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#ハンドメイド作品
#75 精霊の宿る石
鍵を手に取った私は
前回深海都市への扉の鍵を買ったときのことを
思い出した。
深海へ行く準備を全くしていない状態で
何も考えずに扉へ向かおうとしていた。
鍵屋に声をかけられ、
薬のことを教えられなかったら
扉をくぐった瞬間、どうなっていただろう。
「あの…精霊の宿る樹の辺りは
何か行く前に準備するものとかありますか?」
「あぁ、前回は
深海にそのまま行くとこでしたもんね。
でも、大丈夫。
#74 精霊の宿る樹への扉の鍵
落ち込んだ気分で自分の部屋に帰ってから
2ヶ月ほどが経った。
Oliviaからはフクロウが届いたりなどの
音沙汰も何もなかった。
きっと、気軽に連絡を取ることも
禁止されたのだろうと思っていた。
この2ヶ月、あまり積極的に
あちらの世界へ行きたい気持ちにならず
自分の生活に忙しく過ごすようにしていた。
しかし、あちらの世界には
ずっと気になっている場所があった。
それは「妖精の森」。
2
#68 海中守護の薬 60min.
「あ、ちょっと待って!
お嬢さん、もしかして、一人で行くのかい?」
鍵屋の店員に、そう呼び止められた。
「あ、はい。」
「お嬢さん、ここの人間じゃないよね?」
「はい、そうですが…」
「どうやって深海で息するのか、
準備はしてますか?」
そこに関しては何も考えてなかった。
以前、凍てつく寒さの氷の王国へ行った時は
Oliviaの母のAlexが何か呪文をかけてくれた。
「あ…何も準備し
#67 深海都市への扉の鍵
Oliviaは父のGregoryの声を背に
逃げるようにスタスタと歩き出した。
「まずは花屋さんに寄るわね!」
そう言って広場のカフェの向かい側にある
50mほど先の花屋を指差した。
「もう買うものを決まってるからすぐ済むわ。」
「Olivia、あなたのお父さん、
ただの私の案内じゃないって
気付いてたみたいだけど?」
「でしょうね…。
だから、1時間以内には必ず戻るわ。」
「うん、ど
#63 Francescoの予言
「あ、そうそう。Joseから
私の世界についてのことが何とかって
聞いて来たんですけど…」
「あぁ、君の世界のことだが…
少し困ったことになるだろうね。
読み間違いや別の流れを期待していたのだが。」
「…ん?何のことですか?」
「君の世界はまもなく大きな混乱に見舞われるだろう。」
「大きな混乱?どんなことですか?
地震とか?今までにないような異常気象とか?」
「そんな極地的なものじゃない
#61 光る鉱石の星と宇宙飛行者のコルク瓶
Francescoの店に着くと
まだ店内には灯りが点いていた。
「こんにちは~」
私はそろりと店に入りながら声をかけた。
店にはFrancescoの姿はなかったが
店の奥には人の気配があった。
きっとまた星を読むのに集中しているのだろうと
私は店内を見て回ることにした。
店内をぐるりと回り
以前見た、月の降る夜の灯りが置いてある棚に来た。
以前はたくさんの小さな月が
様々な色の光を放って
#60 不思議な地図とフクロウ便
少し元気を失ったようなOliviaとともに
カフェに戻った。
ただいまーとOliviaが店に入ると
「お!おかえり!
Olivia、ママから聞いてるぞ。
2ヶ月の外出禁止かぁ。
しっかり店の手伝いしてもらうからな。」
Oliviaは、はーい、と気のない返事をした。
「それと、M.ちゃん。
Joseからの伝言なんだけど
Francescoさんのとこに行った方が良いかもって。
よくわからないん
#59 AlexとOlivia
1時間ほど眠っただろうか。
Oliviaの声で私は起きた。
「ねぇねぇ!起きたー??」
「ん~?
…あ、うん。どうしたの?」
まるで何時間も深い眠りを得たように
体も頭もすっきりとした気分で起きた。
Oliviaもいつもの天真爛漫な女の子に戻っていた。
「豪華な夕食が用意されてるみたいよ!
街に戻る前にたくさん食べましょ!」
Oliviaの声に気が付いたMargarretが
カーテンを
#35 鉱石に舞う小さな蝶
鉱石商のPierre(ピエール)が
私が購入した
ドラゴンブラッド 最強の力を引き出すペンデュラム、
ドラゴンブラッド 最強の力を引き出すスクエア、
ドラゴンクリスタルレンズを丁寧に包装しているのを
私とOliviaは見ていた。
すると、後ろからOliviaのお母さんが
Oliviaに声をかけた。
「Olivia、今回も持って帰ってきたわよ」
その手にはとても小さな小瓶が
数本握られていた
#34 ドラゴンクリスタルレンズ
Olivia、Oliviaのお母さんと話す私を
見ていたPierreが驚きながら言った。
「いやぁ、お知り合いだとは!
世間は狭いもんですね。
先程見ていただいた
ドラゴンブラッド、このお母様の
採掘チームが採ってきてくれたんですよ!」
「あはは、そうなのよ。
Pierreさんも次回の現場、来るんでしたっけ?」
「あぁ、はい。行きます。
どうぞ、よろしくお願いいたしますね。」
話しながらド
#30 信じる気持ちを持って
コチラの世界に戻ってから
3週間ほどが経った。
前回戻っていた間は
またあちらの世界に
行くことができるのだろうかと
不安で不安で堪らず
自身の日常に集中できない日々だった。
今回は、コチラの世界とあちらの世界の
行き来する方法を一応聞いていた。
本当にできるかはわからなかったが。
以前の数週間分の日常生活を
しっかり取り戻すように、
一生懸命、何気ない日常を過ごした。
本当は毎日でも