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ブラジル的人種/ジェンダー

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ブラジルと言えば人種のるつぼ、陽気で開放的なカーニバル…一見多様性豊かで自由なユートピアのようにも見えます。そんなイメージとは裏腹に16世紀から300年以上続いた奴隷制度の上にで…
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記事一覧

【ブラジル密かな宗教事情】まだまだ気遣いが必要な現実

【ブラジル密かな宗教事情】まだまだ気遣いが必要な現実

12/17に開催したアフロブラジリアンリズム&ダンスの告知、とあるコミュニティに掲載依頼を出したらどうも保留にされてしまった。

「カンドンブレー」とタイトルには書いていないので、試しに依頼してみたのだがどうもアフリカ調のデザインとオリシャーのシンボル、小さくてもカンドンブレーと謳ったコピーが画像に含まれていたのが問題だったのだろう。

残念とも言えるし、単に宗教色が強く出てしまっていたからだけか

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【イベントのお知らせ:11/19】神秘のアフロブラジリアン信仰カンドンブレーの世界

【イベントのお知らせ:11/19】神秘のアフロブラジリアン信仰カンドンブレーの世界

オンラインイベント緊急開催のお知らせ

【11月19日に開催されるイエマンジャー(海の女神オリシャー)の儀式前の祭儀場を特別に案内してもらえることになりました!】

★カンドンブレーって何?素朴な疑問にお答えします。
★通常は「極秘」の儀式の準備の様子を祭儀場より生中継。
★観光では絶対に見ることの出来ない祭儀場の内部を見せてもらいます。
★アフロブラジリアン信仰儀式のダンスやリズム実演。(※)

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【ブラジル知られざる宗教事情】根深い差別と偏見を感じる時

【ブラジル知られざる宗教事情】根深い差別と偏見を感じる時

奴隷制度の上に築かれたブラジル

明日11月19日にアフロブラジリアン信仰形態の一つであるカンドンブレー Candomblé を主に日本の方々に紹介するオンラインイベントを企画している。

サンバや最近ではカポエイラが日本でも人気が出て来ているのも、ブラジルの正反対に位置するにも関わらず、弛まぬ努力を続けて来た先駆者たち、今も続ける指導者の方々のおかげである。

日本のSNSでも毎日カポエイラの指

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【バターが溶けた歌の隠された意味!?】謎が多いあのカポエイラの歌

聞きたくても聞けなかった、あのカポエイラ音楽の素朴な疑問にブラジル在住の日本人カポエイリスタがお答えします!

00:00 動画紹介
00:36 歌の実演
01:49 結論
03:00 歌詞は間違い?
04:21 二通り正反対の解釈
05:45 意外な解釈の例
08:08 使われている単語からの解釈
09:01 まとめと注釈

案内人【さわ あすか】
金沢市出身、カポエイラ歴17年。
カポエイラア
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【ブラジル総選挙2022】憎悪は何も生み出さない

【ブラジル総選挙2022】憎悪は何も生み出さない

ブラジル総選挙の結果の実情

4年ぶりのブラジル総選挙が怒涛のように終わりました。ここバイーア州はブラジルの低所得者層が多い北東部に位置しており、今回のルーラ勝利はほぼこの北東部の支持者が強かったためです。

赤が労働党のルーラ、青が社会自由党のボウソナーロが勝利した市町村。北部と北東部以外は南に行けば行くほど青の勝利率が高くなっています。人口分布も北:貧困層と南:裕福層の割合が高くまた混血の具合

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民衆文化に受け継がれてゆくゆるやかな反骨精神

民衆文化に受け継がれてゆくゆるやかな反骨精神

Quilombo Aldeia Tubarão主催によるバイーアの伝統的なサンバジホーダのイベントIV Encontro de Samba de Roda de Tubarão最終日におじゃましました。(→動画はこちら)

Tubarãoはサルヴァドール郊外にありマレー島Ilha de Maréのちょっと手前。われらKilombo Tenondé Coutosのご近所です。

この周辺は典型的なフ

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カポエイラで、肌の色を超えたブラジルの「黒」人意識

カポエイラで、肌の色を超えたブラジルの「黒」人意識

ブラジル黒人意識の11月

(2021年11月26日)
日本のカポエイラ仲間の多大な力を借り、オンラインでコブラ先生(Mestre Cobra Mansa)のワークショップと講義を企画、日本時間明日11月27日夜に開催されることとなった。

黒人意識の11月をテーマにした講義で東洋人の我々に向けて話をと頼んだら、織田信長の家臣となった黒人の侍弥助の話をしよう!と言い出し、一体どんな講義になることか

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肌の色x性別=社会におけるスタート地点の国、ブラジルで。

肌の色x性別=社会におけるスタート地点の国、ブラジルで。

場所が変わらないと気づかなかったこと

(2019年11月17日)
日本の反対側から日本人が見た、日本。
ブラジルの反対側から来た日本人が見た、ブラジル。

多種多様な人々が住む広大なこの国で、特に黒人混血の割合が極めて高い東北部バイーア州首都、ここサルヴァドールでは、肌の色 x 性別 =社会におけるスタート地点とも言える公式が成り立っている。

ともあれば、有色人種であるという事実も忘れがちであ

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「差別」とは。ブラジルで奴隷制度廃止から何が変わったか考える。

「差別」とは。ブラジルで奴隷制度廃止から何が変わったか考える。

(2019年11月20日)
ヘイトスピーチ(差別扇動)、ジェンダーといったキーワードが、日本発信のニュースに目につくようになった。ブラジル在住中のため、ネットを介したニュースなどでしか触れる事ができないが、人種やジェンダーについての論議は、どこでもいつでも、なにか居心地悪いものだという印象が拭えない。

ブラジル国内でも、経済力も生活水準も低めで、有色人種が多い北東部。そこにあるバイーア州首都サル

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