ゆち

日常生活を綴っています。

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最近の記事

菊を食べる

ビールの美味い季節がやってきた! 暑い日に飲むビールほど美味いものは無い。 地元新潟から枝豆やかきのもとを送ってもらい、 それを肴にビールを飲んでいる。 “かきのもと” をご存知だろうか? 紫色の食用菊の名前である。東北地方では「もってのほか」と呼ばれ、正式名は延命楽と言う。 ある日、大阪出身の恋人に食用菊の話をしたら、「お刺身の上に乗ってる小さい菊のこと?」と返ってきたので驚いた。 もしかして新潟県民しか食べないのか…? それとも東と西での食文化の違いか…? あまり

    • ちいさなサボテン

      恋人が興味本位で購入した種から育てるサボテン🌵 彼が箱に入れたまま放置していたので、 私が育てることにした。 早速、種を二粒ほど無くしたが気にしていない。 残りの三粒を付属の容器で育てた。 冬に育て始めたので、暖房の付いた暖かい部屋で水をあげながら、ギリギリ入る朝日を浴びせた。 気付けば、発芽していた。 植物を育てるうえで、一番嬉しい瞬間である。その後は見た目も大きさも特に変わらず、小さなサボテンがゆらゆらしているだけだった。 春に入ってから元気が無いので、栄養剤をかけ

      • 居場所

        制服のスカートを揺らしていたあの頃、 髪を染めて、夜の街へよく飛び出していた。 あの頃の私にとって夜という時間は、 生きている実感が出来る特別な場所だった。 空気が澄んでいて、誰にも邪魔されない場所。 この世に私だけしか存在していないように思えた。 そんな夜がすきだった。 この頃、よく東京へ遊びに行っていたけど 新宿で過ごす夜はもっとすきだった。 田舎に比べて賑やかで明るい都会の夜は、 ビー玉越しに見る世界のようできらきらしていた。 しばらくすると、夜が明けて朝の空気

        • 大阪に移住して約一年

          大阪のローカルルール エスカレーターで自然と右側に立つようになった。 「関西は右側」だと聞いていたが、それは罠であった。実際は「大阪は右側」なだけで、京都では関東と同じく左側に立つ。大阪に移住してから京都へ遊びに行った際、その罠にかかった。 ローカルルールブックが欲しい瞬間であった。 予測が困難な関西弁は、翻訳機が欲しい。 大阪人から「昨日、冷蔵庫が潰れた。」と言われた時の私は、大変混乱した。冷蔵庫が潰れるなんて有り得ない。もしそれが有り得たとしたら、間違いなく家も潰れて

        菊を食べる

          手紙

          彼女は、わたしにとって憧れの存在だった。 ハッキリとした顔立ち、少し低い綺麗な声、風に靡く髪も、とにかく目で追いかけてしまうような人だった。 女子高育ちの清楚な子とは、こういうことをいうのだろう。 きっとわたしが男性として生まれていたら、恋に落ちていたかもしれない。 そのくらい魅力的な人だった。 この言い方だと今は違うかのように聞こえるけれど、そうではない。 ただ、今の彼女に会っても上手く話せないような気がして、複雑な気持ちから曖昧な表現になってしまうのだ。 彼女の真っ黒

          相違

          凍った路面を懸命に踏み付けながら歩くのも昨年が最後だった。突然決まった引越しは、わたしの生活をガラリと変えた。 大阪在住の今と比べればわたしの地元は田舎だけど、田舎すぎない中途半端な田舎だった。もちろん夏の田んぼはカエルの大合唱が聞けるし、池で牛蛙は鳴いている。コンビニへは徒歩7分という近いようで遠い距離だし、最寄り駅という概念は存在しない。公共の交通機関を使う人が少ないため、バスの運賃があまりにも高い。中心部へ行こうとすると、往復で野口英世が飛ぶ。運転免許を取らないと選択