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「進撃の巨人」で学ぶ、「当たり前の日常」は当たり前ではないということ

「隣にいる奴が…明日も隣にいると思うか?俺はそうは思わない。そして普通の奴は、毎日そんなことを考えないだろうな」

✔突然の地震

 昨夜23時すぎに、地震が起こりました。久しぶりのそこそこ大きな揺れと、何よりも揺れる時間が長かったこと、夜中だったことなどもあり、大きな不安を感じたのは、私だけではないと思います。地域によっては、怪我をされた方も大勢いらっしゃるようですので、1早いご回復をお祈りしております。

 こういうことは突然起きるもので、日頃なんの防災の備えもせずに、呑気に生活しているみみのすけですが、さすがに、ちゃんと防災対策や準備をしようと思いました。

 ですが、それ以上に、当たり前に続いていた日常が、明日以降も同様に続くという保証はないのだという危機感を、改めて募らせました。そこで思い出したのが、進撃の巨人のリヴァイの言葉です。

✔リヴァイと言う人物

 リヴァイ(CV:神谷浩史)と言えば、進撃の巨人きっての人気キャラですよね。人類最強の兵士として名高く、クールでニヒルな雰囲気ですが、その実仲間想いでもあります。実はものすごくキレイ好きで、三角頭巾&エプロン姿は、多くの女性ファンを萌えさせました。

 基本的に笑うことはなく、非常に小柄で本人もそのことは気にしているようです。リヴァイがエレン(CV:梶裕貴)をボコボコにした時、ミカサ(CV:石川 由依)が「あのチビは調子に乗り過ぎた。いつか私がしかるべき報いを」というセリフもありました。

 リヴァイは立場上、苦渋の決断を迫られることも多いですが、苦しみつつも果敢にできるだけ早く決断を下します。その際の苦しみは自分の中にしまい込み、飲み込んで戦い続けるというような、個人戦闘能力だけでなく、指揮官としても非常に有能な人物です。

 また、巨人にやられて息も絶え絶えな兵士が「自分は人類の役に立ったのか」と問いかけた時、「お前は十分に活躍した。そして…これからもだ。お前の残した意志が俺に”力”を与える」と返した場面では、部下に対する思いやりと誠実さが垣間見えました。

✔死線をくぐり抜け続けてきたリヴァイの重い言葉

 冒頭にあげた「隣にいる奴が…明日も隣にいると思うか?俺はそうは思わない。そして普通の奴は、毎日そんなことを考えないだろうな」というセリフの、特に「普通の奴は毎日そんなことを考えないだろうな」という部分が特に気になりました。

 調査兵団として巨人と戦い、常に死と隣り合わせにいて、多くの仲間を失ってきたリヴァイは、当たり前のように一緒にいて話をしていた仲間が、明日どころか数時間後、数十分後には、いなくなってしまっていた経験を幾度となくしています。

 リヴァイはこの後に、「…つまり俺は普通じゃない。異常な奴だ・・・異常なものをあまりに多く見過ぎちまったせいだと思ってる。」と続けています。どの世界でも、守られる側よりも守る側が異常な世界に身を置くのは常です。

 異常な状態…つまり、自分や部下、仲間が命を常に危険にさらし続けるという、極限の緊張状態に長年身を置き続けるということは、「死」が当たり前のものとして、常に身近に「共にあり続けている」状態だと言えます。

✔「普通」の人でも平穏は約束されていない

 一方で「普通」の人…つまり、戦いに行くこともない一般の民衆たちー守られる側の人たちーは、「平穏な日常はいつまでも、平穏な日常のまま続く」と漠然と思っているものです。

 ですが当然、一般民衆だからと言って、平穏な日常が約束されているわけでもないというのが現実です。突然現れた巨人に壁が破壊されて、ある日を境に日常が破壊され、当たり前のようにいた親や子供、友人がいなくなってしまう…という事態が起こるのですから。

 そしてその可能性は、この進撃の巨人の世界に限った話ではなく、現実で生きている限りゼロではありません。周知のとおり、地震、津波、洪水、台風…そしてコロナ…それだけでなく、事故や事件、色んな災難などが絶え間なく起こっています。

 私たちの日常は決して平穏なのでもなく、いつ何時、どんなことが起こるか分からない、そういう目に合わないのは、ただ運が良かっただけなのだということが分かります。

 少しづつそういう認識が芽生えて来たのは、恐らく私だけではないのではないでしょうか。そして、そういう認識が出てきたのは、多くの「普通ではない」ことが、私たちの目の前に現れてきたからに他なりません。

✔いつかはお別れする日がやってくる、という事実を忘れない

 「隣にいる奴が・・・明日も隣にいると思うか?」自分自身がいなくなる可能性も含めて、絶対にないとは言えないと考えると、当たり前のように傍にいる、親や兄弟、夫、妻、子供、友人…彼らに対して、1日1日、もっと思いやりを持って、後悔のないように大切に過ごしたいと思うようになりました。

 私自身、ダンナさんといくら仲が良くても、毎日一緒にいれば、ちょっとしたことで気分を害したり腹を立てたりすることはあります。でも、一緒にいられることが当たり前ではなく例え天寿を全うできるとしても、いつかは必ずお別れの日が来ることを考えると、いつか来るその日まで、1日でも1時間でも、互いに楽しく、笑いあう時間を、少しでも多く共有している方がずっといい…そう思えました。

 銀河英雄伝説のアンネローゼ・フォン・グリューネワルトが、弟のラインハルトに向かって、「あなたにとって最も大切なものが何であるか、いつも忘れないようにしてください。時にはそれが煩わしく思えることがあるでしょうけど、失って後悔するより、失われないうちにその貴重さを理解して欲しいの」というメッセージを送るシーンがあります。

 あなたにとっての大切な人は誰ですか?いつも「いってらっしゃい」と見送ってくれる人。「いってきます」と告げる相手、「おかえりなさい」と迎えてくれる人。遠くで見守ってくれている親、いつも他愛のない談笑をする友人…その人たち過ごす時間を、どうか1分1秒を大切に愛おしんでてあげてください…。

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