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深センから届ける中国最新テック企業動向

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深センで現地市場向けに中古ブランド事業を立ち上げた日本人の視点で、日本にあまり出回っていない中国のテックニュース(スタートアップ、大手テック企業)を中心に中国語の記事をピックアッ… もっと読む
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#中国ビジネス

中国大手テック7社のAI領域の展開(BAT、シャオミ、JD、Meituan、バイトダンス)

中国大手テック7社のAI領域の展開(BAT、シャオミ、JD、Meituan、バイトダンス)

徐々に各業界に浸透してきたAIは広い市場空間及び巨大な発展の潜在力により、各方面から強い関心を集めている。AI発展の重大なチャンスをつかむため、各大手投資機関はAIを現在と未来の投資重点にしているほか、テンセント、アリババ、百度などの大手インターネット企業もこの分野に参入して布石を打っており、同分野での活躍を目論んでいる。
*この記事のAI企業の集計には、基礎層、技術層、そしてアプリケーション層の

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テンセントとアリババの海外投資データから読み取る両者の動向

テンセントとアリババの海外投資データから読み取る両者の動向

コロナ以降、中国資本の海外への投資は全体的に縮小しており、昨今のより緊迫した国際情勢も重なり、中国資本の海外への投資はさらに影響を受ける可能性がある。
歴史的な総量を見ると、過去十数年、初代本土インターネット大手のBATに代表される中国資本は海外投資の過程でかなりの投資事例を蓄積してきた。中でも、テンセントとアリババは投資額、投資スタイル、投資分野など各方面で異なる戦い方をしており、強烈な対比性も

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アリババとテンセントがリストラに踏み切った背景とその対象部署

アリババとテンセントがリストラに踏み切った背景とその対象部署

この2日間、アリババのテンセントの大規模なリストラに関する問題が関連SNSで騒がれている。
インターネット大企業にとっては、ほぼ毎年のように人員削減が伝えられているが、今回は特に人員削減が多く、複数の部門に及んでいると伝えられている。
しかしある内部関係者は、アリババ・テンセントの今回の大規模な人員削減数は誇張されており、業務調整による雇用最適化はあると指摘している。
では、アリババについて、テン

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中国の現状と今後を知りたい人は必見。李克強総理の記者会見全文(日本語訳)

中国の現状と今後を知りたい人は必見。李克強総理の記者会見全文(日本語訳)

3月11日、李克強国務院総理は北京の人民大会堂で記者会見に出席し、国内外の記者の質問に答え、李克強首相の記者会見の実録は以下の通り。

張業遂:皆さん、メディアの皆さん、おはようございます。第13期全国人民代表大会第5回会議は閉幕会議を開催したばかりであり、ここに李克強総理を皆様にお招きし、皆様の質問にお答えすることを大変光栄に存じます。李総理にお願いします。

李克強:記者の友人たちが中国両会(

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大学受験で3人目の子供は加点?全人代で提案された出産、養育、教育、就業、養老の内容

大学受験で3人目の子供は加点?全人代で提案された出産、養育、教育、就業、養老の内容

3月5日、第13期全国人民代表大会第5回会議が北京で開幕。
全人代代表、科力爾董事長の聶鵬挙氏は今年、3人っ子出産政策の奨励、老人ホーム建設の推進加速、企業信用情報公示制度の改善、ECプラットフォームの食品安全監督管理の強化などに関する多くの提案を準備した。

吉川コメント:前提としては下記ツイートの通り、中国人の関心トピックの1位には「社会保障」が上がっており、安心して結婚、出産、子育てができる

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大学院生や博士課程の女性の結婚・出産奨励

大学院生や博士課程の女性の結婚・出産奨励

子育て政策の最適化はずっと注目されているホットな話題。2022年に入り、全国の多くの省で関連条例が可決され、産休の延長や育児休業の増額などの措置が実施されている。

今年の政府活動報告でも、3人っ子出産政策の関連措置を整備し、3歳以下の乳幼児のケア費用を個人所得税特別加算控除に組み入れ、包摂的な保育サービスを発展させ、家庭の養育負担を軽減することが打ち出された。

在学中の大学院生の結婚と出産の奨

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中国を知りたい人は必読!オススメの中国関連書籍の簡易紹介(2022.2.28)

中国を知りたい人は必読!オススメの中国関連書籍の簡易紹介(2022.2.28)

大家好,深セン在住の吉川です。普段は深セン現地で中国人とパートナーとスタートアップ企業経営してますが、仕事以外の時間は本を通じたインプットを行ってます。
中国関連図書の紹介をTweetしているものの、タイムラインで流され、折角の過去の投稿がストックしないのはもったいないと感じ、読んだ本の簡単な紹介やTweetした内容を使って蓄積していきます。

