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物語

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#創作大賞2023

卵から産まれた子供は鬼退治に行った物語

卵から産まれた子供は鬼退治に行った物語

『私と鶏太郎の奇妙な日々』

それは明らかに赤ちゃんだった。
しかも人間の赤ちゃんだった。
私は衝撃だったが、そんなことより充分熱したフライパンが、ジュージュー言っている。
その音が赤ちゃんが泣いているようで、パニックになった。
私は慌ててフライ返しで赤ちゃんをすくって、水にさらした。
一体どうなっているんだ?

私はいつものように朝食を作ろうとしていた。
私の朝食は決まって、トーストと目玉焼きだ

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仮面を外した日。それは友達と心の交流物語

仮面を外した日。それは友達と心の交流物語

『仮面の向こうの君』

私は仮面をつけている。
仮面は私の顔とぴったり合っていて、どんな時も必ず合う表情の仮面を私は持っている。仮面は私の味方だ。仮面は私を守ってくれる。

私は仮面をつけている。
今日は友達の誕生日だ。笑顔の仮面をつけて、サプライズケーキを持って部屋に入る。電気を消して、ハッピーバースデーと歌う。友達は驚いて喜んでくれる。笑顔の仮面は私に明るさを与えてくれる。笑顔の仮面は私に人気

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おじいちゃんの眼鏡殺人事件物語

おじいちゃんの眼鏡殺人事件物語

『愛するがゆえの眼鏡』

センターにはおじいちゃんの遺影がある。
眼鏡をかけた白髪のおじいちゃんが笑顔でいる。
なんとも優しそうだ。
周りにいる人達のすすり泣く音が、よりおじいちゃんの優しさを際立たせた。

そこに僕もいた。
僕はおじいちゃんの孫だ。
僕は葬式場にいると悲しくなるので、そこから離れた。

何気なくやってきたのはおじいちゃんの部屋だった。
洒落たものが沢山ある部屋だ。
万年筆やハサミ

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同じ顔の男に追われる恐怖物語

同じ顔の男に追われる恐怖物語

『吉田だらけの呪いかな』

「あれ?あいつ…」

僕は目を疑った。
喫煙所で一人タバコを吸っている男は、友人の吉田のようだった。
同じ髪型、同じ顔立ち、同じ体型。
でも違うはずだ。
吉田はタバコもスーツも嫌っていたし、そして何よりこんなところに彼がいるはずがない。

僕は気になって近づいてみた。そして恐る恐る声をかけた。
「すみません…」
男は僕に気づいて振り返った。
その瞬間、僕は息を呑んだ。

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愛か?勝利か?ミラが最後に選んだ回復魔法物語

愛か?勝利か?ミラが最後に選んだ回復魔法物語

『最後の回復魔法』

ミラ達は死の淵にいた。

とても強敵なモンスターだ。
私たちのレベルでこの敵出現する?くらいのモンスターだった。

ミラは回復魔法をパーティーにかけ続けた。
自分は攻撃する暇はない。ずっと勇者、戦士、武道家と順番に回復魔法をかけ続けた。

私たちはこの強力なモンスターに勝てるだろうか?

そんな時、ミラは昨日の晩のことを思い出す。

勇者テベスに話があると森の奥に呼び出された

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ご褒美はどっち?~子猫と何だかわからない赤褐色のぬめぬめした生物の物語~

ご褒美はどっち?~子猫と何だかわからない赤褐色のぬめぬめした生物の物語~

『ご褒美』~子猫Ver.~

ある日、小学校の帰り道、マリはお母さんから電話がかかってきました。「今日はテストでよく頑張ったね。お家に帰ったら、ご褒美にケーキを買っておいたからね」とお母さんは言いました。
マリは大喜びしました。ケーキが大好きなのです。早く家に帰りたいと思いながら、マリは歩き始めました。

しかし、途中でマリは困ったことに気づきました。
道路の向こう側に、小さな子猫がいるのです。

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ありがとうから始まった恐怖物語

ありがとうから始まった恐怖物語

『節約狂気』

ある日、妻は夫から給料が減ったと告げられた。
夫は会社の業績が悪化したと言った。
妻は家計を支えるために、節約を始めることを決心した。
しかし、節約はやりすぎると危険なことになるとは、彼女はまだ知らなかった。

妻は節約のために、スーパーの安売りを狙って買い物をした。
また、電気代や水道代を節約するために、家の中の電気をこまめに消したり、お風呂の残り湯を洗濯に使ったりした。
さらに

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チョコレートを盗む男とレジの女の子の甘くて苦い恋物語

チョコレートを盗む男とレジの女の子の甘くて苦い恋物語

「あの人、カッコイイわ」
私はレジの横にあるモニターを見て、つぶやいた。
モニターには、スーパーの入り口に入ってきた男の姿が映っていた。彼は白いシャツと黒いパンツを着ていた。私は彼を見て、惹かれた。

彼はとても美しかった。目は青くて鋭く、鼻筋は高くて整っていた。唇は厚くて赤く、笑っているように見えた。髪は金色で長く、肩にかかっていた。体つきはがっしりとしていて、歩き方は堂々としていた。

私は彼

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犯人失格

犯人失格

『犯人失格』

私は彼らを見下ろしていた。彼らは私が仕掛けた罠にかかって、地下室に閉じ込められている。
彼らはまだ気がついていないようだ。
私は彼らにビデオメッセージを流す準備をしていた。ビデオメッセージには、私の顔は映っていない。声も変えてある。

「こんにちは。あなたたちは私によって選ばれた特別な人たちです。あなたたちはこの地下室から脱出するチャンスを与えられます。しかし、そのためにはあるゲー

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ドッキリが裏目に!?アイドルの暴走とディレクターの苦悩物語

ドッキリが裏目に!?アイドルの暴走とディレクターの苦悩物語

『ドッキリ連鎖』

私はテレビ局のディレクターだ。
仕事は好きだが、最近は視聴率が低迷している。
そこで、人気アイドルにドッキリを仕掛けるという企画を思いついた。
こわいヤンキーに絡まれるというものだ。
アイドルは驚いて泣き出すか、逃げ出すか、あるいはヤンキーに反抗するか、どれも面白そうだった。

しかし、予想外のことが起こった。
アイドルは豹変して殴るわ蹴るわでヤンキー役をボコボコにしてしまった

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感情を制御された世界の物語、感情日替わりセット

感情を制御された世界の物語、感情日替わりセット

『感情日替わりセット』

今日の感情日替わりセットは「怒り・驚き・喜び」だった。

僕はスマホの画面に表示された文字を見て、ため息をついた。
これでは、今日は仕事にやる気が出ない。
私は会社の営業マンだが、感情日替わりセットによって、毎日の仕事ぶりが左右されていた。

感情日替わりセットというシステムは、数年前から世界中で導入されているものだ。
人間は自分で自分の感情をコントロールできないというこ

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ホームランボールを4度キャッチしたことがあるのに、ブーケはキャッチできない女の物語

ホームランボールを4度キャッチしたことがあるのに、ブーケはキャッチできない女の物語

『ブーケボール』

私は野球が大好きで、よく球場に観戦に行く。
そんな私には自慢できる特技がある。
それは、ホームランボールをキャッチすることだ。

今までに4度もホームランボールをキャッチしたことがあるのだ。
しかも、そのうち2度は記念すべきホームランだった。

一度目は、広島の丸選手の20号ホームラン。
あの時は、レフトスタンドで観客がキャッチしてしまったと思ったら、私のグローブに入って

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