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アルセーヌ・ルパン『特捜班ビクトール』-その2 殺人事件発生!映画館で見かけた女性の気になる正体-

(Spoiler Alert!ネタバレ注意!)

みなさん、こんにちは!

今回のエピソードは、前回紛失した国防債券が入った黄色い封筒を追って、ビクトール刑事が、サン・クルー→ガルシュ→パリと、いくつかの街を移動しながら追跡します。

つい先日、ビクトール刑事が、映画館シネ・バルタザールで見かけた美しい女性がまたしても現れ、彼の心がざわつきます。

この女性が犯人なのかどうか、気になるところですね。

それでは早速みていきたいと思いますが、アルセーヌ・ルパンやフランスの旅、謎解きや推理・探偵小説がお好きな方は、拙著とYoutubeもあわせてご覧いただけると嬉しいです。

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ビクトールは、次の日もサン・クルーへ捜査に出向く。

パリの隣町サン・クルー

彼の推理では、パリからサン・クルーまでの間に、夫人が誰かにその封筒を渡したと考えていた。

彼女と同じ車両に乗っていた人物、もしくは親しくしている人物を洗い出してみるが、事件に関わっているような人間は出てこなかった。

ビクトールは、サン・クルーの隣町のガルシュにある小さなカフェ(カフェ・デ・スポール、ガルシュの駅前にある)を本拠地に据えて、周辺地域を捜査する。

ガルシュ駅

現在は、カフェ・デ・スポールという名前ではないですが、「Aux Gourmets d'asie」というカフェが、ガルシュの駅前にあるようですね。

すると、この夫人には恋人がいることが判明。

そのレスコーという恋人の家に行くと、男が倒れて瀕死の状態だった!

ビクトールが追いかけ、犯人の顔を見ると、なんとビクトールが、先日シネ・バルタザール(映画館)で美しいと見とれていた女性だった!

別の部屋で発砲が聞こえ、ビクトールが駆けつけると、仲間の刑事が撃たれており、先ほど瀕死だったレスコーは既に死んでいて、黄色の封筒は見つかるが、中身は空だった。

ビクトールは取り逃がした女性のことが気にかかる。

警察では、レスコーを殺して逃げた2人の男女について、全く手掛かりがつかめないままだった。

しかし、ビクトールは駅員の証言から、殺人犯の情報をつかむ。

その男性は身分のある男性で、ドートレー男爵だという。

ビクトールの推理では、国防債権が入った黄色の封筒をシャッサン夫人が盗み、それを夫人の恋人であるレスコーに渡し、同じ車両に乗っていたドートレー男爵がそれを見ていたのではないかというものだった。

ビクトールは男爵の家を訪ね、夫人に話を聞くが、男爵は犯行時刻に夫人と一緒にいたことが分かる。

犯行現場に落ちていた男爵の帽子は、最近ずっと衣装戸棚にしまったままで、使っていないと男爵は言う。

しかし、男爵にはパリに愛人がいることが判明。

その愛人はリュクサンブール公園近くのボージラール通りに住むエリーズという女性で、「フォリー・ベルジェール」の踊り子だった。

(ボージラール通りは「カリオストロ伯爵夫人」にも登場した、リュクサンブール公園に隣接した通りです。)

ボージラール通り

フォリー・ベルジェールは、ベル・エポックの時代に有名だった劇場で、過去の記事でも紹介していますので、ご覧ください。

現在もパリで営業しています。

ムーラン・ルージュとフォリー・ベルジェールは、ベルエポックを代表する劇場なんじゃないかと思っています。

パリに行く際は是非、劇場の中に入ってみたいですね。

ジェセフィン・ベーカーもこの劇場で踊っていたみたいです。

パリ9区のリシェ通りにあるようですが、なんと近くに「フリーメイソン博物館」もあるんですね。)

フォリー・ベルジェール

続く。




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