ESA (EineScheucheimAcker)

趣味でひっそりオリジナル小説。20231026目標達成(R_Bシリーズのリメイクそして…

ESA (EineScheucheimAcker)

趣味でひっそりオリジナル小説。20231026目標達成(R_Bシリーズのリメイクそして完結🙌)

マガジン

  • R_B: FINAL

    完結です。ありがとうございました。

  • R_B 4:The Day After

    Team 31 “その後”バージョン Side 仁。忍耐強いにも程がある。

  • R_B 6:Another World

    Team 31 “その後” バージョン side 敬&誠。真面目と能天気の超心理コンビがドタバタするとこうなる。

  • R_B 5: Family

    Team 31 “その後” バージョン side 統。ウェルカムマイワールド & 高まれ自己肯定感。

最近の記事

Destructive Impulsion

不意に湧き上がった怒りに 僕は囚われた 季節外れの暑さだった あの日 心の隙間に悪魔が するりと滑り込むように 瞬きする間すら無かった 一瞬の罠 唐突に 僕を取り囲むビルも木々も 傍らを駆け抜ける子供達も ぬるい風も木漏れ日も川の潺も そして 僕 自身 も みんな 消え去れ と あの感覚 紙一重 の バランス あの時 あの場所で 僕がもしも 一人でいたなら 「それ」は 遂行された に 違いない それから あれ は 顔を出さない けれど 今も あいつは 心 の

    • Real_Border 一覧(誰得)

      長いこと書いて書き直して付け足してようやく終わったお話でした。 途中で随分と放置していたこともありましたが今となっては「よう書いたな」と思うばかり。 書いた順番は章でいくと、大体 1→0.1→0.2→2→3→5→4→7→6 とにかく最後になってしまった6章のオチが決まらねぇ…と言ってる間に5年ぐらい経ってた気がします💦 以下、自分の脳内整理用に作った主要人物登場の章一覧。 改めて、仁のぼっち感がすごい。 20240120

      • 恒河沙

        彼はどこまで行くのだろう その髪を靡かせ 決して振り返らない 暗闇の中 微かに見える太陽の光だけを見つめ ただひたすらに 前へ やがて黄金の輝きが彼の輪郭を切り取り 栄光と祝福が彼を包む だがそれに奢る事無く 気付く素振りすら無いまま 光の向こうへと走り続ける 彼が目指す場所は 誰も知らない きっと知ることなど出来もしないのだろう それは此の世界ではない 遥かな高みの その彼方なのだから

        • Schicht

          時間も 記憶も 降り積もる 舞い落ち 地層と同化する 振り返る事は 出来るだろう だがもう 変えられはしない 時間も 記憶も 降り積もる 20231231

        マガジン

        • 短編
          13本
        • R_B: FINAL
          1本
        • R_B 4:The Day After
          10本
        • R_B 6:Another World
          12本
        • R_B 5: Family
          9本
        • R_B 0:Prologue
          5本

        記事

          ぼくのしらないところで

          ぼくのしらないところで だれかがいきている ぼくのしらないところで だれかがしんでいく ぼくの すんでいるところを しらないひとは たくさんいる ぼく というにんげんが いきていることを しらないひとは もっとたくさんいる たとえば たったいま ぼくが しんだとしても だれも そんなことなどしらずに いきていく でも このせかいで たった ひとりでも ぼくがしんだら そのひとのせかいが かわる そんなひとが いるかぎり ぼくは 僕の人生を勝手

          ぼくのしらないところで

          R_B ーFINALー

          〈よう、仁〉  そろそろ休もうとしていたところに鳴った、一本の電話。 「おぅ、ビャク。相変わらず忙しそうだな。元気か」 〈おかげさんで絶好調。悪いな、遅くから〉 「構わねぇ。何だ?」  仁が新規部門へ異動して8ヶ月が経っていた。久々の連絡に頬が緩む。  2人が言葉を交わすのは久しぶり。仁はテストフライトの為に何度かSSの飛行場へ足を運んでいるが、其処で白群と直接会えたのも最初の1度きりだ。 〈例のヤツが完成したのさ。覚えてるか?〉 「勿論だ。俺の誕生祝いっていう

          R_B < Part 4 (6.5/7) >

           軽いプロペラ音が何処からともなく響いて来た。 「珍しいな。民間機か」 「……ああ、今日からだったな」 「何が」 「遊覧飛行さ、一ヶ月間限定の」  鳶が伝えてただろ?とビャクが笑った……そう言や一般向けのPRとサービスを兼ねて、オープン前に何かするとか言ってたな。 「此処を上空から眺めるコース、結構な人気らしいぜ。敷地内の見学が出来るオプションコースも、日に8組ある」 「気前の良いこった」  天気は快晴。風もやや強い程度だ。それでもあのクラスだと横風を受ければ

          R_B < Part 4 (6.5/7) >

          R_B < Part 6 (epilogue) >

           赭が病院に戻る頃には夕闇が迫ってきていた。 「先生、お疲れ様です。送り有難うございました」 「2人とも元気になって、本当に良かったです」 「山吹さんもそうでしたけど……何だか不思議な人達でしたよね」 「そりゃ扇の知り合いだし!にしても、みんな良い奴らだったよなー」  ラボに顔を出し、スタッフ達の声を笑顔で受け止め『皆さんにも沢山協力して頂いて有難うございました。明日からもよろしく』と労いの言葉をかける。と、そこへ廊下をバタバタと走る音。  ラボのドアが勢いよく開き

