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小菅神社【甘露池】の音を録る

小菅神社【甘露池】の音を録る

飯山市は小菅の里にある、小菅神社・奥社の【甘露池】の音を録りに行ってきました。本殿の小窓(?) に耳を押し付けると、御神体とされている【甘露池】に滴る水音がかすかに聞こえます。

この、「耳を澄ましてようやく聞こえる音」を捉えるのは非常に難しく、初回の録音では簡易な機材だったこともあり、「サー」というノイズが大きすぎて使い物になりませんでした。いわゆる「s/n が悪い」ってやつです。

そこで、s

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オーケストラの録り方

オーケストラの録り方

壮大な表題をつけてしまいました。あくまで一例ということで、「クレド交響楽団」さんを引き合いに、「オーケストラの録り方」をざっくりお話しします。

こういうことは「社外秘」であったり「お家芸」であったりするので公表する人も少ないと思うのですが、音楽はもちろん録音もまた趣味として楽しいものなので、趣味を深めていただくキッカケになればという思いもあって、(YouTube等でも)ノウハウをたびたび公開して

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火起こしと、フェーダー操作

火起こしと、フェーダー操作

火起こしをしながら、ふと思ったんですよね。

「あ、これ、フェーダーでバランス取ってる時に似てるな」って。

火種を作って風を送る。強すぎると消えてしまうし、弱すぎると火に勢いが出ない。

フェーダーも、上げすぎると特定の楽器音が目立ってしまうし、下げすぎていたら用をなさない。

目の前の情報(状況)を観察しながらバランスをとる。

自然に音楽が推移するように操作する。

自然に火が燃え移るように

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3泊4日 【あまとみトレイル】 スルーハイク

3泊4日 【あまとみトレイル】 スルーハイク

2023年6月、あまとみトレイルを歩きましたので、今後歩かれる方の参考になればと思い、行程や装備などについてまとめました。なお、「あまとみトレイルマップブック2022(初版1刷)」の参照を前提として情報を記します。「発見の楽しみ」を残しておきたいので、写真は少なめにしました。

計画編はコチラ↓

行程、水場の抜粋Day-1

SoBo(斑尾山 → 長野駅)です。0745長野駅発のしなの鉄道で黒姫

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グラサン・マイクロフォン

グラサン・マイクロフォン

あまとみトレイルの音をどうやって録ろうかと試行錯誤した結果、サングラスにマイクロフォンを仕込むことにしました。信越トレイルや熊野古道と同じアプローチでは面白くないので、今回は「歩きながら録る」をテーマにしたのです。

まず思いついたのは、帽子にマイクロフォンを仕込む方法。

……と、良い線まで行ったのですが激しい動きに耐えられないようで、マイクロフォンを安定させる方法を考えること数年(いや、数分w

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音のzine 『熊野古道の静けさ』 発売

音のzine 『熊野古道の静けさ』 発売

音の zine をこさえました。

信越トレイルはCDですが、こちらは SDカードを冊子に封入しています。詳しくはストアにてご確認ください。

初回10部発行、2023年5月8日発売です。

↓ あわせてご覧ください

なんと、熊野古道を「無音の道」として捉えた記事に出会いました!
併せてどうぞ。

Diffusion of Nature 2023 浅草

Diffusion of Nature 2023 浅草

雲ノ平山荘「アーティスト・イン・レジデンスプログラム」の展示会を、散歩がてら見てきた。入場料は500円。立派な冊子をいただく。

やはりいちばん興味があったのは、アナイス・カレニンさんと村上達郎さんのユニット。雲ノ平でフィールド・レコーディングした音を素材として、制作を行ったとのこと。

その制作過程を上映していた。

どこにでもあるようなハンディ・レコーダーで録っていて、録音に関しての専門性は高

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ボイスサンプルにおける音楽の音量について

ボイスサンプルにおける音楽の音量について

Twitterで、ナレーター・公文のぞみさんのボイスサンプルを聞いて、「もう少し音楽を聞きたい(音楽のボリューム、小さくない?)」と感じたのでそれを伝えたら、「これでもまだ大きいというディレクターさんもいる」と知り、私は驚いてしまったのです。

さて、どう感じられましたか? まだ大きいですか? 小さいですか?

当たり前ですが、音楽が控えめだと声がよく聞こえます。ボイスサンプルとしては、ある意味正

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なかへち清姫太鼓 とある日の練習風景

熊野古道の旅で泊まった宿「あんちゃん」のご主人から
「太鼓を聞いてみませんか?」と突然のお誘い。

この辺で活動する「なかへち清姫太鼓」の練習が、
今夜あるという。

たまたま録音機材を持っていたこともあり、
メンバーの方の車に揺られ、いざ練習場所へ……

外灯のない山道を10分ほど走ると、
むかし集落だった地域の公民館に到着した。

まわりに誰も住んでいないから、
思う存分音がだせるという。

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DPA4006 にノーズコーンをつけた時、ウインドスクリーンが抜け落ちないようにする方法【家庭にあるモノですぐできます】

DPA4006 にノーズコーンをつけた時、ウインドスクリーンが抜け落ちないようにする方法【家庭にあるモノですぐできます】

使うのは「輪ゴム」です!

ものすごくニッチで需要が無さそうな内容なんですけど、他のマイクロフォンでも「ウインドスクリーンがちょっとユルいな」ってときに応用できるので、試してみてください〜!

(ま、輪ゴムで指向特性がちょっと暴れるかも知れませんけど、そもそもウインドスクリーンをつけてますしね)

 【74分間の信越トレイル】 長野県立美術館ミュージアムショップにて販売

【74分間の信越トレイル】 長野県立美術館ミュージアムショップにて販売

長野と新潟県境の里山を巡る「信越トレイル」を歩きながら録った音風景をまとめたCD、『74分間の信越トレイル』が信州に初上陸。善光寺からほど近い、長野県立美術館にあるミュージアムショップにて販売となりました。

年始に帰省の折なんとなく美術館に入り、ミュージアムショップでなんとなく『小屋番三六五日』を買い求め、「あ、この山関連の棚にCDを置いてもらえたら嬉しいな」と思い、なんの準備もなしに店員さんに

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高さ3mになる、スーツケースで運べるマイクスタンド

高さ3mのマイクスタンドといえば、通常は車で運ぶもの……これを機内持込サイズに収めました。ただし、マイクロフォンは DPA 4060 等の軽量なものが前提です。

スタンド(ポール)とベースを合わせても1kg未満!

「機械を減らし、機会を増やす」Ultra-Light Recording において核となる、「マイクスタンド」のご紹介です。

會田瑞樹『風の祝〜琉球とアイヌの歌〜』(作曲:佐原詩音)

Listening Journey 第一弾は、會田瑞樹さんのヴィブラフォンをお届けします。録音機材は、機内持ち込みサイズのキャリーケースひとつ分!

會田瑞樹さんのホームページ
https://mizukiaita.tabigeinin.com/

収録:2022年11月2日 ティアラこうとう(江東公会堂)小ホール

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当チャンネルでは出演者を募集しています。詳しくはチャンネル概要をご覧くだ
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Listening Journy 今後の課題

Listening Journy 今後の課題

「旅をしながら、各地で出会った音風景や音楽を届けたい」と思ってスタートした「Listening Journey」、第一弾は會田瑞樹さんを録りました。そこで見えた課題を、頭の整理がてらまとめます。

今回は、機内持ち込みサイズのキャリーケースに録音機材をおさめ、バックパックにはかんたんな撮影機材。ちまたの録音屋さんがハイエースでホールに乗りつけることを考えれば十分少ない荷物ですが、“旅をしながら”

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