5号館6階

人文系研究者。 パリを中心とするフランスの食についての不定期エッセイ。 たまには日本の…

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人文系研究者。 パリを中心とするフランスの食についての不定期エッセイ。 たまには日本のことも出てくる。 そのうち器についても書いていく予定。

記事一覧

【Daniel & Denise】リヨンを代表するブション

南仏行きの鉄道を予約し損ねて、予定を急きょ変更して立ち寄ったリヨン。 事の顛末はコチラ。 ホテルにチェックインして、動き始めたのは18:00。 今日は移動しただけで何…

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1年前
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まさかのリヨン

7月には南仏で滞在することにしていた。 カンヌとニースにそれぞれ一週間ほど、宿も確保した。 準備も整い、さあ、あとは行くだけ。 事情があって鉄道の予約をしておらず…

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1年前
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アペロ・アペロ・アペロ

フランスの夜は遅い。 夕食をとるにも店は20:00か早くても19:30にならないと開かない。 19:30に入店しても店はがっらがらだ。 21:00くらいになると客がどんどん入ってきて…

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1年前
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【Divellec】ババオラムは裏切らない。

好きな店には通う。 何度も通う。 通うというよりも、行ってしまう。 おいしいものを食べたい、そう思ったときに頭に浮かぶ店がいくつかある。 自分にとってDivellecはそ…

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1年前
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【Semoule】パリのクスクス

パリに詳しい知人からパリ情報を収集したときに、クスクスのおいしいお店を教えられた。 Chez Leonという店だ。 ブリュッセルのムール貝屋と全く同じ名前なので間違いかと…

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1年前
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プロヴァンの中世祭

プロヴァンは中世の町並みが良い状態で保存され、世界遺産にも登録されている街。 毎年6月下旬にはフランス最大と言われる中世祭がおこなわれる。 ちょうどパリ滞在のタイ…

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1年前
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【Fleur de Pavé】道端に花は咲いていなかった。

今宵はFleur de Pavéへ。 ミシュラン1つ星店。 http://www.fleurdepave.com/ 借りているアパートの近所にあり、気になっていたので予約してみた。 Fleur de Pavé。 道…

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1年前
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シャンパーニュへの旅② モエ・エ・シャンドンのワイナリー見学

シャンパーニュへの旅、続編。 つい最近まで名前すら知らなかった街エペルネーを訪れたのはもちろん、シャンパンのワイナリーを訪問するため。 事前にモエ・エ・シャンド…

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1年前
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【Solstice】創作料理嫌いの私としたことが。

今宵はSolsticeへ。 https://www.solticeparis.com/ 久しぶりに奮発してミシュラン1つ星店へ。 入店すると日本人のような顔つきの女性が迎えてくれる。 ひと昔前と違って…

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1年前
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【Rotisserie D'Argent】ぺっ。不味い。

今宵はRotisserie D'Argentへ。 https://tourdargent.com/la-rotisserie-dargent/ トゥール・ダルジャンと言えばパリを代表する歴史的なレストラン。 日本でも良く知られ…

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1年前
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【美麗華酒家】パリの日本人が愛する中華料理ということで行ってみたのだけれど・・・

今宵はMiramaへ。 https://mirama.fr/ カルチェ・ラタンにある中華料理店。 漢字では美麗華と書く。 つい先日、アジア的な味をたまに食べたくなってきて、ベトナム料理店…

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1年前
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【Pottoka】昨日を取り戻す

今宵はPottokaへ。 4回目の訪問ともなれば、もはや顔なじみだと言わせてほしい。 予約した19:00ちょうどに行く。 いつもの兄ちゃんが笑顔で迎えてくれるだろう。 いつも…

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1年前
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シャンパーニュへの旅① ポール・ロジェに愛を込めて

今日は長年の夢の1つだったシャンパーニュへ小旅行。 数あるスパークリングワインの中でもシャンパーニュ地方で生産されるものだけがシャンパンの呼称を使用することができ…

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1年前
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【Semilla】引き分けの夜

今宵はSemillaへ。 https://www.semillaparis.com/fr 地下鉄のオデオン駅から歩いて3分ほどのミシュラン掲載店。 近くには一風堂やこだわりラーメンなどラーメン店も多い。…

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1年前
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【KGB】ピリ辛ネギ

今宵はKitchen Galerie Bisへ。 通称KGB。 https://zekitchengalerie.fr/restaurant/kitchen-galerie-bis/ オデオンにあるミシュラン掲載店。 すぐ近くにある高級店ZKGの…

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1年前
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【L'Agrume】超特急フルコース

