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アルセーヌ・ルパン『特捜班ビクトール』-その4 ルパンはビクトール刑事の追跡を逃れることが出来るのか?-

(Spoiler Alert!ネタバレ注意!)

みなさん、こんにちは!

今回のエピソードでは、国防債権を盗んだのはルパンなのか⁉と思われる描写が出てきます。

果たして本当にルパンが債権を盗んだのか⁉

そして、アレクザンドラ公爵夫人は、本当にルパンの恋人なのか?

また、今回パリの主要駅である、2駅が登場します。

北駅とサン・ラザール駅です。

北駅(Gare du Nord)は、イギリスやベルギー等、北方面の国に行くときに利用する駅です。シャルルドゴール空港とも繋がっているので、空港から列車に乗り、北駅で降りると、パリに着きます。

北駅は、外観がとても荘厳で、映画「ボーン・アイデンティティー」でその外観を観ることが出来ます。

また、ルパンファンにとって、北駅と言えば、『ルパン対ホームズ』が思い浮かびますよね。

ルパンとシャーロック・ホームズが、北駅のレストランで(偶然ではありますが)食事することになります。

そして、サン・ラザール駅は、ルパンファンにとってはおなじみのパリの駅ですね。

ルパン作品に登場しすぎているので💦、もうどの作品に出ていたか、全てを思い出せないくらいです。

ルパンのホームグラウンドである、ノルマンディー地方に行くときに使う駅ですね。

それでは、早速みていきたいと思いますが、アルセーヌ・ルパンやフランスの旅、謎解きや推理・探偵小説がお好きな方は、拙著とYoutubeもあわせてご覧いただけると嬉しいです。

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https://www.youtube.com/channel/UCJLOYQcaT1uWCdOOZKjplig

ビクトールは、多くの外国人で賑わう大きなホテルに、外国人になりますまして宿泊し、アレクザンドラ公爵夫人に近づく機会を伺う。

公爵夫人は、レスコーとエリーズ殺しの犯人なのか?

彼女は、ルパンの恋人なのか?

ある日、ビクトールは公爵夫人のエメラルドが盗まれたのをきっかけに、彼女と話すことに成功する。

(もちろん、エメラルドは彼がくすねていた)

ビクトールのねらい通り、公爵夫人と親しくなり、レスコーやエリーズの殺人事件の話をしてみるが、夫人は動揺した様子をみせない。

その後、夫人がホテルで2人の男に目くばせしているのを目撃する。

ホテルのボーイに聞くと、ひとりはイギリス人のビーミッシュだと言う。

ビーミッシュは、ルパンの変装なのか?

ビクトールが、部下にこっそりビーミッシュの部屋を捜索させると、殺されたエリーズのスカーフが見つかる。

そして、マルブフ通りのバーにイギリス人を中心とした国際的なギャングが集結しているという情報が入り、警察が急襲する。

マルブフ通りは、シャンゼリゼ大通りから1本入ったところの通り。

3人が逮捕され、その中にルパンが含まれていると報道される。

ビクトールは、この急襲事件を知った夫人が動揺しているのを見逃さなかった。

その後の警察の発表で、3人の逮捕者の中にルパンはいなかったが、1人はエリーズの恋人で、エリーズがドートレー男爵のお金を盗んで、この恋人と逃げるつもりでいたことが明らかになる。

(殺されたエリーズは、男爵と不倫していましたが、それはお金目当てで、本当は別の恋人がいたんですね。)

その後、ドートレー男爵を北駅からサン・ラザール駅まで乗せた運転手が見つかる。

男爵は、北駅(青マル)→凱旋門→サン・ラザール駅(赤マル)と、わざわざ遠回りのルートを辿っていた。

北駅(青マル)とサン・ラザール駅(赤マル)

ビクトールは、「盗んだ債権をタクシーの運転手と話をつけて預けたか、それとも車に隠すために」わざと遠回りしたと、推理する。

男爵は盗んだ債権を持って愛人であるエリーズの家に行き、2人は北駅へ行って列車を待っていたが、(なぜだか理由は分からないが気が変わって)出発をとりやめる。

男爵はエリーズを家に帰らせてから、自分はサン・ラザール駅に向かう。

しかし、そのとき(夕刊か何かを見て)自分が国防債権盗難の容疑者になっていることを知る。

そのまま、自宅のあるガルシュに帰るわけがなく、車のクッションの中に債権を隠したのだ。

ビクトールが自分の推理通りに早速車を調べると、中からは債権ではなく、なんとルパンの名刺が出てくる。

それには「ありがたく頂戴した」と書かれてあった。

翌朝、新聞はこの出来事を報道し、アルセーヌ・ルパンがどうやって特捜班ビクトールの追跡を逃れるか!?に、世間の関心が集まる。

続く。

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