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小説

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2022年9月の記事一覧

深海 (掌編小説2000字のホラー)

深海 (掌編小説2000字のホラー)

もう、何も見たくない。
何も聞きたくない。
何も考えたくない。
何も感じたくない。
無、になりたい。

早朝、私は船の甲板から眼下を見下ろす。
そこにあるのは群青色の海面。
潮の流れが激しいのか、所々渦を巻いている。
凝視していると、吸い込まれていくような感覚に陥った。

(あそこに飛びこめば、楽になれるだろう。
寂しさと苦しみから開放される)

飛び込んだ後、しばらくは苦しいかもしれないが、

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未確認生物 (掌編小説2000字のホラー)

未確認生物 (掌編小説2000字のホラー)

強い太陽光線が目蓋を射抜いた。
私は顔をしかめ、腕を額に当てて光を遮る。
こんな状態なのに、いつの間にかウトウトしてしまったようだ。

あれから、どれくらい時が過ぎたのだろう。
ここには時計もテレビも何もないのだから、
確かめようがない。
あるのは、果てしなく続く海原と果てのない空。
既に、時間の感覚など無くなってしまった。

残り少ない夏を楽しもうと、同僚の真希と近所の海水浴場にやってきた。

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