今宵はL'Agrumeを予約。 13区にあるミシュラン掲載店。 https://restaurant-lagrume.fr/ja ノートルダムからムフタール通りを越えて、丘を下った左手。 住宅街のなかに佇…

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1年前
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【Daniel & Denise】リヨンを代表するブション

【Daniel & Denise】リヨンを代表するブション

南仏行きの鉄道を予約し損ねて、予定を急きょ変更して立ち寄ったリヨン。
事の顛末はコチラ。

ホテルにチェックインして、動き始めたのは18:00。
今日は移動しただけで何もしていないのだけれど、お腹はもちろん空いている。
ここはなにせフランス屈指の美食の街だ。
何かおいしいものを食べたい。

レストランを目指して、あてもなく街の中心を目指す。
いや、あてもなく、と言うと嘘になる。
前回、2019年に

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まさかのリヨン

まさかのリヨン

7月には南仏で滞在することにしていた。
カンヌとニースにそれぞれ一週間ほど、宿も確保した。
準備も整い、さあ、あとは行くだけ。

事情があって鉄道の予約をしておらず、出発の数日前にようやく重たい腰をあげて予約サイトを見てみて愕然とする。
パリからカンヌに行く列車がすべて満席になっている。
バカンスシーズンの真っ只中であることを甘く見ていた。
それにしても満席って・・・。
日本の新幹線と違って、座席

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アペロ・アペロ・アペロ

アペロ・アペロ・アペロ

フランスの夜は遅い。
夕食をとるにも店は20:00か早くても19:30にならないと開かない。
19:30に入店しても店はがっらがらだ。
21:00くらいになると客がどんどん入ってきて、たいていの店は満席になる。

とはいえ、レストランの席は多くの場合、早く来た人から優先的に良い場所があてがわれるし、人気店でも空席があれば入れてくれるので、開店と同時に行くのが賢いとは思う。

ちなみに夏は21:00

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【Divellec】ババオラムは裏切らない。

【Divellec】ババオラムは裏切らない。

好きな店には通う。
何度も通う。

通うというよりも、行ってしまう。

おいしいものを食べたい、そう思ったときに頭に浮かぶ店がいくつかある。
自分にとってDivellecはそんな店の一つだ。
パリの魚料理の最高峰だろう。

思えば2022年の食事はこの店から始まった。

あれから半年以上の時間が流れた。
季節を変えて、5度目の訪問。

賑やかなテーブルの隣に座らされる。
しかも日本語が聞こえてくる

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【Semoule】パリのクスクス

【Semoule】パリのクスクス

パリに詳しい知人からパリ情報を収集したときに、クスクスのおいしいお店を教えられた。
Chez Leonという店だ。
ブリュッセルのムール貝屋と全く同じ名前なので間違いかと思いもう一度確認したけれど、間違いではないとのこと。

羊のクスクスの写真も送られきて、確かにおいしそうだったので訪ねてみることにした。

Googlemapに住所を入力して行ってみるのだけれど、それらしき店が見当たらない。

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プロヴァンの中世祭

プロヴァンの中世祭

プロヴァンは中世の町並みが良い状態で保存され、世界遺産にも登録されている街。
毎年6月下旬にはフランス最大と言われる中世祭がおこなわれる。
ちょうどパリ滞在のタイミングと重なったので、行ってみることにした。

パリからは東駅発の列車に乗って1時間と少し。

小川が流れる、静かでこじんまりとした街。
イギリスの田舎町を思い出させる。

旧市街全体が会場になっていて、12ユーロの入場料を払う仕組み。

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【Fleur de Pavé】道端に花は咲いていなかった。

【Fleur de Pavé】道端に花は咲いていなかった。

今宵はFleur de Pavéへ。
ミシュラン1つ星店。
http://www.fleurdepave.com/

借りているアパートの近所にあり、気になっていたので予約してみた。

Fleur de Pavé。
道端に咲く花か。
日本人のような謙遜の仕方だ。

店に入ると、若い調理人たちが挨拶をしてくれる。
気持ちの良い店だ。

1階はカウンターが基本で、他に小さなテーブルがいくつか。
2階は

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シャンパーニュへの旅② モエ・エ・シャンドンのワイナリー見学

シャンパーニュへの旅② モエ・エ・シャンドンのワイナリー見学

シャンパーニュへの旅、続編。

つい最近まで名前すら知らなかった街エペルネーを訪れたのはもちろん、シャンパンのワイナリーを訪問するため。

事前にモエ・エ・シャンドンの見学ツアーを申し込んでおいた。

要塞のように巨大なこの建物がモエ・エ・シャンドンの本社。
イタリア湖畔の高級リゾートホテル(を模したラスヴェガスのホテル・ベラージオ)を思わせる開放的なデザイン。

