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うそつきは真実を口にした
冗談のつもりで別れよう、なんていった。彼女は一瞬驚いたような顔をして、カレンダーを見てすぐに怒ったように頬を膨らませてぽかぽかと自分のことを殴り始めた。
「エイプリルフールだからって、ついちゃいけない嘘もあるでしょ!!」
「でも、エイプリルフールについた嘘は実現しないっていうよ?」
「それでもだめ!!」
そういう彼女の様子に、自分は二つ返事で軽く返したのだ。エイプリルフールについた嘘は実現しない。
甘いケーキとおませさん
「いい加減にしてよ‼︎」
そうオレに向かって叫んだのは、いつも自分なりに夜咫やハルの面倒を見ている見習い九尾の狐太郎だった。どうやら何時もオンボロ神社の屋根で昼寝しているオレに腹を立てたらしい、尻尾の毛を逆立ててオレに向かって怒鳴ってくる。
「幽兄はいつもそう‼︎昼寝ばっかりして‼︎昨日の任務だって幽兄だけいなかったしさ‼︎」
ああ、昨日か…昨日は確かあの科学者のところに薬もらいに行ってたん