『裸奥』

舐めるように見る人、神経質にペンを動かす人

ヌードのデッサンは色々な人がいる。

ただ彼からは、そんな空気を感じない。

風景を描いているような穏やかさ。無言だけど

心地いい。週一度の彼との時間がとても好き。

ある日、知人から彼が亡くなった連絡があり、

今までの画を渡された。そして、驚いた。

そこにいたのは裸ではなく、服を着て笑う私。

こんな風に見てくれていたなんて。

貴方もあの時間を愛しく思っていたなんて。

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