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TABLO連載【加筆修正】

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ニュースサイト「TABLO」に連載をした過去記事に加筆修正をしてまとめています。
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2020年1月の記事一覧

わたし、おかあさんになれない

わたし、おかあさんになれない

わたし、おかあさんになれない「子どもが欲しい」と思えたことがない、ということが、わたしの一番大きなコンプレックスです。

SNSで #あたしおかあさんだから というタグが作られ、さまざまな意見が飛び交いました。このタグは、絵本作家さんが書いた「あたしおかあさんだから」という曲の歌詞への意見としてはじまりました。
これから書く文章は、この曲についての分析や批評ではないので、歌詞に興味のある方は検索を

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他人の壁を勝手に取っ払おうとしないでほしい

他人の壁を勝手に取っ払おうとしないでほしい

「そんなところにいないで」の「そんなところ」とはときどき、誰かの善意に押しつぶされそうになります。

自分のタイミングで向き合う準備をしている問題に勝手に火をつけて、話したこともないような人が「自分が助けてあげるから!」となぜか嬉しそうに駆け寄ってきたり、問題とも思っていないことに「もっと幸せになる方法を教えてあげる!」と手をとろうとしたり。

そういう場合、こちらが喜んで受け取らなければ(あるい

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苦しいときに大きな声で「苦しい」と叫ばなくてもいい世界であれ

苦しいときに大きな声で「苦しい」と叫ばなくてもいい世界であれ

冗談で与えられる地獄は許せたものじゃないわたしは声質に特徴があるため、「声」について人生でたびたび指摘をされてきました。

たとえば、学校で何かを話すと、わざと高い声(おじゃる丸の電ボのような声)でオウム返しをされて笑われることは日常茶飯事でした。自分でも気にしているため、できる限り声を発さないようにして過ごした時期もあります。それでもむりやりにでも声を発さなくてはいけない場面がやってきます。特に

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みんな頑張っているんだから…に続く言葉なんてありますか?

みんな頑張っているんだから…に続く言葉なんてありますか?

普段の生活ではとても言えない気持ちを抱えて暮らしているSNSの「質問箱」というサービスを利用しています。「質問箱」とは、誰でも匿名で質問を送ることができる仕組みです。質問を送られた人は誰が送ってきたのか分かりません。知っているのは、送り主の本人だけです。

そこには日々さまざまなメッセージが届きます。

[病んだときはどうしていますか?]
[職場の人間関係がこわいです]
[家族が精神科に偏見を持っ

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わたしたちは人を殴らず誰も殺さずとも生きていける

わたしたちは人を殴らず誰も殺さずとも生きていける

怒りのフラッシュバック人の死や、心ない言葉、悲しいできごとのフラッシュバックのほかに、受けた暴力や罵倒に対しての「怒りのフラッシュバック」にすっかりやられてしまうことがあります。

わたしは、DV家庭で生まれ育ったので、人が声を荒げたり暴力をふるおうとする場面に遭遇すると、体調によっては昔のことが全部ぶりかえしそうになります。そんなタイミングで連日続くお相撲の「かわいがり」という名の暴力ニュースを

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家族の愛憎は、決して美しいものではない

家族の愛憎は、決して美しいものではない

自分の家のおかしさに気づくきっかけ『ドラえもん』や『セーラームーン』と同じようにSFマンガだと思って見ていた『ちびまる子ちゃん』がエッセイマンガだと知ったときの衝撃は忘れられません。

もしかして 、他の家は家族団らんの日常を過ごしているのか……!?

わたしは、いわゆる家庭崩壊のテンプレのような環境で育ちました。

性格に難アリの酒乱男性が2名いた家は、家族が揃えば大声でのケンカがスタート。DV

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軽々しく”死にたい”と言える場所が必要だった日々

軽々しく”死にたい”と言える場所が必要だった日々

死ななくてはならない現実
神奈川県座間市のアパートで9人の遺体が見つかった「座間事件」をきっかけに、SNSでの自殺や自傷行為についての投稿を規制するニュースをよく見るようになりました。

わたしは10代の終わりから10年ほど、新宿ロフトプラスワンなどで開催している心身障害者のパフォーマンス集団に所属して活動をしていました。アルコール依存症、ひきこもり、摂食障害、ネグレクト、不登校、リストカットなど

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