にはアフター6でディズニーランドに行ったりなんかもしました。

JKは中学生ではできなかったことがいっぱいできて、つまらないと思うことなんてほとんどありませんでした。

次の年の春2年生になった僕は、ワクワクしながら新しい教室に入りました。

次の瞬間僕は絶望していました。

僕に

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5.24 1人になりたい衝動①

僕は今日、ベットの上でずっと本を読んでいました。

太宰治は「本を読まないということは、その人が孤独でないといふ証拠である」と言います。

この言葉に対して逆説的ですが、
僕は孤独になるために本を読むのです。

最近はコロナの自粛で、一人で出かけるのも気軽ではないし、家の中にも家族がいることが多いので、1人の時間を作るのが難しいです。

だから、僕は本を読んで僕だけの世界をつくるのです。

決して

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