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六大と元素論

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洋の東西で議論され、弘法大師空海が体系化する六大説についてです。 染色体的な物質論や原子論との関係性を視野に入れた、主に仏教やイスラーム、キリスト教で居場所を見つけるための、基礎…
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十善戒の隣人愛的解釈【モーセの十戒】

十善戒の隣人愛的解釈【モーセの十戒】

十善戒はなかなか難しい。

モーセの十戒ではないですが、「〜するな」と言われると、なんだか窮屈に感じる人もいるかもしれない。
江戸時代のとある解釈書(『十善法語』)で、「不邪淫戒は男女の理(ことわり)を表すのじゃ〜」と書いてある。「はあ。」と、なんだか引いてしまう。

そもそも、「盗むな」、と言われても、現代において、大抵の人は盗みを働かない。
今とは時代背景が異なるのだろう。

それでもお四国の

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「性染色体」という名前もまた「ジェンダー化」されたものである。

「性染色体」という名前もまた「ジェンダー化」されたものである。

【気づき】
「性染色体」という名前自体がジェンダー化されたもの。
この名前を変えるのは、医学的にも有用。
つまり、たとえば「女性であってもたまたま「XY」(性染色体という名前ではなく)をもっている人がいる。そういう人は、それに対応した医療をもらえればいい。」、ということにもなる。
この「発想の転換」って、かなりコペルニクス的転回なのでは??

【余談】スーフィズムやペルシア語詩の人間観も調べないといけないなと思った

【余談】スーフィズムやペルシア語詩の人間観も調べないといけないなと思った

今回の話は「トランスジェンダー」に直接かかわるわけではありません。(ただし間接的にかかわる。)余談です。

創価大学系の「東洋学術研究」 という雑誌があります。

最新の通巻187号(第60巻第2号)では、佐藤優さんのフロマートカの人間論や、池田大作さんのご講演が並んでいます。
その雑誌の扉絵が、なんと、「ナヴァーイー著『イスカンダルの城壁』を題材として1485年にヘラート(アフガニスタン北西部)

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秋吉台で「いのち(sattva)」について考えたこと①

秋吉台で「いのち(sattva)」について考えたこと①

「男性色(男根)」「女性色(女根)」と並んで「三根」とされるものに「命根」というのがあります。私は目下これについて調べています。

その補助線としてインド語で「satva(sattva)」について調べているのですが、秋吉台で考えたことを残しておきます。

1.「早送り」すれば生きているように見える秋吉台はカルスト台地で有名ですが、「秋芳洞」という鍾乳洞があります。

そこには天井から氷柱上の「鍾乳

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上野「イスラーム王朝とムスリムの世界展」 マンスール解剖書

上野「イスラーム王朝とムスリムの世界展」 マンスール解剖書

上野の東京国立博物館で開催中の「イスラーム王朝とムスリムの世界展」に行ってきました。

トランス関係のは(もちろん?)ありませんでした。
あえていうなら、気になったのは人体図ですね。

『マンスール解剖書』写本。16世紀サファヴィー朝イラン。
絶賛、ユナニ医学の四大元素説を勉強中ですので…

『マンスール解剖書』こと『マンスールのための医学の書』は、バグダードとライーで活動したアル・ラージー(d.

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ユダヤ教神秘主義の流出論と四元素論

ミクロコスモスとか声字と聞くと、やはり弘法大師空海を連想します。

また、井筒俊彦の一連の著作を思い起こします。

四元素論は「ユナニ医学」を通してユーラシア大陸中に広まっていたと思いますので、そのあたりをもう少し調べなければ⋯

1.カッバーラーと四元素の流出根元としていわば深淵に潜む神の本体から、先ず神名が流出してきて、つづいて数や字母により様々な次元としての宇宙空間が形成され、そこからさらに

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シャルトル学派ティエリーの4元素説

シャルトルのティエリーは、多くの12世紀の学者と同様に、プラトンのティマイオスを受け入れ、神学的問題に哲学を適用したことで有名とされます。

なかでも、プラトンのティマイオスを参照して、「四元素説」を用いて、『創世記』のヘキサメロン(創造の6日間)を解釈したようです。

シャルトル学派の特徴をなすのは、プラトン主義と古代文学の復興であり、それゆえその性格は論証的・スコラ学的というよりはむしろ人文主

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