2030中国自動車強国への挑戦中国深センで生活してい

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小米汽車、北京市亦庄に2期に分けて生産基地設立に調印、生産台数は年間30万台を目指す

小米汽車、北京市亦庄に2期に分けて生産基地設立に調印、生産台数は年間30万台を目指す

11月27日、北京経済技術開発区プレスセンターは、北京経済技術開発区管理委員会と小米科技が『提携協定』を締結し、小米汽車が北京経済開発区への進出を正式に宣言したと発表した。

調印式会場

CNMOによると、小米汽車プロジェクトは小米汽車本部基地と販売本部、研究開発本部を建設し、2期に分けて年間生産台数30万台の完成車工場を建設する。うち1期と2期の生産能力はそれぞれ15万台で、2024年に初の量

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BYDを興した王伝福氏はイーロン・マスクと肩を並べるマルチ起業家、複数の事業への積極的な研究開発費の投入で更なる成長を狙う

BYDを興した王伝福氏はイーロン・マスクと肩を並べるマルチ起業家、複数の事業への積極的な研究開発費の投入で更なる成長を狙う

2021年11月8日、BYDの株価は315元、CATLの株価は660.8元で、時価総額はそれぞれ9000億元(約15兆9600億円)、1兆5000億(約26兆6000億円)、株価収益率はそれぞれ277倍、154倍である。

一方で好調なテスラの時価総額は1兆2000億ドル(約9兆7000万億人民元/171兆9800億円)以上、株価収益率は354倍。新エネルギー車界隈のトップに位置する。BYDの株価

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インターネット巨人が次々と参入、3年後に我々は小米汽車、百度汽車、阿里巴巴の自動車を選ぶことになるのだろうか?

インターネット巨人が次々と参入、3年後に我々は小米汽車、百度汽車、阿里巴巴の自動車を選ぶことになるのだろうか?

新エネルギーによる車作りはいったい誰の戦場なのか。投資から自ら戦場に乗り出したインターネットテクノロジー企業は、どのように車を造るつもりなのだろうか。

データによると、2021年9月時点で、新エネルギー車の研究開発、生産・製造を中核事業とする中国国内の新エネルギー車製造企業は合計103社に達した。これらの自動車製造新勢力の資金調達動向を見ると、彼らはまるで冬を経験したことがないかのようだ。資本の

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業績の伸び率は50%超、それでも伝音ホールディングスの株価は下落

業績の伸び率は50%超、それでも伝音ホールディングスの株価は下落

「アフリカの携帯電話王」として知られる伝音ホールディングスは2019年10月の上場以来、株価は最高5倍を超えた。その後、伝音ホールディングスは下落基調に入っているが、その一方で業績もファンダメンタルズも悪くはない。

最近、伝音ホールディングスが発表した中間決算によると、売上高、純利益はいずれも前年同期比50%以上増と高い伸びを示している。しかし2021年2月以降では、伝音ホールディングスの株価は

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華為が取り組む、拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)技術の課題解決とイノベーション

華為が取り組む、拡張現実ヘッドアップディスプレイ(AR-HUD)技術の課題解決とイノベーション

拡張現実(AR)技術はさまざまな技術の焦点となってきたが、車両用ヘッドアップディスプレイ(HUD)への応用はどうだろうか。この分野ではどのような課題があり、誰がイノベーションを起こしているのか。

多くの人が拡張現実(AR)を考えるとき、まず頭に浮かぶのはスマートグラスやヘッドマウントディスプレイかもしれない。しかし、ARはそれ以外の多くのアプリケーションを、スマートフォンや車にも搭載可能なことが

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クルマのEV化時代、ガソリン車に対する最大の誤解

クルマのEV化時代、ガソリン車に対する最大の誤解

人々が新しい技術や製品に直面した際に、自分がそれを受け入れたり適応したりするのが難しい時、いつも自分に言い訳をし、自分は老いたのだと言う。

しかし本質的には、テクノロジーは人のために使われるべきものであり、もし技術があっても、人々に利用されていないのであれば、技術の提示された形はまだ十分ではない、としか言えるだろう。

思考の惰性はどれくらい恐ろしいのか。私たちが新しいものを受け入れにくいのは、

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ファーウェイの報酬哲学

ファーウェイの報酬哲学



どのような価値を分配するかファーウェイでは、価値とは持続的かつ効果的な成長を指すため、分配される価値は主に経済価値となる。価値分配とは利益に対する分配であり、賃金、福利厚生、賞与、持分、安全退職金などの形で表現される。

しかし、ファーウェイはまた、機会、権力などを分配可能な価値とすることも同時に強調しており、それを経済価値よりも更に重要な、企業が分配可能な第一の価値資源と見なしている。だから

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