          R_B < Part 6 (epilogue) >

          R_B < Part 6 (9/9) >

           つい発してしまった怒声に何事かと訝しむ葵をなんとか誤魔化し、礼を述べて玄関まで見送った敬は、戻るなり『もっと上級の暗示解除テクを教えろ』と誠に迫った。 「待て、その前に説明しろ。黄丹が邪魔をしてるって、どう言う事だ?」 「いくらお前でも、流石にヤツの毒気にアテられちまってたってコトさ」  肚に未だ居座る蟠りを吐き出すように、は、と大きく息をつく。  もう敬には分かっていた。誠には黄丹の暗示が入っている、それも相当奥深くまで。 「まさか……」 「俺に限ってそんなコト

          R_B < Part 6 (9/9) >

          R_B < Part 6 (8/9) >

          「昨夜お前に起こった現象が、実際に統の身に起きた事だと仮定すれば、そこから異世界へ跳ぶきっかけになるものが想像できる」 「フツーじゃねぇレベルの衝撃ってぇ事だよな。高所からの落下とか」 「そう。それが、俺や芥の場合はクラッシュだった。で、お前が」 「至近距離での爆発……成る程ね」  ひと口飲んだだけのコーヒーはとっくに冷めていた。窓の外からは微かに鳥の囀りが聞こえてくる。 「ったく、過激じゃねぇのが一個も無ぇな。コッチから敢えてその状況を作るにゃ相当な覚悟が要る」

          R_B < Part 6 (8/9) >

          Heimweh

          彼の地に戻りたいと思う その時 それは既に無いと 何度 思い知れば この傷は 痛みを訴えなくなるのだろう

          R_B < Part 6 (7/9) >

           手の甲を何度も叩かれ、敬は漸く催眠から覚めた。 「大丈夫か?」 「……見事に左半身が重いぜ」  開始時は仰向けだったが、今は左半身を下にして横向きになっていた。催眠中に無意識に動いていたらしい。 「まだ起きるな、ダメージが予想よりも大きい」 「まあ実際に怪我が増えたワケじゃねぇけど」  よっと小さく掛け声をかけて仰向けの体勢に戻る。未だ両目の焦点が合わないままぼんやりと天井を見つめ、敬は薄らと笑った……が、それもすぐに消える。 「……いやー参った」  ややあ

          R_B < Part 6 (7/9) >

          Mond

          月にはウサギがいるなんて 遠い昔のおとぎ話 望遠鏡で見るそれは 平凡な岩の塊 だけど 月にも 夢はあったのかもしれない だだっ広い宇宙を飛び回りたいという 果てのない夢が それでも 月は 地球の引力に自由を奪われ 地球も太陽に自由を奪われ 皆 宇宙の法則に従っている 月にも 夢があったのかもしれない でも そんな素振りは微塵も見せず ただひたすらに あの天空で のんびりと楕円軌道を描いているんだ

          R_B < Part 6 (6/9) >

           統と芥の姿を視たのは寝入ってすぐだったらしい。目を覚ませば、未だ日付が変わったばかりだった。  誠は熟睡している。アシストは面倒だからと部屋に置いたまま、敬は研究棟の屋上にやって来た。  爽やかな夜風が吹き抜ける、考え事をするには丁度良い。手摺りにもたれ夜空を仰げば、青白い満月が中天にかかっていた。 「一応、視えたからあの2人は無事だってコトで……後は」  月を話し相手に、彼は思うままを口にする。 「仁、かぁー」  小さい溜め息が一つ。  赭が言った“共鳴”に関し

          R_B < Part 6 (6/9) >

          R_B < Part 6 (5/9) >

           彼等の新しい病室……扇が使っていた個室は、不思議な穏やかさに満ちていた。物理的にも、普通の話し声程度なら廊下や隣室には全く聞こえない。これ程リラックスして何も気にせず話せる空間は他に無いだろう。 「……その時の07格納庫担当が青褐だったんだ」 「ああ、やたら仁をリスペクトしてたヤツだな。統の同期の」 「そう。今思えば、彼は間違いなく俺達の為に時間を稼いでくれた。そうでなければF国の領域にすら入れなかった筈だ」  夕食後、2人は改めてこれまでの経緯を共有する作業に入っ

          R_B < Part 6 (5/9) >

          R_B < Part 6 (4.5/9) >

           意識の奥底で、赤い髪が揺れる。 (……香琉那?)  近くに居るのだろうか。  それなら、伝え忘れていた事を今のうちに話しておこう。  だが呼びかけようとした矢先、僕の耳に飛び込んできた声。 [ありがとう……芥!]  誰だろう。  彼女のアルトよりも明らかに低い、男の声。  初めて聞く声……けれども。 (そうか、“君”が……)  僕は何も知らない。それでも一瞬で分かった。 (“君”も、彼に心を救われたんだね)  香琉那と同じ髪色を持つ青年。  そのルビー色

          R_B < Part 6 (4.5/9) >