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まさかのリヨン

7月には南仏で滞在することにしていた。
カンヌとニースにそれぞれ一週間ほど、宿も確保した。
準備も整い、さあ、あとは行くだけ。

事情があって鉄道の予約をしておらず、出発の数日前にようやく重たい腰をあげて予約サイトを見てみて愕然とする。
パリからカンヌに行く列車がすべて満席になっている。
バカンスシーズンの真っ只中であることを甘く見ていた。
それにしても満席って・・・。
日本の新幹線と違って、座席を確保していない場合は乗車そのものができない。

時間を置いて何度もトライしてみる。
一瞬だけ空席が1つあるような表示がでるのだけれど、予約を進めていくとやはり空席なしになる。
からだじゅうが熱くなってくる。
コンサートのチケットを取る時の、あの焦燥感だ。

ど、どうしよう。

このまま南仏に行けないのか。
行けないとなるとパリに留まらないといけない。
つまりパリのホテルを追加で予約しなおさなければならない。
南仏のホテルもキャンセルすることに。

これはおおごとだ。

こういう時は紅茶を飲んで気を落ち着かせよう。

もしかして、、、
とある考えがひらめく。

予定を1日早めれば、途中のリヨンまでなら行ける。
リヨンで一泊し、次の日(つまりもともと南仏に行く予定だった日)にリヨンからカンヌまでなら行けるようだ。

仕方ない。
これにしよう。

リヨンは観光地としての魅力が多いとは思わないけれど、なにせフランス有数の美食都市だ。
旨いものを食べるために立ち寄ったと思えばいいだろう。

というわけで、パリ・ベルシー駅から乗った鈍行列車が5時間かかってリヨンに到着。
ホテルに荷物を預けて、動き出す頃にはもう18:00だ。
今日は朝から移動しかしていない。
ちょっとくらいは観光もしなければ。

まずは、ソーヌ川にご挨拶。

夏なので、18:00でも外はまだ明るい。

次に、『星の王子様』の著者サン=テグジュペリの銅像にもご挨拶。

リヨン名物のブション(レストラン)で食事をとろう。
有名なブションに駆け込むと、奇跡的に空席が1つ。
この店に入れただけでも、まあ、リヨンに立ち寄った甲斐があったというものだろう。

食べ終えて外に出る頃には、少しずつ夜が忍び寄っていた。

まだまだリヨンを楽しみたいところだけれど、今日のところは我慢して、おとなしくこのままホテルに戻ろう。

なにせ明日は5時に起きなければならない。
6:28発の列車でカンヌに向かうのだ。

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