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23.09.13 終
何をしても終わりばかりを結末ばかりを考えてしまう。
もっと言えば終末
残酷で意識がどうかしてしまいそうなほどの苦痛
それなのに、とてつもなく薄情で、感情も温度もないような終わり
人形みたいな永遠の命の絶望。
23.03.01 斟酌と首絞め
裏路地の路地、みたいな
細い入り口の階段を登ると覗き窓のついたドアがある。
一足踏み入れたそこは、箱庭だった。
テーブルの上の飾り棚に、つげ義春の短編集が置かれていた。
僕が以前読んだものと少し収録内容が異なっていて、読んだことのないものともう一度読みたいものとを行ったり来たりパラパラしていた。
最後の後書きに、
「つげ義春の作品を読んで、何人の人間が自分は大したやつではないことを突きつけ
22.09.22天使がいた
ステージの上の全てが黒い影と赤と緑の輪郭をもって、いつもの奇妙なメロディーがもっと気持ち悪くドロドロ、ドロドロと僕の中の淀んだ奴らと共鳴していったのです。
ライブが終わって何時間も経った今も左耳の聴力が明らかにおかしくなっているほどの爆音のなかでした。
目を瞑ってしまったら、僕はそのまま緩やかに失神してしまうと思いました。学生の頃の礼拝の時間の安らかな睡魔に似ていました。
銀杏BOYZの音楽
22.7.31 すもも
死にたくなったら赤い果実にかぶりつく。
紅がかった皮の下に黄色い果肉が透けている。
まるで僕の腿みたいだ。
僕の体をかじるように、赤い果実にかぶりつく。
銀色で紅を裂かないで、赤い果実にかぶりつく。
朝と夜と1日に二つ、七月の終わりに沢山の果実。
22.06.22 快
僕はすごく健康体で強靭で
みえないものはない世界だから。
暗闇の天井をみているのがつらくて、
壁にもたれ宙を眺めみてもつらい。
刺すような痛みが確かにあるのに、
どこに何が刺さっているのかわからない。
物理的銀色を突き刺す。
得体のしれない痛みが目の前に集中して
不安定な感覚がぼやけて脳が溶けだす。
快楽は何も考えないということかしら。
いくら血を流してもわからない。
お天道様さえ
22. 6.9 ご無沙汰
いつもは乾ききってる唇が濡れて
きらきらとした香りのする煙の味がわからなくなった。
水中のようなツンとした感覚だけが鼻に残る。
睨むように見上げると梅雨入り前の薄い空に
薄い月が浮いていた。
神様はどうしていつも大切なものを奪っていくのかしら。
22.4.10 罵りたい季節
寝起き
とてつもなく天気がいい日曜日の朝
今日の仕事は週の中で一番暇で、
昨日は久しくすぐに眠りにつけたのに
起きてみるとなぜか気がとてつもなく重い。
庭で煙を吐いて、目の前の苔の生えた塀がつまらなくて、部屋のガラスに映る自分をぼんやり見た。
寝癖のついたまま口から魂みたいに煙が出ている。寝起きでもそうでなくても特にかわらないダルそうな目。その奥で傾いたクマのぬいぐるみと視線があって我に返
22.04.03 うつつの羞恥
こんなに眠くて脳みそが動かなくて、
今にも夢の中に溶けてしまいそうなのに
消えたい気持ちはしっかり湧き上がる。
意識が鮮明じゃなくなると過ごしやすいのに、
消えたい気持ちは消えない。
明日になったら、今のこの時の僕なんか知らない顔して、普通にやることをやっているんだ。
健康で健全で絶対に多少のことでは壊れない肉体を疎ましく思って、そんな精神の醜さをこの世の全てに懺悔したくなる。
もともと僕
22.03.21 三時
暗闇でため息をつくあの人の下睫毛をさぐってしまった。
隠したことを、
僕の欲で確かめてしまった。
「その後を言わないで」
その声を僕は何度も再生する。
22.03.20 微熱
昼に読んだ詩を夜に読み返して
鮮明になって心臓を感じる。
昼間の光は暖かい。
儚すぎて寂しくなる。
夜の静けさは冷たくない。
僕の鼓動と体温と涙が熱くて安堵する。
22.3.14 夜の底
早めに目を閉じたのに、
結局、いつも後悔のある時間に目を覚ましてしまいました。
睡眠は僕を保つけれど、
救われたと思ったことがない。
よく眠った翌日、
意識が鮮明になって消えたくなる。
やってみたいことがいくらあったて、
途方に暮れて動けなくなるばかりで、
どれだけ与えられても、
終わりばかりを考えてしまうのです。
もう何度も春を迎えたのに、
僕は僕の救い方を知らなくて、
訳のわからない