《聞いたことをまとめるのが苦手なタイプ》のアセスメントとその支援の方法 その7 国語の支援の方法 ④
⑤作文の内容が乏しい
このタイプは、頭の中の記憶に残る映像、イメージを言葉に紡ぎにくいことが、作文を書くときの妨げになっています。そのまま書かせると、単なる事実とパターンの感想の文になってしまいます。例えば、遠足の作文なら「今日、遠足に行きました。楽しかった」となります。
だから、頭の中の映像やイメージを言語化する支援をしてあげれば、内容のある作文が書けるようになります。頭の中で映像やイメージを浮かべることが難しい場合は、写真や絵を見ながら言語化するのを助けてあげるといいでしょう。
➪頭の中にある映像やイメージについて、話し合いながらメモをカー
ドに取る。そのカードを書きたい順番に並べなおして、それを参考
にしながら作文を書いていく。
➪頭の中に映像やイメージが浮かばない場合は、写真や絵を紙の真ん
中に張り、それを見ながら思いつくことをランダムに書いていく。
それを参考に作文を書く。
例を上げておきます。写真がなければ、上の『カードメモの
取り組み』になります。
今日、動物園に行った。キリンにえさをやった。よだれが「デレー」と出た。誰かが「キャー」っと言った。太郎君は泣いていた。それを、先生が写真に取った。その後、みんなでお弁当を食べた。
⑥自分の考えを発表するとき、固まる(泣く)
意見を言う場合も、作文と同じです。授業で聞かれたことに対して、自分なりの意見は頭の中にはあるのです。それを、うまく言葉に出来ないのだけです。言葉にするだけの語彙や知識が溜まっていないのです。
つまり、先生の発問に当てられてすぐ答えるのは、このタイプには難しいことなのです。頭で意見をまとめる作業と、意見を発表する作業を同時にやらないといけないからです。脳がギブアップして、パソコンでいうところの《ビジー状態》になってしまうのです。
だから、授業中に先生に意見を求められると、固まるしかないのです。「頭にあるのに、うまく言えません」とも言えないのですから。低学年なら、悔しくて泣いてしまう子も出てきます。
これに対する支援は「時間を与える」か「他の子や先生の見本の意見を聞かせてあげて、言葉を紡ぐための参考にさせてあげる」かになります。
➪「時間をあげるので、考えなさい」と言って一旦座らせてから、しば
らくしてからまた当てる。
➪「これから、5人目にあてるから、意見をまとめておきなさい」と
言ってから当てる。
➪ノートに意見を書く時間を取る。当てられたら、それを読む。
➪後回しにしてもらている間に、人の意見を聞いて参考にする。
➪先生が、まとまってない意見をできるだけ引き出して「それって~
ということを言いたかったのね」と意見をまとめてみせる。
(今後の参考になる)
どうしてもうまく意見が言えない場合は、配慮が必要です。他の子の言った意見をたくさん板書し「あなたの意見は、どれが一番近いですか?」と聞くのがいいでしょう。
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