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いじめ、不登校、病気、ひきこもり。それでも心開いて生きていく。


いじめられて人間不信になって、

不登校から病気とひきこもりになった。

一度は固く閉ざしていた心。

それでも今は心を開いて生きていきたいと、

そう思ってる人間の物語。


空気が読めない子供


「人と違うことがしたい」って思う子供だった。

もう幼稚園生の時からはそう思ってた。

先生に「粘土でうさぎを作りましょう」と言われ、

みんなが仲良く〇ッフィー風のうさぎを作る中、

一人うさぎの写真とにらめっこしながらリアルを追求していた。

目が赤くて四足のうさぎを作ったのは私だけで。

そんな子供だったからか、周囲からの風当たりは強かった。

みんなと同じじゃない=空気が読めない。

目立つことは、目障りなこと。

幼少期からあらゆるコミュニティで陰口や仲間外れにあった。

一番きつかったのは、小6の時。

私のクラスは学級崩壊に陥った。

先生へ直接暴言を吐いたり、授業をボイコットしたり。

学園ドラマに出てくるような荒れ具合。

そんな中でも真面目で正義感の強い性質だった私。

最初の頃は注意する側で先生からも頼られていた。

だが学級崩壊している教室では

そういう生徒の方が悪目立ちするもので、

今までよりひどいいじめをされることになる。

目の前での悪口やクスクス笑いは当たり前。

授業で二人一組になれと言われても、誰も私と組もうとしない。

果てはクラスメイト全員からの総スカンで、いない者扱い。

それまでのいじめと違い、味方がいなかったのでかなり辛かった。

修学旅行が近くなった頃、このままではいけないと思い、

以前は仲良くしていた子達に手紙を書いた。

「私に悪いところがあるなら言って、直すから」と。

返ってきた手紙の内容のほとんどは、

それ私が悪いの?と思うようなことだったが

ここで反論すればすべての努力が水の泡。

私は心の声を飲み込み、その子達に

「ごめんなさい、これからは気をつけるね」

と返したことでとりあえず関係は修復、無視は収まった。

おかげで修学旅行はそれなりに過ごすことができた。

ここで終わればめでたしめでたしなのだが、

この出来事が私にとって心の傷となり

中学時代に大きな影響を与える。


心閉ざした中学時代


中学生になった私は周囲をうかがい、

その場に合った発言をして当たり障りなく過ごすことを覚える。

そうすることでいじめられはしなくなったが、

その代わり他人に心を閉ざすようになった。

学校というコミュニティで空気を読むことは

自分の意見を押し殺し、周囲に同調すること。

例えば誰かの言動に対して、それは違うと思っても

その気持ちのままに発言や行動をすれば、

目障りに思われてまたいじめられる。

学校には理不尽なことが溢れていて、

それを良しとする周りも、

見て見ぬふりをする自分も大嫌い。

完全に人間不信になっていた。

そんな頑なな心はやがて病んでいき、

うつ状態になった私は中2の終わりに不登校になった。


不登校から病気、ひきこもり


不登校になったあと元々の潔癖症が悪化し

強迫症と診断され、その症状から外出が難しくなっていく。

学校にも行かず家にずっといるようになると家族関係も悪化。

特にうつ病をすでに患っていた母親とは最悪の関係だった。

当然、自分の気持ちを正直に話すことなんてできない。

本当は誰よりも理解してほしい相手だったけれど、

言ったら母親が死んでしまう。

本気でそう思うほど、お互い追い詰められていた。

家族には腫れ物に触るように扱われ、

母親には顔を合わせる度なじられる。

かといって症状のせいで家から逃げ出すこともできない。

生き地獄だと思った。


地獄のなかに仏あり


あれは17歳か18歳の時の真夜中。

いよいよ限界が来たのか、

「辛い」「死にたい」「助けて」という思いで

心が溺れてしまいそうになった。

誰でもいいから話を聞いてほしくて、

その時たまたま起きていた兄に

自分の気持ちをありのまま吐き出した。

それまで兄には自分の辛い思いを話すことを躊躇していた。

なぜなら兄は命に係わる重度の障害を持っていたから。

そんな兄に、「死にたい」なんて絶対言っちゃいけないと

そう思っていたから。

でももう耐えられなくて、どうしようもなくなって、

兄にとうとう言ってしまった。

「生きてるのが辛い、死にたい」と。

兄は否定も肯定もせず、ただその言葉を聞いてくれた。

静かに私の思いを受け止めてくれた。

そういう風に接してくれた人は初めてで、

兄のそんな態度になによりも救われた。


心を開くということ


それからは兄になんでも話すようになり、

死にたいという思いは徐々に小さくなっていく。

兄に心を開いてからは、母親にも少し優しく接することができた。

そうすると母親も少し優しくなってきて、

お互いの気持ちを冷静に話せる機会も増え、関係が改善していく。

その後に出会った友人や医療支援者にも自分のこれまでのこと、

今感じてることなどを正直に話すことで、

信頼関係を築いてきたと思う。

心を開くと傷つくことも多いけれど、

受け入れてくれた相手との信頼は特別なものになる。

なにより、他人に心を開いて

自分の気持ちを素直に表現することは

私にとって楽な生き方なのだと気づいた。


ネットの世界でも


SNSを始めてから一年ちょっと経つが、

ここでも心を開いて素直でいることを信条にしている。

正直言って始める前はちょっと怖かった。

学校に通ってた時のような目に遭うかもしれないと。

それでもありのままの自分で一歩、踏みだしたい。

そう思い、病気やひきこもりであると隠さずに活動を始めた。

別に隠さなくても、偏見を持たずに接してくれる人が

たくさんいると知った。

純粋に私の作品を評価してくれる人がいることは、

これまでの人生を思うと本当に嬉しいし有り難い。

ネット上でも画面の向こう側にいるのは同じ人間で、

こちらが心を開けば相手もそれに応えてくれる。

今ならそう信じられる。


いじめられて人間不信になり、

不登校から病気とひきこもりになった。

それでも私は、やっぱり心を開いて生きていきたい。

それが私にとっていちばん楽な生き方だから。



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サポートしていただいたものは脱ひきこもり、自立に向けての費用にさせていただきます!ちなみに以前いただいたものは旅行鞄を買う費用に充てました。ありがとうございました!