記事一覧
Destructive Impulsion
不意に湧き上がった怒りに
僕は囚われた
季節外れの暑さだった あの日
心の隙間に悪魔が するりと滑り込むように
瞬きする間すら無かった 一瞬の罠
唐突に
僕を取り囲むビルも木々も
傍らを駆け抜ける子供達も
ぬるい風も木漏れ日も川の潺も
そして 僕 自身 も
みんな 消え去れ と
あの感覚
紙一重 の バランス
あの時 あの場所で
僕がもしも 一人でいたなら
「それ」は 遂行された
Real_Border 一覧(誰得)
長いこと書いて書き直して付け足してようやく終わったお話でした。
途中で随分と放置していたこともありましたが今となっては「よう書いたな」と思うばかり。
書いた順番は章でいくと、大体
1→0.1→0.2→2→3→5→4→7→6
とにかく最後になってしまった6章のオチが決まらねぇ…と言ってる間に5年ぐらい経ってた気がします💦
以下、自分の脳内整理用に作った主要人物登場の章一覧。
改めて、仁の
ぼくのしらないところで
ぼくのしらないところで
だれかがいきている
ぼくのしらないところで
だれかがしんでいく
ぼくの すんでいるところを
しらないひとは たくさんいる
ぼく というにんげんが
いきていることを
しらないひとは もっとたくさんいる
たとえば たったいま
ぼくが しんだとしても
だれも そんなことなどしらずに
いきていく
でも このせかいで
たった ひとりでも
ぼくがしんだら
R_B ーFINALー
〈よう、仁〉
そろそろ休もうとしていたところに鳴った、一本の電話。
「おぅ、ビャク。相変わらず忙しそうだな。元気か」
〈おかげさんで絶好調。悪いな、遅くから〉
「構わねぇ。何だ?」
仁が新規部門へ異動して8ヶ月が経っていた。久々の連絡に頬が緩む。
2人が言葉を交わすのは久しぶり。仁はテストフライトの為に何度かSSの飛行場へ足を運んでいるが、其処で白群と直接会えたのも最初の1度きりだ
R_B < Part 4 (6.5/7) >
軽いプロペラ音が何処からともなく響いて来た。
「珍しいな。民間機か」
「……ああ、今日からだったな」
「何が」
「遊覧飛行さ、一ヶ月間限定の」
鳶が伝えてただろ?とビャクが笑った……そう言や一般向けのPRとサービスを兼ねて、オープン前に何かするとか言ってたな。
「此処を上空から眺めるコース、結構な人気らしいぜ。敷地内の見学が出来るオプションコースも、日に8組ある」
「気前の良いこ
R_B < Part 6 (epilogue) >
赭が病院に戻る頃には夕闇が迫ってきていた。
「先生、お疲れ様です。送り有難うございました」
「2人とも元気になって、本当に良かったです」
「山吹さんもそうでしたけど……何だか不思議な人達でしたよね」
「そりゃ扇の知り合いだし!にしても、みんな良い奴らだったよなー」
ラボに顔を出し、スタッフ達の声を笑顔で受け止め『皆さんにも沢山協力して頂いて有難うございました。明日からもよろしく』と労
R_B < Part 6 (9/9) >
つい発してしまった怒声に何事かと訝しむ葵をなんとか誤魔化し、礼を述べて玄関まで見送った敬は、戻るなり『もっと上級の暗示解除テクを教えろ』と誠に迫った。
「待て、その前に説明しろ。黄丹が邪魔をしてるって、どう言う事だ?」
「いくらお前でも、流石にヤツの毒気にアテられちまってたってコトさ」
肚に未だ居座る蟠りを吐き出すように、は、と大きく息をつく。
もう敬には分かっていた。誠には黄丹の暗示
R_B < Part 6 (8/9) >
「昨夜お前に起こった現象が、実際に統の身に起きた事だと仮定すれば、そこから異世界へ跳ぶきっかけになるものが想像できる」
「フツーじゃねぇレベルの衝撃ってぇ事だよな。高所からの落下とか」
「そう。それが、俺や芥の場合はクラッシュだった。で、お前が」
「至近距離での爆発……成る程ね」
ひと口飲んだだけのコーヒーはとっくに冷めていた。窓の外からは微かに鳥の囀りが聞こえてくる。
「ったく、過激
R_B < Part 6 (7/9) >
手の甲を何度も叩かれ、敬は漸く催眠から覚めた。
「大丈夫か?」
「……見事に左半身が重いぜ」
開始時は仰向けだったが、今は左半身を下にして横向きになっていた。催眠中に無意識に動いていたらしい。
「まだ起きるな、ダメージが予想よりも大きい」
「まあ実際に怪我が増えたワケじゃねぇけど」
よっと小さく掛け声をかけて仰向けの体勢に戻る。未だ両目の焦点が合わないままぼんやりと天井を見つめ、
R_B < Part 6 (6/9) >
統と芥の姿を視たのは寝入ってすぐだったらしい。目を覚ませば、未だ日付が変わったばかりだった。
誠は熟睡している。アシストは面倒だからと部屋に置いたまま、敬は研究棟の屋上にやって来た。
爽やかな夜風が吹き抜ける、考え事をするには丁度良い。手摺りにもたれ夜空を仰げば、青白い満月が中天にかかっていた。
「一応、視えたからあの2人は無事だってコトで……後は」
月を話し相手に、彼は思うままを口
R_B < Part 6 (5/9) >
彼等の新しい病室……扇が使っていた個室は、不思議な穏やかさに満ちていた。物理的にも、普通の話し声程度なら廊下や隣室には全く聞こえない。これ程リラックスして何も気にせず話せる空間は他に無いだろう。
「……その時の07格納庫担当が青褐だったんだ」
「ああ、やたら仁をリスペクトしてたヤツだな。統の同期の」
「そう。今思えば、彼は間違いなく俺達の為に時間を稼いでくれた。そうでなければF国の領域にす
R_B < Part 6 (4.5/9) >
意識の奥底で、赤い髪が揺れる。
(……香琉那?)
近くに居るのだろうか。
それなら、伝え忘れていた事を今のうちに話しておこう。
だが呼びかけようとした矢先、僕の耳に飛び込んできた声。
[ありがとう……芥!]
誰だろう。
彼女のアルトよりも明らかに低い、男の声。
初めて聞く声……けれども。
(そうか、“君”が……)
僕は何も知らない。それでも一瞬で分かった。
(“君