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残暑に反抗したい話

10月に入り、今年も残り3ヶ月となった。しかし、未だに蒸し暑さはある。エアコンのドライは、欠かせない。まだ体感が夏なのだから、もう少し夏を引きずりたい。

ティーンエイジャーでもないのに、青春を昨日までに置いてきたような気がして落ち着かない。「青春」という実体がないのは確かだが、それがどこかにポツンとある気がしてならないのだ。探せば絶対にどこかにあるのだと、『ハックルベリー・フィンの冒険』のトム・ソーヤよろしく、心がフワついている。あと1週間くらいは、それを探す旅に出ても茶番とは思われないかな。でも、やっぱり馬鹿げているのかな。ずっと、思考がループしている。残暑が勝つか、自分が勝つか。

そして、最初の残暑への反抗。浅草の商業施設で見つけた550円→275円になった半額の花火をあるだけ買い占めた。某ドン・キホーテにも売れ残っていなかったのに、まさか、こんな所にあるとは思わなかった。でも、一緒に花火をする相手がいない。買い占める前に分かってはいたことなのだが、絶対に買い占めなきゃいけないという衝動に駆られた。というか、残暑が私をそうさせたのだ。残暑に思いっ切り反抗したい。ただ、それだけ。暦では昨日までが夏で今日からが秋なんて、そんな都合の良いことがあってたまるか。まだまだ、花火くらいできるぞ!きっと、トム・ソーヤも私の味方でいてくれると思いながら、悶々と残暑への反抗心を募らせる。

7月の始めに同性の友人と北千住の荒川河川敷で花火をしたのだが、それ以来、花火をする機会に恵まれなかった。だから、これが最後のチャンス。奇しくも残暑に対向する形でそうなるとは思わなかったが、致し方ない。気温・風速共に残々暑くらいのエビデンスはあるからだ。

そんな、残々暑を充実させるためにしたいこと。1番に花火。2番に桃と梨をたらふく平らげる。3番に夏のオシャレ着をこれでもかと言う程に着回す。昼夜で出かけるなら、2回は違う物を着れるな。薄手はさすがに寒いから、厚手の物で。4番、5番、6番は、その内すぐに出てくるに違いない。

ユーミン大先生の『真夏の夜の夢』を聴きながら、そう思う。

カリビアン・ナイト
ああふけてゆくわ
もり上がるリズム
さよならずっと忘れないわ

夏が更けてゆくリズム、残暑から残々暑へ遷りゆくリズムを感じながらも、真夏を乗り切った。そして、あと残り少ない反抗期を楽しめたらいいな。

今年の夏も、感じ得た全ての歓びと哀しみに感謝したい。また、来年の夏まで。