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柔らかな北側採光を取り込む

柔らかな北側採光を取り込む

砺波の家7/
建物を計画する際、日光をどのように建物内に取り入れるかを常に意識して計画しています。

採光計画の基本は、日当たりの良い南面に開口部を集めることですが、それが叶わない場合も良くあります。

その際有効な考え方の一つに北側採光が挙げられます。

太陽の光は、太陽からの直接の日射量の直達光と、雲やちりなどに反射されて地上に到達する散乱光に分ける事が出来ます。
晴れた日に日陰に入っても十分

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人と環境の流れを同時にデザインする

人と環境の流れを同時にデザインする

砺波の家6/
家に居ながらも柔らかな光と吹き抜ける爽やかな風を感じられること、そうした環境は住まう人の心を豊かにし、より快適な生活環境をもたらします。
そういった意味でも、開口部の位置や形状、大きさ、そのディテールはとても重要になってきます。

単に南面だからといって大きな開口部をとってもプライバシーが保たれずにカーテンで閉ざされてしまっては意味がありませんし、景色が綺麗でも騒音に悩まされる環境だ

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発想の柔軟さが、広がりを生む

発想の柔軟さが、広がりを生む

砺波の家5/
玄関から土間通路、書斎、勝手口まで続く土間通路。

奥の勝手口の扉を開けるとすぐに裏の道路につながります。

玄関と言いながらもここは靴を脱ぐ場では無く、土間通路と言いながらもそこはリビングの延長、縁側のような場所であり、書斎と言いながらも土間通路の延長であり勝手口である。

玄関や書斎、呼び名だけでイメージしてしまう一般的な空間の印象を一度取り去り柔軟に考えていくことで、空間は大き

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プロポーションを整える

プロポーションを整える

砺波の家3/
設計者として重要な役割の中に、「寸法を決める」ということがあります。
この寸法によって、建物の高さ、部屋の大きさ、屋根の勾配、天井の高さなどが決まってきます。

さらに、細かく見ると、屋根の厚みや軒の出、幅木の厚み等建築に関わる全ての物質の寸法を決めることも設計者の重要な役割です。

この寸法にはこれだという正解はなく、個々人の設計者に委ねられている為、例えば同じ間取の建物でも受ける

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軒下空間を見直す

軒下空間を見直す

砺波の家2/
建物正面に広がる奥行き5mを超える軒下空間。
この空間は、住人のみでなく、地域の人々にも開放され、公園の東屋のような憩いの場として、また、積雪時などは自家用車を守るカーポートとしてもこの空間は活用されています。

軒下空間を見直す。
実は軒下空間は、日本が急速に失っているスペースの1つです。
建築基準法の建ぺい率の問題で、外壁から1m以上張り出す屋根は面積に加算されてしまうので、屋内

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地域に新たな建築を根付かせる

地域に新たな建築を根付かせる

富山県砺波市に計画した住宅です。
敷地は住宅街の中でありながらも、東西面を道路、北面を公園に囲まれた良好な環境の中にあります。
関東に住まいを持つ施主は、故郷であるこの地に新たな終の住まいを建てることを決めました。
富山県砺波市は典型的な日本海側気候です。
年によりばらつきはあるものの、冬には積雪も多く1年を通し曇天の空模様が多く広がります。
この環境から朗らかな生活を守る建築、また、この地は施主

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コンクリートと木の混構造の家

コンクリートと木の混構造の家

沖縄県沖縄市に計画した住宅です。

沖縄の建築物はコンクリート造で築かれたものが圧倒的に多く、全体の9割を超えます。大型の台風の存在はその一因ですが、この地域の暑さから生活を守るという点においては、コンクリート造の選択は十分な回答ではないと考えられました。

本計画では、1階をコンクリート造、2階を木造で建物を構成することでコンクリートの持つ剛性と木のもつ断熱・調湿・柔軟性、違う素材の特性を巧く混

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中庭を愛でる平家

中庭を愛でる平家

緑豊かな環境下に計画した両親の為の実家です。
敷地は祖父が所有していた田畑を埋め立て形成された500㎡を超える広大なものでありました。 老後の家という事で建物は平屋であることが望ましいし、何よりも気兼ねなくゆったりとした時間を過ごす事の出来る住宅が求められました。

様々に計画を試み、最終的に 採用したのは中庭形式の住宅です。外部の豊かな環境を取り込みながら各居室を配置し庭を囲いました。

中庭形

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風景に溶け込む家

風景に溶け込む家

前方に白山連邦を望む田園地帯というとても贅沢な敷地に建つ住宅です。

この展望をいかに内部に取り入れるか、その中で風景になじむ外観デザイン、施主が望む家事動線の確保が設計の重要なテーマとして設計の方を進めていきました。

四季に応じて移り変わる風景の中、建築がその中でどのような振る舞い方をすべきかを考え計画を行なっています。

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土間通路のある平家

土間通路のある平家

富山県砺波市に計画した住宅です。
典型的な日本海側の気候であり、冬には積雪も多く、1年を通し曇天の空が多く広がります。
そのような環境の中、穏やかな生活を包み込むような、ゆったりとした大屋根を持つ平家の住宅を考えました。
大きな屋根の下、四季の移ろいを十分に感じられるよう良好な環境が広がる公園側に開口を集めると同時に、東西に伸びる長い土間通路をそこに設けています。
東西面の道路からの便利なアクセス

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明るさに満ちた二世帯住宅

明るさに満ちた二世帯住宅

今回は7人家族の比較的大きな二世帯住宅をご紹介いたします。

比較的大きな住宅であるので、そのヴォリュームが街区に対して圧迫感を与えないよう慎重に計画を行っていきました。

大黒柱に支えられた大屋根の下、明るく風通しの良い、クリアな住環境が確保されています。

是非、ご視聴ください!

環境に馴染む軽やかさを求めて

環境に馴染む軽やかさを求めて

今回は2年前に完成した南砺の家をご紹介いたします。

この家の心地良さは何者にも変え難く、訪れるたびに心が穏やかになります。自邸でもこの空間の穏やかさを取り入れていきたいなと考えています。

この家を建てた際、なんでこの形に?とよく聞かれたものです。

なかなか実物を前にせず話すのは難しいものですが、建物の形には様々な意味が込められています。

そのあたりのこともこの動画を通してわかってもらえると

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十六角形の平家の棟上げ

十六角形の平家の棟上げ

現在工事中の「十六角形の平家」の棟上げの様子をご紹介いたします。

考え抜いた構造躯体が立ち上がっていく姿を見る過程はワクワクするものです。

建物の美しさは、構造・構成の美しさであると感じます。

構造躯体の持つ力強さ、木であるが故の柔らかさ優しさを享受できる住宅を建てることができたらなと毎回考えています。

木造だからできる空間を目指して。

今回の動画からもその辺りのことが伝わっていただけた

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環境と共に生きる事で豊かさを得る

環境と共に生きる事で豊かさを得る

写真は約10年前に建てた両親の住宅、いわば僕の実家になります。

建設地は石川県能美市。

石川県は冬は寒く、冬季はもちろん雪に覆われます。
石川県では年間170日ほど雨が降ります。なので年間を通じて湿度も高く夏の暑さも相まってジメジメした蒸し暑い日が続きます。

そのような環境の中、両親はエアコンを全く使わずに、冬も低温設定の床暖房だけで十分に快適にこの家で過ごしています。

今ある環境循環の中

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