わたしに無いもの

夕方、一緒に住んでいる彼のスマホにお母さん(彼の)から連絡が来た

テレビに見入ってたわたしは、段々と心が落ち着かなくなっていた

近況を報告し合える、当たり前の親子関係

わたしには、それが無い

中学の頃、いわゆる思春期

いや、物心ついた時には母親との関係は悪化していた

その頃、妹や弟はまだ小さく手のかかる時期
わたしは自分の伝えたいことを言えなかった
というより我慢していた

よくある
｢今日ね、学校でこんなことあったの！！｣
｢学校でこれが要るのだけどある？｣

などの会話なんてなくて

小さな頃から親子関係なんて希薄だったのかもしれない

学校でいじめを受けてた時も
学校自体、行きたくなかった時も言うことなんて出来なかった

唯一
｢学校行きたくない｣と一言言ったけれど

｢何言ってんの？ダメでしょ｣
と一言で片付けられて、そこから心を閉ざした

今でも母親との関係は良好とはいえず
わたしが少しでも関係を戻したいと思っていても、向こうはわたしには関心ない
むしろ、弟や妹の方が一緒にいて気が楽なのかもしれない

よく小さい頃に
｢お姉ちゃんなんだから｣とか
｢しっかりしなさい｣

と口癖のように言われてきたけれど

それって

今思えば
『しっかりしてないよね』
『お姉ちゃんらしくないよね』
と否定的に言われているように聞こえる

｢お姉ちゃん(お兄ちゃん)だから何？｣
｢人前でしっかりしなきゃいけないの？｣

と問いたくなるものだ

大人になった今、わたしに無いもの

それは

母親から愛されたということ

褒められた記憶なんてなく、いつも怒られてばかり

否定的なことばかりを言われ続けて、自己肯定感なんて無いに等しい

今更、良い母娘像を描くなんて無理

｢愛される｣

ってなに？

小さな頃にギューッと抱きしめてくれた記憶なんて皆無

大人になっても苦しむなんて想像出来なかった

母親の愛ってなに？

優しさって何？

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