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日記

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何も起こらない日はない。何も感じない日はない。詩への架け橋になるように日々をつらつら綴る。
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2021年12月の記事一覧

日記「昭和生まれの女は痛みに耐える、は止めにしました」

日記「昭和生まれの女は痛みに耐える、は止めにしました」

私の母はいわゆる団塊の世代。今ではすっかりおばあちゃんだ。数十年前に閉経したであろうし更年期障害があったのかどうかもわからない。そうゆうことは一切話さない女性だ。

私が初潮を迎えたのは中学一年生の時。保健の授業でなんとなく知ってはいたけれど、本当にこんな風に出血するものなのかっ!と驚きと戸惑いと少しの恐怖心があった。母は「はいはい」と生理用品をどこかから持ってきて付け方を教えてくれた。母にも生理

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日記「恋人がサンタクロース」

日記「恋人がサンタクロース」

ユーミンの代表的な楽曲。スキーが流行していた時代にリフトに乗っていると必ずスキー場に流れていた。今や定番のクリスマスソングになっている。あ~だこ~だ語らずにストレートに恋人がサンタクロースって言えちゃうユーミンはすごい。

子供の頃サンタクロースはいると思っていた。今でも記憶に残っているクリスマスがある。あれは幼稚園の年長さんの時。「おちないくん」というおそらく手長猿と思われるぬいぐるみをサンタさ

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日記「霜柱のよくあるはなし」

日記「霜柱のよくあるはなし」

日課のお散歩で、今年の冬、はじめて見つけた霜柱。

霜柱って不思議。寒い夜の間に目に見えない地中の水分が凍ってむくむくと氷になって地上に立つ。その時どんな音がするのだろうか。

じょわっじょわっ? ぴきっぴきっ? むきっむきっ?

きっと静かに静かに強く強く土から突き出て柱を創るのだろう。

私がすごく小さくなって霜柱の先端が見えないくらい小さくなって、霜柱の森をお散歩したらきれいだろうな。お

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日記「木漏れ日から光合成する」

日記「木漏れ日から光合成する」

「朝も好きになりたいから」と朝のお散歩をするようになって約一ヶ月。すっかり一日のスタートが快適になった。特に土日祝日の朝は人がほとんどいないからいい。人がいないからマスクを外してもいいよね? いいと思うよ。私と私の身体との会話。

お家に帰りたくなくなって、川沿いの遊歩道を次の橋まで次の橋までと、どこまでも歩きたくなる。

何かに似ているな。元の場所に戻りたくなくて折り返す橋を過ぎてゆく。もっと先

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日記「三年という時の流れ」

日記「三年という時の流れ」

お寺の大きな石の上にいつも猫が丸まっているんだって。よくいる猫らしいがここがお気に入りらしい。いつからこの場所が気に入って、いつこの場所を飽きて離れてゆくのだろう。猫は気まぐれだからなぁ。

現代詩と出会ってもうすぐ三年になる。現代詩を読んですごく衝撃を受けて書きたいと思って、書き始めて詩誌の投稿欄に投稿するようになった。三年間、毎月かかさず投稿してきた。

「石の上にも三年」

そんなことわざが

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日記「肉体的痛みが心に及ぼす影響を思い知らされた親知らず抜歯後のよくあるはなし」

日記「肉体的痛みが心に及ぼす影響を思い知らされた親知らず抜歯後のよくあるはなし」

下顎にはたくさんの神経が通っているので下の親知らずの抜歯は大変らしいということは何となく知っていた。なので鎮痛剤でごまかしつつ歯医者に行くのを躊躇っていた。

元々、歯医者は大の苦手。好きな人はそういないだろうけど、道路工事とか建物の解体作業とかに似ていて、あんなものが繊細なお口の中で行われると思うとそれだけで鳥肌がたつ。

大門未知子がねオペ中に言ってたんだよ。

人間にいらない臓器なんてないっ

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日記「軌道修正  Breakthrough」

日記「軌道修正 Breakthrough」

飛行機ってバックできないって知ったのは21歳の時。北海道旅行で初めて飛行機に乗った時のこと。羽田空港も初めてで離陸する飛行機と着陸する飛行機と滑走路をゆっくり走る飛行機をみたのも初めてだった。

ねぇ。なんであんなぐるぐる回るのかな。バックすれば早いのに。
飛行機はバックできないんだよ。

連れに言われてびっくりした。後にできないのではなく敢えてしないのだと知ったのだけど。

前にしか進まない飛行

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日記「余白と空白」

日記「余白と空白」

師走の始まり。夜空は必要な余白を残しすっかり冬の星座でにぎやかになる。東の空からオリオンが昇ると冬の到来を視覚的に感じる。東京の田舎とはいえ住宅街から確認できる星は星空の一部に過ぎない。槍ヶ岳のてっぺんにごろんと寝転んで満天の星空を眺めることが夢のひとつだけれども、住宅街からみえる程の星空がちょうど良いのかもしれない。満天の星空では星座を確認できる自信がない。たぶん夜空にも余白が必要なのだろう。

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