ゆち

日常生活を綴っています。

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記事一覧

菊を食べる

ビールの美味い季節がやってきた! 暑い日に飲むビールほど美味いものは無い。 地元新潟から枝豆やかきのもとを送ってもらい、 それを肴にビールを飲んでいる。 “かきの…

ゆち
2週間前
3

ちいさなサボテン

恋人が興味本位で購入した種から育てるサボテン🌵 彼が箱に入れたまま放置していたので、 私が育てることにした。 早速、種を二粒ほど無くしたが気にしていない。 残りの…

ゆち
3週間前
1

居場所

制服のスカートを揺らしていたあの頃、 髪を染めて、夜の街へよく飛び出していた。 あの頃の私にとって夜という時間は、 生きている実感が出来る特別な場所だった。 空気…

ゆち
2か月前

大阪に移住して約一年

大阪のローカルルール エスカレーターで自然と右側に立つようになった。 「関西は右側」だと聞いていたが、それは罠であった。実際は「大阪は右側」なだけで、京都では関…

ゆち
3か月前
2

手紙

彼女は、わたしにとって憧れの存在だった。 ハッキリとした顔立ち、少し低い綺麗な声、風に靡く髪も、とにかく目で追いかけてしまうような人だった。 女子高育ちの清楚な子…

ゆち
1年前
11

相違

凍った路面を懸命に踏み付けながら歩くのも昨年が最後だった。突然決まった引越しは、わたしの生活をガラリと変えた。 大阪在住の今と比べればわたしの地元は田舎だけど、…

ゆち
1年前
3
菊を食べる

菊を食べる

ビールの美味い季節がやってきた!

暑い日に飲むビールほど美味いものは無い。
地元新潟から枝豆やかきのもとを送ってもらい、
それを肴にビールを飲んでいる。

“かきのもと” をご存知だろうか?
紫色の食用菊の名前である。東北地方では「もってのほか」と呼ばれ、正式名は延命楽と言う。

ある日、大阪出身の恋人に食用菊の話をしたら、「お刺身の上に乗ってる小さい菊のこと?」と返ってきたので驚いた。
もしか

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ちいさなサボテン

ちいさなサボテン

恋人が興味本位で購入した種から育てるサボテン🌵
彼が箱に入れたまま放置していたので、
私が育てることにした。

早速、種を二粒ほど無くしたが気にしていない。
残りの三粒を付属の容器で育てた。
冬に育て始めたので、暖房の付いた暖かい部屋で水をあげながら、ギリギリ入る朝日を浴びせた。

気付けば、発芽していた。
植物を育てるうえで、一番嬉しい瞬間である。その後は見た目も大きさも特に変わらず、小さなサ

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居場所

居場所

制服のスカートを揺らしていたあの頃、
髪を染めて、夜の街へよく飛び出していた。
あの頃の私にとって夜という時間は、
生きている実感が出来る特別な場所だった。

空気が澄んでいて、誰にも邪魔されない場所。

この世に私だけしか存在していないように思えた。
そんな夜がすきだった。

この頃、よく東京へ遊びに行っていたけど
新宿で過ごす夜はもっとすきだった。
田舎に比べて賑やかで明るい都会の夜は、
ビー

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大阪に移住して約一年

大阪に移住して約一年

大阪のローカルルール

エスカレーターで自然と右側に立つようになった。
「関西は右側」だと聞いていたが、それは罠であった。実際は「大阪は右側」なだけで、京都では関東と同じく左側に立つ。大阪に移住してから京都へ遊びに行った際、その罠にかかった。
ローカルルールブックが欲しい瞬間であった。

予測が困難な関西弁は、翻訳機が欲しい。
大阪人から「昨日、冷蔵庫が潰れた。」と言われた時の私は、大変混乱した。

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手紙

手紙

彼女は、わたしにとって憧れの存在だった。
ハッキリとした顔立ち、少し低い綺麗な声、風に靡く髪も、とにかく目で追いかけてしまうような人だった。
女子高育ちの清楚な子とは、こういうことをいうのだろう。
きっとわたしが男性として生まれていたら、恋に落ちていたかもしれない。
そのくらい魅力的な人だった。

この言い方だと今は違うかのように聞こえるけれど、そうではない。
ただ、今の彼女に会っても上手く話せな

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相違

相違

凍った路面を懸命に踏み付けながら歩くのも昨年が最後だった。突然決まった引越しは、わたしの生活をガラリと変えた。

大阪在住の今と比べればわたしの地元は田舎だけど、田舎すぎない中途半端な田舎だった。もちろん夏の田んぼはカエルの大合唱が聞けるし、池で牛蛙は鳴いている。コンビニへは徒歩7分という近いようで遠い距離だし、最寄り駅という概念は存在しない。公共の交通機関を使う人が少ないため、バスの運賃があまり

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