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エッセイ・コラム

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2024年5月の記事一覧

人生という時間をどう使うか

人生という時間をどう使うか

「人生とは何か」という問いに対して、世の中では様々な答えがある。偉い人は「実験である」「自転車のようなもの」「死ぬまでの暇つぶしだ」と様々な回答をしているが、どれも正解なのだろう。

思うに、人生は単なる時間の集積である。
なんとも面白みのない回答なのだが、それゆえに目の前にある時間をどこにどう費やすのかを考えることは、人生を考えることでもあると思う。だからこそ今をどんな心意気で生きるのかがとても

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自分との対話って大事よね

自分との対話って大事よね

「内省」ということばがある。自分自身の考え方や思い、哲学と向き合うことを指している。もっといえば、自己対話という言い方をしてもいいかもしれない。

内省ができるのは、ある程度の時間がある時である。時間があって特に何もやることがない時に「そういえば自分って…」などとふと考えるものだ。
子育てなんかをしていると一生懸命子どもの世話をするので、その間に「自分の人生って…」などと考えることはまずない。子供

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オレンジジュース「なっちゃん」の思い出

オレンジジュース「なっちゃん」の思い出

サントリーの飲料で「なっちゃん」というオレンジジュースがある。この「なっちゃん」をめぐって、私にはちょっとした思い出がある。

3歳くらいのころから私には顎に腫瘍があり、腫瘍が膨らんでくると切除する手術を受けるため都心の病院に入院することがあった。
当時の私は何が起きているのかもよく分からず、ちゃんとした服を着てどこに行くのだろうと思いながら、実家から一時間半くらいかけて、いつの間にか小児科の病棟

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弱さのマウント

弱さのマウント

大学には様々な地域から人がやってくる。初対面となると話をするのは大概地元の話なんかが多い。
大学1年生だった頃「地元が田舎である」と言っていた九州のほうからきた人がいた。
その根拠として「コンビニにいくために車で30分くらいかかる」と頑強に主張されたのだが、個人的には「知らんがな」状態でその人の話を聞いていたものである。

人はマウントを取り合う生き物である。
多くの場合はひとを蔑んだり馬鹿にした

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無駄な時間だったって言うけどそれも込みで自分だからしゃあない

無駄な時間だったって言うけどそれも込みで自分だからしゃあない

誰しも無駄なことをしたいとは思わない。
でも人生を振り返ると、不思議と無駄なことばかりしているものだ。
毎日を振り返ってみても「なんでこんなことしてたんだろう」とか「変な暇つぶしをしてしまったな」とか、いろんな後悔があるものだ。

仮に、理想の境地に一切寄り道せずに至ることができていたら、と考えてみる。
それは非常に無駄がなくて、いろんなことに使う時間ができそうな人生ではある。でも、どこか味気なく

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人生は短い(多分)

人生は短い(多分)

「人生の主役は自分自身である」ということばがある。考え方はいろいろあろうが、人生の捉え方は往々にして自分中心のものになりやすく、利己的で視野狭窄に陥りやすい。
私自身はその傾向が顕著で、20代は「自分が人生をどう作るのか」という視点しか持ち合わせていなかったし、他人との関係性のなかで自分を捉える努力を怠ってきた。結婚願望もなく、子供がほしいと思ったこともなかったというのは、その証左といえるかもしれ

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白米のような毎日を

白米のような毎日を

この間銀座に行った時、「名探偵コナン」のオープニングなどで知られる倉木麻衣さんのデビュー25周年を記念した展示会がやっていた。

デビュー25周年ということは、当たり前だが歌を歌い続けて25年ということでもある。「歌う」という、同じことを繰り返してきたのだ。クリエイティブな世界に長らく身を置き活躍を続けるのはそれだけですごいことである。

翻って私たちの人生を考えてみると、同じことをただ機械のよう

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