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【小説】十話 おっさんえんでんべぇで再生か?
10.川瀬祭
駅前の店の準備が終わり、古民家へ行ってから七海は大夢と話が合い、一気に意気投合した。お互い気さくなのもあて、昔からの友達かというほどに仲良くなっていた。
七海と大夢は根が真面目というのもあり、祭の準備もそこそこに青年団や秩父の現状を話し出すと深刻な顔してうーん、うーんと困ったように二人で唸りだし、そうと思えば今後はこうするのはどうかと意見交換し始める、まるで子供みたいに目を光ら
【小説】第三話 おっさんえんでんべぇで再生か?
3.遅い昼食
ゴミ集めが終わると七香に急かされて七海は布団を押入れへ仕舞うと次は掃除機をかけとドンドン急かされ昼過ぎ、やっと部屋は綺麗になった。
本来、昔から使っていた自分の部屋が別にあるのだが、七海は面倒臭がって居間のテレビがある部屋で寝泊まりしていた。そこが台所とトイレに近く、玄関もガラス戸を挟んで向こう側にあり出入りしやすいからだ。
居間には長方形の木でできた長めのテーブルというか
《児童小説》 吾、猫になる 1 ようこそ、キャットストリー島11
夢話ノ拾壱(11) おふくろさん
そらがお茶漬けを待ってる間、食堂もピークが過ぎて落ち着きを見せ、オリはいつの間にか洗い物を済ませ、エプロンで手を拭きながらそらの隣へちょこんと座る。そして、一息つくようにキッチンからメガがテコテコ歩いてきて花の隣の席に座り、そらと花は夫婦に囲まれた。
お腹が空いて何も考えずここまで来たので、そらはその時急に肩身が狭く感じて縮こまる。花は猫そのもので、食べ終
《児童小説》 吾、猫になる 1 ようこそ、キャットストリー島10
夢話ノ拾(10) おふくろの味
お元気三ネズミは気づくといつの間にか何処かへ消えていて、そらと花は二匹の背丈に合わせて置かれたカウンターのイスに座った。
目の前の海鮮丼に目をキラキラさせながらよだれがたれそうなゆるんだ顔で小さな前足をちょこんと合わす。
「「いただきます」」
同時に言った二匹は、海鮮丼を食べ始める。ただ、そらはお盆に乗っていた木のスプーンで器用にすくって食べるのに、花
《児童小説》 吾、猫になる 1 ようこそ、キャットストリー島9
夢話ノ玖(9) レッサーパンダとペンギン夫婦
お元気三ネズミと一緒に、そらと花は食堂の中へと入った。中もガヤガヤとにぎわって活気があって、みんな美味しそうにご飯を食べて嬉しそうで楽しそう。
一番奥のオープンキッチンからぷんぷんとただよってきた美味しそうな匂いで、我慢できないとそらのお腹の虫がぐーぐー鳴り出して、クークー合唱する様に誰かのお腹の虫も鳴き出した。
そらは恥ずかしそうに両前足でく
《児童小説》 吾、猫になる 1 ようこそ、キャットストリー島8
夢話ノ捌 ぱんだ屋食堂
お元気三ネズミの自己紹介が終わり、そらは前足で拍手をして目をキラキラさせている。その隣の花は、物珍しそうに見ていた割にはおすまししている。
「おもしろいにゃね!お元気三ネズミ!これから一緒に、よろしくにゃよ!」
そらはそう言って、片方の前足をお元気三ネズミの方へ出した。お元気三ネズミはぐっと親指を立てた後、一列になってタタタっと軽快に走ると、そらへ飛び乗って、そ
《児童小説》 吾、猫になる 1 ようこそ、キャットストリー島7
夢話ノ漆 よろしくお元気三ネズミ、案内人
「おぉ〜お!怖いにゃんねぇ〜。でも仕方ないにゃん。この島に住むには、条件があるにゃ〜よ〜」
睨んでる花にそう言うが、オットは特には怖がってる様子はない。条件と言った時に、にやぁ〜と大きい三日月みたいな笑みが溢れ、ピンと一本だけ器用に指を立てる。
「一つ、この島で必ず働くことにゃ。ただそれだけ、実に簡単にゃ。なんでも好きな仕事を選べるにゃんから〜