正門を入ってすぐ左には、シャンパ

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【Solstice】創作料理嫌いの私としたことが。

【Solstice】創作料理嫌いの私としたことが。

今宵はSolsticeへ。
https://www.solticeparis.com/
久しぶりに奮発してミシュラン1つ星店へ。

入店すると日本人のような顔つきの女性が迎えてくれる。
ひと昔前と違って、日本人と韓国人と中国人の区別がつきにくくなっている。
化粧や服装や髪型が似てきているのだろう。

予約名を告げても特に反応するでもなく日本語に切り替わるわけでもない。
フランス語は話せますかと聞か

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【Rotisserie D'Argent】ぺっ。不味い。

【Rotisserie D'Argent】ぺっ。不味い。

今宵はRotisserie D'Argentへ。
https://tourdargent.com/la-rotisserie-dargent/

トゥール・ダルジャンと言えばパリを代表する歴史的なレストラン。
日本でも良く知られており、テレビなどでも度々紹介される。
唯一の支店は東京のホテルニューオータニにある。
存在自体が文化財と言って良いほど、フランス料理のなかで特別な位置を占めてきた。

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【美麗華酒家】パリの日本人が愛する中華料理ということで行ってみたのだけれど・・・

【美麗華酒家】パリの日本人が愛する中華料理ということで行ってみたのだけれど・・・

今宵はMiramaへ。
https://mirama.fr/

カルチェ・ラタンにある中華料理店。
漢字では美麗華と書く。

つい先日、アジア的な味をたまに食べたくなってきて、ベトナム料理店と中華料理店に立て続けに行ってみたけど、どちらも外れだった。
こちらはパリに住む日本人に愛される名店との評判を聞いて、それは行かなくちゃということで、勇んで訪問。

中華にしてはといっては失礼だけれど、モダンで

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【Pottoka】昨日を取り戻す

【Pottoka】昨日を取り戻す

今宵はPottokaへ。

4回目の訪問ともなれば、もはや顔なじみだと言わせてほしい。

予約した19:00ちょうどに行く。
いつもの兄ちゃんが笑顔で迎えてくれるだろう。
いつもの端っこのカウンター席が準備されているはずだ。
余裕しゃくしゃくで入店し、名前を告げる。

あれ?
いつもの兄ちゃんがいない。
今日はお休みのような。
まあいいや、それはそれだ。

あの~、19:00に1名で予約した者です

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シャンパーニュへの旅① ポール・ロジェに愛を込めて

シャンパーニュへの旅① ポール・ロジェに愛を込めて

今日は長年の夢の1つだったシャンパーニュへ小旅行。
数あるスパークリングワインの中でもシャンパーニュ地方で生産されるものだけがシャンパンの呼称を使用することができる。

シャンパーニュの中心都市ランスで大聖堂を眺めながらシャンパンをちびちびと飲むのが積年の夢だったのだけれど、調べてみると生産の中心地は実はランスではなくエペルネーという街らしい。
どこそれ?状態だったのだけれど、かちゃかちゃと調べて

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【Semilla】引き分けの夜

【Semilla】引き分けの夜

今宵はSemillaへ。
https://www.semillaparis.com/fr
地下鉄のオデオン駅から歩いて3分ほどのミシュラン掲載店。
近くには一風堂やこだわりラーメンなどラーメン店も多い。

Fish a boisonaireという魚専門店のオーナーが始めた店とのことで、魚料理に期待が高まる。

前菜は鯛のセビーチェと迷って、鯖のマリネにしてみる。
ヨーロッパで鯖か。しかも生。
大丈

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【KGB】ピリ辛ネギ

【KGB】ピリ辛ネギ

今宵はKitchen Galerie Bisへ。
通称KGB。
https://zekitchengalerie.fr/restaurant/kitchen-galerie-bis/

オデオンにあるミシュラン掲載店。
すぐ近くにある高級店ZKGのカジュアル店という位置づけらしい。

旧ソ連の秘密警察を思わせる店名は洒落のつもりなのだろうけれど、このご時世ではあまり笑えない。
料理までふざけていた

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【L'Agrume】超特急フルコース

【L'Agrume】超特急フルコース

今宵はL'Agrumeを予約。

13区にあるミシュラン掲載店。
https://restaurant-lagrume.fr/ja

ノートルダムからムフタール通りを越えて、丘を下った左手。
住宅街のなかに佇む。

前日に訪れたSellaeとほぼ同じ地区にある。

テラスでは地元客と思しき親子がゆっくりと食事をしている。

予約名を告げると中に通される。
がっらがら。
好きな席をどうぞ、と言われて

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