『海頼』

今日が決行日だ。会社の奴等を殺してやる。

一度の失敗を責められ罵倒され、心は砕かれた。

それでも、居場所がなくても、通い続けた。

だけど、もう限界だ。

揺れる電車に座りながら、殺気は昂っていった。

ころん。左肩に、隣の女の頭が乗ってきた。

振り払おうとして止めた。頰を伝う涙が見える。

眠りながら泣いている？お前も辛いのか？

気づけば、会社の最寄駅を通り過ぎていた。

終点は海。お互いの心のすべてを洗い流そうか。


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