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ある日突然、〝弟〟から〝私〟に手紙が届いた。30年以上音信不通だった〝弟〟はカトリックに改宗し、山中の無言の行を行う修道院にいると言う。
弟はなぜ、修道士の道を選んだのだろうか?…
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#修道士
【短編小説】 シャルトリューズからの手紙 第6章
その次の言葉は、別の紙から始まっていた。恐る恐る、私は便箋を繰った。
厳密には、いままで僕たちが思っていたような、姉と弟の関係ではなかった、ということです。いいですか。これから僕が書く話を、どうか冷静に受け止めて下さい。そして、これが遥か昔に起こったことで、いまとなっては誰にも、どんなことをしても、もう取り返しのつかないことだということを、肝に銘じておいて下さい。
僕は5年ほど前に、
【短編小説】 シャルトリューズからの手紙 第7章
急に話の風向きが変わったので、好奇心に駆られて僕はつい聞いてしまいました。
「そうです。人の噂によると、彼女は彼女のすぐ下の弟に溺愛されていた。年の近い間柄だったから、幼いころからくっつき合って育ったのは皆が知っていました。私は彼女が彼女の弟を、きょうだいじゅうで一番愛しているのも知っていました。ところが」
「ところが、何です?」
伯爵の顔色が少し変わった。
「おぞましいことです」
「何でしょ