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名津乃 綾【エッセイ・呟き】

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詩や小説などが主体なのでこちらにあまり書く事はないと思いますが 気が向けば、いろいろ想う事を呟いていてみます ジャンルや分野は様々です 気ままに想うままに…
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2021年3月の記事一覧

夜桜狂

夜桜狂

隣の家の飲んだくれが
夜中に酒飲んで
花見してたら
気が狂ったって?

馬鹿だね……

夜桜は長時間見てると
          気が   変になるんだよ

そんな事も知らないのかい?

桜の木ってのはさ…
呪いを込めて作った藁人形に                                                  怨念込めて釘を打ったり
木の下の土の中には
ほら
アレ…が埋まって

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休日前夜

休日前夜

春の宵に家路を辿り歩く道は
散り始めた花弁が白く染め
吹く風は寒さも無くまろやかに
漏れるため息は諦めや辛さではなく
明日は休日という安堵と喜び

舞う桜に優しく吹かれながら
暫く足を止め
先程買った焙じ茶の蓋を開ける

今日を飲み干して                                                                               

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花冷え

花冷え

春雨が降りしきる
花冷えな本日は
窓を閉めて
過ごしておりましたが
何処からか
すーっと入り込み
ひんやりと肌に吹き付ける
隙間風が冷たい為
夜になりましたら
早めに布団に潜り込むも
憂鬱で中々寝付けない

そんな
日曜日の

         夜なのです…

開花

開花

早くも三月半ばを過ぎ
聞こえてくる開花の便り

毎年
この季節になると想う事があるのです
咲いたと想えばしばらくすると
春風に吹かれ
花吹雪となり はらはら散り行き
人々に踏まれ変色してやがて消えいく

短い命の桜の花は
まるでわたくしの人生の様だと

長く寒い冬が終わり
春という名の
喜びと寂しさと喪失と微かな不安と
少しの希望を覆い隠すかの如く

もうすぐこの国は

桜色に 

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例え痛くとも

例え痛くとも

湿布を貼ってテープで止めて
痛めた足で
軽くびっこを引きながら
明日も夜明け前に起きて
早朝から満員の電車に乗り
通勤致します
お仕事致します

日曜日の夜は何とも憂鬱です

…ただ近頃
心の方も痛むのですよ
ヒヤヒヤズキズキイライラズキズキ

ですが残念ながら心には湿布も貼れず
痛み止めも効きません

あちらこちらと痛みがありますが
そんな事など関係なく秒針は進み

やがて嫌いな月曜日が
 

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ふみ読む月日…

ふみ読む月日…

柔らかくなる日差しと
遅くなる夕暮れで
気付く春の訪れ巣立ちの頃
何処からか聞こえる蛍の光が
無性に心切なく                                                                                一筋音なく流れる涙

歓びと淋しさ
混ざり合う季節の中で
書(ふみ)読む月日重ねつつ
どれ程言葉を重ねても
伝えきれぬ
書き尽

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花つけぬ木の枝に

花つけぬ木の枝に

公園の前を通りかかりましたら
強い北風のせいで
わたくしの帽子が
枝むき出しで寒々と立っている
桜の木の枝に飛ばされまして
あまりに高すぎて取るのは諦めました

そういえば1本だけ数年前から花をつけなくなった桜の木が御座います
あの木は今のわたくしの様だとつくづく思うのですよ

二度と花を咲かせる事も無く
この先枯れていき、やがて腐り朽ちるのです
いつか公園管理の方にバッサリと切られてしまう

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